東京学芸大学/学長と語るVOL.04

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学長と語る

【学長】東京学芸大学には、附属学校と幼稚園が正式な数としては11校園ですが、5地域に分かれて13の施設があります。今回の「学長と語る」はその一つである、大泉地区の国際中等教育学校を訪問させていただきました。長年にわたり帰国子女教育に携わっていた附属大泉中学校と附属高校大泉校舎の2校の歴史を受け継いで2007年4月に6年一貫教育を行う国際中等教育学校が創設されました。現在は1年生から4年生までが在籍しています。

 今日は佐藤さんと真島さんというお2人の生徒さんと、先生は赤羽先生、星野先生のお2人に来ていただきました。ちょうど今は教育実習期間で、大学から多数の実習生が来ていて先生方にはお忙しいところ申し訳ありませんがよろしくお願いいたします。

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《スクールフェスティバル》

 それでは生徒さんの佐藤梨佳さん、真島壮平さんから自己紹介と、先日ここで行われたスクールフェスティバルでどのようなことに取り組まれたかというお話をしていただけますか。
【佐藤】私は現在3年生ですが、小学校2年生の3学期から6年生の2学期までイタリアのローマで暮らしていました。その時はインターナショナルスクールに行っていて、そこではいろいろな国、いろいろな家庭の友達と出会いました。
【学長】インターナショナルスクールの共通言語は何でした?

【佐藤】英語です。

【学長】英語なのね。イタリア語は話せるんですか?DSC_1152.jpg真島壮平(3年生)さんと学長

【佐藤】その学校ではイタリア語の授業がありましたし、友だちにイタリア人がいましたので今年の夏、ボローニャから来日した合唱団の女友だちの、東京観光のボランティアをしました。東京を知るいい機会になりました。

【学長】なるほど。そして今は生徒会長をやってらっしゃるということですね?


【佐藤】はい。

【学長】それでは続いて真島さん、よろしくお願いします。

【真島】ぼくは、小学校は隣の学芸大附属大泉小学校で、内部進学で、ここに来ました。

【学長】今は生徒会の副会長をやってらっしゃるんですね。スクールフェスティバルではどんなことをやりましたか?
DSC_1029.jpg佐藤梨佳(3年生)さんと学長
【真島】ぼくたち3年生は11月に修学旅行で沖縄に行くので、ぼくはサンゴ礁をテーマにしたんですけれど、グルクンという沖縄の県魚を例として、サンゴ礁や、漁師さんの高齢化をテーマにして、プレゼンをやっていました。

【学長】佐藤さんは?

【佐藤】私も同じく沖縄で、沖縄の自然保護というテーマで映画を作成したのですが、イリオモテヤマネコとかジュゴンが自然環境の汚染で少なくなって絶滅の危機にあるというのを取り上げて、ちょっとコメディも入った映画を作りました。

【学長】学年全体で一つのテーマをもち、いくつかのグループに分かれてそれに取り組んでいるんですね。

【佐藤】そうです。

【赤羽】テニス部では、スクールフェスティバルで何をしたの?

【佐藤】テニスは元副部長でしたが、今は3年なので引退しました。

【学長】中等教育学校でも3年生でやっぱり引退しちゃうんですか?

【星野】そうなんですよ、なぜか。

【佐藤】でも私は高校のテニス部といっしょに、変装して歩き回りました。声をかけられたらクイズを出し、正解するとスタンプをあげるんです。校内スタンプラリーといいます。

【学長】佐藤さんは何に変装されたの?

