森研堂さん、内藤真穂さん、中村あきさんの共著論文がScientific Reports誌に発表されました

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 本学修士課程生物学コースを修了した森研堂さんと中村あきさん、およびA類理科専修を卒業した内藤真穂さんたちの共著論文が、ネイチャー出版グループが刊行するオンライン国際誌Scientific Reportsに掲載されました。論文題名は「Ca2+-permeable mechanosensitive channels MCA1 and MCA2 mediate cold-induced cytosolic Ca2+ increase and cold tolerance in Arabidopsis(和訳:シロイヌナズナのCa2+透過性機械受容チャネルMCA1とMCA2は低温誘導性の細胞内Ca2+濃度上昇と低温耐性の獲得に関与する)」というものです。MCA1とMCA2は本学で飯田秀利教授(当時)の研究グループにより発見されたものです。今回の論文では、植物が低温にさらされた時、その2つのCa2+透過性機械受容チャネルが細胞内のCa2+濃度を上昇させ、植物に低温耐性をもたせるためにはたらくことを突き止めました。低温耐性獲得の解明は、「植物はなぜ氷点下でも凍らないのか」という疑問を解くために基礎科学の立場から大変興味深いだけでなく、寒冷地における農作物の増産にもつながりますので、重要な研究成果です。

− 元指導教員の飯田名誉教授のコメント −
 森さん、内藤さん、および中村さんは、修士論文研究または卒業論文研究に2年間とても良く打ち込みました。研究は必ずしも常に期待通りに進んだわけではありませんでしたが、3人ともたいへん辛抱強く研究に励みました。当時から私はその姿勢にとても感心していました。その姿勢は修了・卒業後も変わらず、3人とも都内の高校または小学校で教諭として意欲的に活躍しています。在学中の努力が報われて本当によかったと思います。
 2017年に文科省から発表された、2020年度の小学校から順次実施される新学習指導要領では、単なる知識の習得だけではなく、思考力・判断力・表現力が重視されるようになりました。理科では特に探求活動が重視され、研究者マインドを持った教員が求められています。このような教育界の情勢の中、すばらしい研究力を持った森さん、内藤さん、中村さんはそれぞれの学校等でこれから益々優れた教員として活躍するものと期待しています。
 なお、この研究は筑波大学・三浦謙治教授のグループとの共同研究の成果でもあります。同教授に感謝いたします。

◯ 論文内容について詳しく知りたい方は以下のURLをご覧ください。
 ▶https://www.nature.com/articles/s41598-017-17483-y.pdf

森研堂さん、内藤真穂さん、中村あきさんの共著論文がScientific Reports誌に発表されました