冬の対策 〜乾燥対策と風邪予防〜

 

 

Q:なぜ冬は乾燥するの?

冬になると、−50℃にもなるシベリアで発生した高気圧が日本海を渡って日本海側に雪を降らせます。季節風はその後、山を越えて太平洋側に吹き降りますが、日本海側に雨や雪を降らせて水分を放出しているので、とても乾燥しています。さらに冬は暖房を使用します。空気は暖めると乾燥するので、乾燥している冬の大気が暖房により、更に乾燥が進むというわけです。

 

Q:空気が乾燥すると風邪をひきやすくなる?

風邪症候群の原因は80〜90%がウイルスの感染です。ウイルスとは生きた細胞の中だけで増殖する特異な微生物のこと。風邪のウイルスは200種類以上あるといわれますが、多くは冬場の低温乾燥の環境で空気中の飛散量が増加します。「ゴホン10万、ハクション100万」とういう言葉がありますが、風邪をひくと1回のセキで10万個、1回のクシャミで100〜200万個の飛沫が空気中にばらまかれます。このウイルスは湿度の高い状況では、すぐに地面に落下してしまいます。ところが、湿度が40%以下になるとウイルスの水分が蒸発して軽くなるため、落下速度はゆるやかになり約30分間、空気中を漂うことになるのです。空気中のウイルスは人が息を吸い込む時に鼻やノドから感染して、流行しやすくなると考えられています。また、空気が乾燥すると、ノドの粘膜が乾燥して炎症をおこしやすくなり、ウイルスを防御する力が衰えてきます。こうしたことが重なって、空気が乾燥する冬には風邪をひきやすくなります。

 

Q:乾燥すると、なぜ肌あれするの?

皮膚の表皮では、皮脂と汗が混じり合って皮脂膜を作り、天然のクリームとなって皮膚をおおっています。ところが、冬には寒気が肌の血行や新陳代謝を悪くして皮脂や汗が出にくくなり、冷たく乾燥した風が肌の水分を奪うため、肌の水分が不足して肌あれするのです。

乾燥肌の改善対策

・暖房は必要最低限にとどめ部屋の湿度に心がける。

・熱いお湯の入浴は避ける。

・液体やクリーム状の洗剤は多量使用に気をつける。

・タオルでのこすり過ぎに注意する。

・入浴後は保湿剤を塗る。

・下着や寝巻きは水分を含む綿製品を着用する。

 

Q:汗もかいていないのにノドが乾くのは?

からだの水分が失われるのは、汗のせいばかりではありません。実は息をしているだけでも、からだの水分は奪われているのです。汗をかかないからといって水分をとらないでいると、ノドがカラカラになるだけでなく、からだ全体が想像以上に乾いてしまいます。

乾燥対策

観葉植物やコップの水で湿度調節

観葉植物には室内の乾燥をやわらげる効果があります。球根の水栽培も、水分が蒸発して室内の湿度を上げてくれます。また、コップに水を入れておくだけでも室内は潤います。ただし、これらの効果はゆるやかですから、暖房は20度くらいにして、あたためすぎないことも大切です。

コタツや電気毛布など、肌に直接触れる暖房器具は、長時間使うと肌の水分を奪ってカサカサにしてしまいます。これらは短時間、補助的に使いましょう。ファンヒーターなどの温風暖房でも、直接からだに当たらない位置に設置するなどの工夫を。

エアコンなどの暖房は、室内の空気を乾燥させます。乾燥が激しいときには、加湿器などを用いて湿度調節をすることをおすすめします。ただし、加湿のしすぎは結露を招き、カビやダニも発生しやすくなりますので、湿度計などで室内の湿度は50%程度を目安にしましょう。

また、加湿器の水にカビが発生するのを防ぐため、加湿器内の水をこまめに入れ替え清潔にしておきましょう。

 

風邪予防

風邪にも負けない栄養管理

細菌やウイルスと戦うための免疫物質のもとになる、たんぱく質や、鉄・亜鉛・銅などのミネラルをしっかりととり、ウイルスの侵入を防ぐ役目がある鼻の粘膜を作る元になるビタミンA・C・Eなどの物質をきちんととることが大事です。普段からしっかりとバランスよくこれらの栄養を摂ることで、風邪に負けない健康な体を作ることができます。