【佐藤】不思議の国のアリスです。金髪のかつらをかぶり、水色のドレスを着ました。いつか原作を英語で読んでみたいです。

【学長】おもしろそうですね、ありがとうございました。


《国際バカロレア》

国際中等教育学校国際中等教育学校【学長】それでは先生方遅くなりましたけれども、まず赤羽寿夫さんは、主幹教諭で、理科がご専門ですね。自己紹介と、それからこの国際中等教育学校設立以前からずっと関わっておられたと思いますので、中等教育学校と国際という二つの側面の特徴を紹介していただけますか。
【赤羽】はい。私は東京都の公立中学校で10年間経験した後、大泉中学校と国際中等教育学校にお世話になっています。生物を中心に授業を行っています。
 この学校は、初め、海外で教育を受けた生徒たちと、日本で教育を受けた生徒たちが半々になる国際性豊かな学校を作りたいという先生たちの強い意志で創設されました。しかし最近は、生徒たちも増え、少しイメージが変わりました。本校に入学した生徒たち、またここから海外へ出る生徒たちが、ストレスなくその場所に溶け込めるための生活習慣ですとか、経験を本校で得ることで、国際性を高めるために必要なスキルを身に付けさせてあげることが、この学校が社会で必要とされるコンセプトになると思っています。

【学長】こういう学校が、私が子どものときにあったら是非来てみたかったなと思います。これからの時代には是非とも必要な学校で、まずここが一つのモデル校として先進的な取り組みをやっていただけたら、学芸大学としてもうれしいと期待しています。
 星野あゆみ先生は英語のご担当ですが、今、学級担任もされていらっしゃるんですか?

【星野】去年までは1回生の担任をしていたのですが、今年はしていません。

【学長】MYP(Middle Years Programme 国際バカロレア機構(IBO)で定める中等課程プログラム)のコーディネーターもしてらっしゃるからでしょうか。MYP について少しご紹介していただけますか。
DSC_1181.jpg星野 あゆみ 先生
【星野】はい。この学校の開設準備室では国際社会で活躍できる人材を育てていきたいという気持ちがすごく強くて、それを理念に盛り込んだわけですけれど、それを具体的に実現していく道しるべが何かほしいと思いました。探しあてたのがMYP教育でした。私たちの理念とMYPが目指しているものが、かなり一致してたのです。日本語で授業をやってもかまわないというように、MYPは細かく学習内容を規定していませんので、学習指導要領にのっとった授業をそのままできるのです。こうしたことがあって開設準備室はMYPを取り入れようと決めました。それからことしの2月にIBOから認定されるまで3年半ぐらいかかりました。

【学長】認定を受けると、ここで学んだ生徒さんが日本や海外の他の学校に進学されるときに、特定の意味をもってくるのですか?

【星野】どこかの大学や高校へのパスポートが得られるというわけではないです。ただ知識を詰め込むだけの教育ではなくて、幅広い教育を一貫して行っている学校としてIBOから認定されているところに利点があるかなと思います。他の国でIBO認定校に行ってたのでここに来たという人もいますし、逆にうちから海外転勤で出て行ったときに、IBO認定校に行ったという例も何人かあります。

【学長】「こういう教育をしています」ということの保証が世界に通用するといったイメージでよろしいでしょうか。ありがとうございました。


《英語イマージョン教育》

【学長】先ほど星野先生がすべて英語でなさっている授業を拝見させていただいて、みんな感心していたんですけれども、あれ自体は英語の授業ですね。それ以外に国際教養ですとか、イマージョン授業、JSL(Japanese as a second language)といった、この学校ならではの授業の特徴みたいなものを少し紹介していただけますか。

DSC_0920.jpg【星野】MYPは国際教養や実際の社会とつながる学習を重視していますので、本校では国際教育という時間を設けてます。実際の世界との関わりを実感できるような時間にし、視野を広げた学習ができるようにしています。
 それから英語を使って教えるイマージョン教育は、英語を使える人材を育てたいという目的があります。ただ全ての科目を英語で行うわけではないので、限られた時間の中でどうやって実際に使える英語を生徒たちに身につけさせられるかと考えました。そのときにアカデミックな学習内容を英語で操作できるように、若いころから英語でトレーニングをしたいということになりました。現在は3年生からイマージョンの授業で、数学と理科と社会の授業を1年間を通して英語で受けることができます。ただそれをいきなり3年からやるのは難しいので、1、2年生の間はプレ・イマージョンという形で一学期に1回ずつ、ある日突然、数学の授業が英語になったりというようなことをやってます。限られた時間でできるだけその教科内容を英語で扱います。将来的には海外に出た時に、スポーツの話や天気の話しだけではなくて、実質的なディスカッションを英語で少しでもできるようにということで始めました。

【学長】ある日突然あるんですか?

