飯田秀利本学名誉教授が日本植物学会賞・特別賞を受賞しました

 去る9月9日に開催された日本植物学会第81回大会の表彰式において、本学の飯田秀利名誉教授(元生命科学分野、元附属小金井小学校長、現研究員)が、日本植物学会賞・特別賞を受賞しました。受賞理由は「研究者であることを生かした小学生への生物教育実践」です。
 同名誉教授は同小学校長在任中、動植物の不思議や自然現象について朝礼、林間学校(一宇荘生活)、臨海学校(至楽荘生活)などで小学生に分かり易く解説しました。また、在任中に起きた東日本大震災に伴う福島第一原発の事故後の放射性物質汚染への恐怖により臨海学校の実施が危ぶまれる中、現地の海水や飲料水などの放射線量を実測し、公的データも考慮に入れて、放射線を心配する保護者や教員に安全性を説明するなどしてリーダーシップを発揮し、臨海学校の実施に導きました。
 これらの活動は、同小学校ホームページの「校長だより」で随時公表するとともに、校長退任後東京学芸大学出版会から「分子生物学者、小学校長になる! ─朝礼と学校だよりで伝えたかったこと─ 」という本にまとめられ、出版されました。この本は、日本教育新聞と朝日新聞で紹介されました。また、東日本大震災後の同名誉教授の当時の対応は、東京学芸大学編「東日本大震災と東京学芸大学(東京学芸大学出版会、2013)」に資料とともに収録されました。
 今回の受賞は、これら附属小学校での活動が自然科学系の学術団体からも評価されたもので、教員養成を担う本学としても喜ばしいことです。なお、同時に日本植物学会賞・大賞を受賞されたのは、昨年ノーベル生理学・医学賞を受賞された大隅良典東京工業大学栄誉教授でした。