口呼吸は免疫力の低下を招く

普段から口呼吸をしている人は外部からウイルスや細菌が侵入する際に鼻ではなくて口を通って入ってきます。鼻にあるウイルス探知の鼻咽頭を通過しないため、ウイルスと戦うための免疫物質の増加を促す信号がリンパ節に発信されず、免疫力が落ちウイルスに負けやすい状態となってしまいます。そうなると風邪にもかかりやすくなるというわけです。口呼吸の人は鼻呼吸を意識して直していくよう心がけましょう。

手洗いが大事

外から帰ったらまず手を洗いましょう。手についたウイルスが食事などの際に体内に侵入してしまう恐れがあるからです。

 

Q:もしも風邪をひいてしまったら?

風邪の症状がまだ軽いうちに細心のケアをほどこし、こじらせないようにすることが何より大切です。第一に心がけたいのは、十分な栄養と睡眠をとり、ウイルスに対する防御機能を高めること。部屋を暖かくして乾燥しないようにし、消化しやすく栄養バランスを考えた食事に気を配ります。脱水予防のために水分もこまめに摂りましょう。そして、とくにたっぷり補給したいのが「ビタミンCとA」です。風邪をひくと白血球がウイルスを退治しようとし、それには大量のビタミンが必要となります。またビタミンA(ニンジン・カボチャ・卵黄などに多く含まれます)にはからだの免疫力を高め鼻やノドの粘膜を丈夫にする作用があります。野菜や果物、市販のビタミン剤などでビタミンを普段以上に多めに補給するようにします。

 

おばあちゃんの知恵袋

鼻がつまる、ノドがいがらっぽい・・・ひき始めの風邪には昔から受け継がれてきた民間療法を試してみてはいかがでしょう。身近な野菜や果物などの薬効をうまく応用した先人たちの知恵や工夫は、今も役立つものが少なくありません。例えば風邪で鼻がつまった時は、長ネギ(縦半分で5cm位)の切り口を鼻に10分ほどあてておくと、鼻づまりが解消します。長ネギには粘膜を適度に刺激し血行を良くする硫化アルカリ化合物が含まれているため、鼻づまりだけでなく、ノドの痛みにも効果があると言われています。また梅に含まれるクエン酸は、抗菌・発汗作用にすぐれています。梅干しを金網かオーブントースターで黒くなるまで焼いて湯のみ茶碗に入れ、熱いお湯を注いで飲む「梅干しの黒焼き」(梅も食べる)もあります。この他にも、レモンに匹敵するほどのビタミンCを豊富に含むレンコンのおろし汁にお湯とハチミツを合わせて飲む「レンコン湯」や、ハチミツとしょうがのおろし汁をお湯で割る「しょうが湯」など。いずれも驚くほどの即効性はないかもしれませんが、そのぶん薬効はナチュラルです。

 

咳エチケットを

咳、くしゃみが出そうになった時、また出る時は鼻と口をティッシュで覆い、その後は手を洗うかウェットティッシュで拭いてください。

そして、できるだけマスクを着用しましょう。周りの人にうつさないようにすることも大事なことです。「ゴホン10万、ハクション100万」たった1回でこれだけの飛沫をばらまいていることを忘れずに。また、吐息には水分が含まれているのでマスクを着用することにより、加湿効果があがりノドに良い環境をつくります。

 

Q:お風呂は入っていいの?

入浴はダメと言われがちですが、熱がなければOK。入浴によって気分がリフレッシュでき、お風呂の湯気は鼻やノドの粘膜を適度に潤してくれます。ただし体力の消耗の少ないぬるめのお湯にゆっくり入ること。また入浴後は絶対にからだを冷やさないようにしましょう。洗った髪も完全に乾かすようにします。

 

 

 

〜乾燥と風邪に負けず寒い冬を乗り切りましょう〜

 

保健管理センター 渡邉理恵子



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