【星野】そうです。

【学長】どうでしたか、そういうのを受けて。

【真島】ぼくは最初は全然英語ができなくて、あわてて辞書探して、隣の人たちに通訳してもらったりしました。「え、今のどういう意味?」とかいう感じで。でも日本語に翻訳しちゃってると遅いので、「え、そこまでもう進んでるの?」という感じで、いつもあわててました。

【学長】真島さんは今は英語のアドバンスのクラスにいますよね。どのくらいで慣れましたか?

【真島】LEという英語の授業で最初に慣れたのは、1年生の2学期の終わりぐらいでした。そのころ突然英語で言っていることが全部わかるようになって、「あれ、こんな簡単だったの」って感じで、一気に伸びました。

【学長】そうですか、全部が英語漬けじゃないのに、中学生ぐらいだったらある日突然、パンとわかるという経験があるのでしょうか。今のLEというのは何ですか?

【星野】LEというのは、国際教養の中の科目の1つで、Learning in Englishというものです。「英語を学ぶ」のではなくて「英語で学ぶ」という授業で、1、2年生に行っています。基本的に英語のシャワーを浴びせるというような授業です。

【学長】そうすると、突然の英語でやる授業というのと合わせると、1週間の中で最初はどのくらいの英語漬けにあうのですか?

【星野】できるだけ毎日、一定時間は英語に浸すという時間を作ってきました。


DSC_0910.jpg星野先生の授業参観

《入学動機》

【学長】だんだん授業の様子が具体的にわかってきましたが、生徒さんお2人はそもそもなぜこの学校を選んだのですか?真島さんは附属小にいらしたからというのもありますけれども、ここが国際中等だということをわかって入って来たわけですよね。他の選択肢ももちろんありえたわけだけれど、どうしてここに進学しようと思いましたか?

【真島】将来は理系の先生になりたいなと思ってたんですよ。でもそうすると論文は絶対英語で書かなければいけないですよね。それで生き延びるために、英語が必要かなと思って、両親も英語は大事だよっていうことだったので、じゃあ英語を重点的にやってみようと思ってこの学校に決めました。

【学長】なるほどね。附属大泉小では英語はやっていたのかな。

【真島】やっていたと言えばやっていたんですけれども、簡単なものでした。

【学長】そうですか。佐藤さんは、外国から帰って来たというのもありますけど、この学校のことはどうやって知って、どうして入学しようと思ったのですか?

【佐藤】私は、せっかく今まで英語をやってきたのだから、その英語をまだ続けたいというのがありました。この学校でイマージョン授業というのがあって、英語で授業ができると聞いたので、この学校がいいんじゃないかなと思いました。それにこの学校には緑がたくさんあって、ローマの学校もそうだったんですが、そういうところもいいなと思いまして、ここにしました。

【学長】じゃあ見に来て決めたんですね。イタリアから帰ってきて、日本の公立の小学校にいらしたときは何年生だったのでしたっけ?

【佐藤】6年生です。イタリアでは、ミドルスクール1年生を終えたところでした。

【学長】じゃあもう中学校はどこに行こうかなと考えていたんですね。お2人は、特別とは言わないけれども普通とは違う学校に来ているわけですが、もしお友だちに「あなたの学校はどういう学校?」と聞かれたときに、どういうふうに説明しますか?
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【佐藤】私は「自由な学校」というように説明します。ルールよりもマナーという感じで。そして1人1人を尊重する学校、1人1人の個性を伸ばす学校って説明します。普段は私服ですし。

【学長】なるほど。真島さんはどうですか?

