東京学芸大学/学長だより 2012年2月

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2012年 2月22日(水)福島の子どもたちと学大生

 3.11からまもなく1年です。地震・津波の自然災害からの復興もまだまだですが、原子力発電所の事故にともなう被害を乗り越えるには、どのくらいかかるのか気が遠くなるような事態です。
 東京にも被災地から避難されて来た方たちが多数います。とくに福島県の被災者には、大人は県内に残って仕事をしても、子どもたちだけでも遠くに避難させようという家族も多かったようです。東京都の夢の島に、そのような子どもたちだけで滞在している施設があります。小学生から高校生まで、多いときには25人以上の子どもたちが共同生活を送りながら、学校に通っていました。昼間は、東京都の職員などがお世話をしていましたが、夜間は大人の手も少なくなります。
 そこで、中学生や高校生の勉強時間を19時30分から21時まで確保し、大学生がサポートする仕組みを、本学と東京都との協力でつくり、昨年の4月から始めました。夏休みに子どもたちが県内外の親元に戻った時期などを除き現在まで、月曜から日曜まで曜日ごとに1名から数名の本学の学生が交替で毎晩通い、子どもたちとともに過ごしてきました。必ずしも勉強の手助けだけでなく、話し相手、相談相手を務めることもあったようです。
 教育支援ボランティアのための学内募金などから、1回千円の交通費は補助しましたが、学生たちは基本的には文字通りのボランティアで、大学から1時間半近くかかる夢の島に毎週通い続けました。ちなみに、本学は、学校でのボランティア活動を一定の条件で単位として認める「学校インターンシップ」という授業を設けています。しかし、学生たちは夏季休業期間に実施した「教育支援ボランティアin鳴子」の場合もそうでしたが、単位をとるためではなく自発的な行為として教育支援ボランティアをしてくれました。
 福島の被災者のみなさんの一部は、ようやくふるさとに戻れたのかもしれません。新しい土地で家族一緒の生活を始めた方たちもいるのでしょう。また、進路の関係等からも滞在している子どもの数が減ってきたので、今月末でこの取組を終了することになりました。これまで、全部で30人近い学生がこのボランティアに参加し、うち3人は昨年4月から年間を通して最後まで通い続けたのでした。
 この1年をそこで生活した子どもたちが、少しでも希望をもって新しい生活を始められることを願っています。それとともに、そこに通った本学の学生たちも、このボランティア経験をかけがえのないものとして、将来に生かしてくれればと思います。お疲れ様でした。

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