【真島】言いたいことを言われてしまいましたが、自分の良識に従って活動ができる学校っていうのと、それからやはり英語に力を入れている学校っていうふうに説明しますね。


《共生教育》

【学長】お友だちの中に多様な人たちがいますね。多様な人の共生を大事にしていこうという学校だと思います。さっき校長先生に確認したんですけれども、名簿は男女一緒ですよね。そもそも男子の定員、女子の定員というのは?

【赤羽】ないです。

【学長】ないんですね。それにいろんな国から来ている方もいらっしゃるそうですし、外国を経験していない人、附属からの人、それ以外の公立学校から来た人もいて、多様ですね。

【赤羽】生徒がもつ滞在国のバックグラウンドで、やはり多いのはアメリカですが、最近はヨーロッパが増えてきました。そしてやはりアジアでは中国や韓国が多いですね。

【学長】国際結婚された方々のお子さんがいらっしゃるという話もうかがいました。でも子どもたちはそんなに意識していないでしょ?

【赤羽】していないですね。もしかすると帰国生であることを忘れている生徒もいるようです。

【学長】最初はそういう構えみたいなものがあっても、なくなっていくのでしょうね。あの人は女性だとか男性だとか、あの人はアメリカから帰ってきたとか、そういう感じは1人1人そんなに意識していない?
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【真島】していないです。

【学長】反対にいろいろな国から来た人たちがいると、生徒さんたちの中で、他の国の文化のこと、カルチャーのことを耳にしたり話したりするチャンスはありますか?知らなかった国の話を聞いたりとか。

【佐藤】生徒会主催のイベントで、学校の家庭科室で世界のいろんな料理を知ろうという活動をやることがあります。メキシコの料理を作ろう、というときにはメキシコ人のご家族の方がいらして、特別なものではない、普通のメキシコ人たちがよく食べている料理を作りました。

【学長】お2人とも生徒会活動をやっていて、いろいろな人と学校生活をうまくしていく上で何か気を配っていることがありますか?それとも、そんなに気を配らなくても大丈夫なのかな?

【佐藤】やっぱり最初のころは、日本の学校から上がってきた人と、帰国生との間に壁があったんですが、1年生の途中ぐらいになるとみんな壁がなくなって、普通に話して、仲良くやっていくようになります。

【学長】佐藤さんは海外の学校を経験して帰ってきて、日本の学校に対する違和感はなかったですか?

【佐藤】小学校1、2年生のころは日本の小学校だったので、そんなに違和感はなかったです。でも給食とかが今までなかったので、すごく違いを感じました。DSC_0999.jpg

【学長】真島さんはずっと日本の学校で、外国の学校に行ったことがないですよね。この学校でも主流はそういう人たちなわけですけれども、帰国生がたくさんいて、「えっ」とびっくりするようなこと、変な意味ではなくてカルチャーの違いを感じたことはありませんでしたか?

【真島】最初にやっぱりびっくりしたのは、廊下とかでしゃべっている子たちが、普通に英語を使っていたことですね。「何言ってんの、この人たち」「ヤバいかもしれない」と思っちゃいましたね。

【学長】それでもすぐ仲良くなれるんですね。
 佐藤さんは、インターナショナルスクールにいたときに、日本のことをもっと知りたいと思ったことはありますか?

【佐藤】私は日本の有名な場所にはあまり行ったことがなくて、日本の歴史もよく知らなかったので、みんなにサムライのこととか聞かれるとよくわからなかったことがあります。もう少し自分の国のことを知るのは大切だなと思いました。

【学長】よく日本の人が外国に行くと、日本の文化についてもっと勉強しておけばよかったって言いますよね。私なんかも海外に行ったときに思いますけれども。星野先生も、海外経験のある方を学校で教えてらして、日本文化のこととかでご意見はありますか?

【星野】そうですね。私も海外に行くと日本の代表のように思われるので、日本文化を知っていないといけないなと思います。生徒たちにはそれを伝えているつもりなんですけれども、なかなか自分でそれに気づかない。日本にいながら自分の文化を学ぶというのは、けっこう大変なことです。

【学長】そうですよね。では、授業の中でも文化を伝えようとしていらっしゃるんですね。

【星野】文化を授業で意識させています。


《附属学校としての役割》

【学長】わかりました。ところで赤羽先生、ここは、東京学芸大学の附属校ですが、附属としての役割について何かお考えがありますか?


【赤羽】附属としての役割というよりは、まずここでしかできないことをしっかりやる。それを行ったうえで、生徒たちが大人になり、活躍してくれたら、中等教育学校で勉強したことが、こんな形で役立つということがわかってくるでしょう。ちょっと長いスパンの話になりますけれども、それが結果的に附属学校の大切な役割なのではないかと思っています。DSC_1044.jpg赤羽 寿夫先生
 短いスパンですと、本校で行っている研究やイマージョン授業といった、公立の学校では実践しにくいカリキュラムを、「ここまでならできますよ」「こうやったらうまく行きますよ」と提案できる場というものを作っておきたい。ですから、どの教室も自由に入っていいという雰囲気を、先生方の努力で作っています。その努力が、普段来ていただいている方々にも、自然に感じられるような学校だと思います。これは私たちの使命でもあり、特徴でもあると思っています。

【学長】実際に公立学校の先生がお見えになって見学することはありますか?

【赤羽】あります。個人的に依頼される先生もいますが、JSLの講習会を本校で開催することもあります。そういう先端校的な役割を今、着実に行っているところです。

【学長】JSLの講習会というのは、教える側の先生たちが、ここで研修を受けるということですか?

【赤羽】そうです。

【学長】もうちょっとJSLのことをお聞かせ下さい。

【赤羽】日本語が少し不自由な生徒たちには、当然のことながら日本語の指導をしていかなければなりません。でも生徒は生徒たちの中でどんどん成長するものですから、授業中の取り出し指導はできるだけ行わず、授業に参加させます。そこで授業の中でどのようなアドバイスをすればわかりやすくなるのだろうか、ということをJSLに関連して研究しています。
 これは日本語指導の先生と連携して行っているのですが、たとえば、ある生徒が日本語指導の先生に、「今日の授業はどこで始まり、どこで終わったのかわからなかった」という相談をしました。そこで私たちはハッとさせられます。普通、日本の学校では授業を行うとき、「導入」として何気ない普段の話をしながら、自然にスーッと授業に入っていくのが、よい導入と私たちは思っていますが、帰国の生徒たちは、どこからが授業かわからないので、ノートがとれないということになります。それからは、授業の時に「それじゃ授業を始めよう」と言うようになりました。
 このように、あえてJSLの授業ですよと言いません。ですから多分、生徒たちはJSLの授業を受けているという気がしていないと思います。

【学長】なるほどね、ありがとうございました。


《将来の希望、学校の将来》

【学長】 それでは最後に生徒さんお2人に将来の希望について、今度は真島さんから聞こうかな。さきほど理系の先生の話をしてましたね。

【真島】ぼくは、今は癌の研究をしてみたいなって思ってます。低リスクでしっかり効く薬や手術を確立できたらいいなと思っています。

【学長】すごいですね。なぜ医学に関心をもったのですか?

【真島】そうですね、大したことじゃないんですけれど、友だちがちょっとケガをしたときに何もできなかったのが悔しかったというのがきっかけです。

【学長】そうですか、是非ここでがんばってください、国際的に活躍できるように。癌の治療というのは日進月歩だから、真島さんがお医者さんの世界に行くときもいくらでもすることがあると思いますよ。
 佐藤さんはどうですか?

【佐藤】私の将来の希望は2つぐらい考えていまして、1つ目は英語力を生かして、他国の文化について触れたり、日本のことをいろいろな人に紹介できる仕事に就きたいと思ってます。2つ目は、学校でCS活動(Community & Service)というものがありまして、ボランティアとかをするんですが、国連とかそういったところで、各国の人を助けられるような仕事につきたいですね。あとは、去年の2年生のワークキャンプでWFP(国連世界食糧計画)に行って、インタビューをしてきたりしました。そういう活動に興味があります。

DSC_1211.jpgCSのノート【星野】これはCSのノートなんですけれども、どんどん外に出て行っていろんな奉仕活動をやってきてね、と毎週ノートをつけさせています。なかなか日本の学校は外に出て奉仕活動することが難しく、特に附属学校は地域に密着していないということもあって難しいんですけれども、日本の学校に必ずある掃除というものを一つの基礎にして、外に出て行かせています。けっこうボランティアの輪が広がってきまして、ボランティア部までもできているような状況です。人のために役に立ちたいっていう気持ちが、生徒たちの中に育っているというのが嬉しいです。

【学長】それでは赤羽さん星野さんそれぞれに、この学校をどのように発展させていきたいかということや、課題をお聞きしたいのですが。

【星野】私は元帰国生ですが、海外から日本にきている子どもたちはインターナショナルスクールに行っていて、日本人のお子さんは公立に行っていて、という住み分けができていたのがすごく不満だったんですね。なので新しい学校を作るときには、帰国生といった枠をはずして、入学選抜も「帰国生だからこの試験を受けて下さい」というのではなくて、試験を2つ用意して、どちらかを選んでくださいという形にしています。帰国の子も、外国の子もそれぞれがその枠にとらわれないで、個性としてとらえてもらえるような学校を作りたいと思っていて、それでこの学校の準備に参加しました。そういう意味では私の夢は1つ叶ったことになります。真島君のように日本の附属学校で学んだ子が、英語のアドバンスの授業で佐藤さんみたいな帰国の子と一緒に同じように勉強ができるのは、私の1つの理想形だったので、非常にうれしかったです。今後は生徒たちが世界に羽ばたいていけるようにお手伝いしたいということと、最終的には日本の教育をよくしたいなという気持ちがあります。

【赤羽】私たちはこれから何をやっていかなければならないのか、ということを手探りで探していっている段階だと思います。その努力や新しいことへの挑戦が止まってしまったら、この学校は、そこまでの学校になってしまうと思います。ただ、最初に言いましたように、生徒たちにとって、ストレスのない学校を作りたいと思っています。もしかすると、その上には、もっと大きな、違う目標が見えてくるかもしれません。国際性の豊かさだけではないかもしれません。それを探し続けることが、本校の大切な課題と感じています。

【学長】大学としては附属学校も大事な一部だと考えていて、全体として運営していかなければなりません。生徒さん1人1人にも、できたら東京学芸大学の一員という意識をもっていただけたら嬉しいなと思っています。
 今日はこの学校の雰囲気がわかってとてもよかったです。ありがとうございました。

〔対談日:2010年9月16日〕

● 赤羽 寿夫(附属国際中等教育学校教諭)
● 星野 あゆみ(附属国際中等教育学校教諭)

● 佐藤 梨佳(3年) 
● 真島 壮平(3年)

DSC_0990.jpg校長(出口利定)先生と談話

DSC_0901.jpg校内施設を視察

DSC_0979.jpg校内を歩く

DSC_0965.jpg実習生の授業も参観

DSC_0971.jpg美術の実習生の授業も参観

DSC_0921.jpg授業を参観

DSC_1257.jpg国際中等教育学校の入口で

DSC_1270.jpgありがとうございました。

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