本学修了生・卒業生の滕金風さん、長敏彦さん、吉川里さんの共著論文が米国の生物化学雑誌に発表されました

 本学修士課程生物学コースを修了した滕金風さんと長敏彦さん、およびF類自然環境科学専攻を卒業した吉川(木村)里さんたちの共著論文が、アメリカの生化学分子生物学会が発行しているJournal of Biological Chemistry(JBC)誌に掲載されました。論文題名は「Posttranslational processing and membrane translocation of the yeast regulatory Mid1 subunit of the Cch1/VGCC/NALCN cation channel family(和訳:Cch1/VGCC/NALCN陽イオンチャネル類の酵母Mid1制御サブユニットの翻訳後加工と膜移動)」というものです。専門的な題名ですが、平たく言えば、カルシウムイオンなどの陽イオンを細胞内に取り込むはたらきをするCch1、VGCC、NALCNと名付けられた陽イオンチャネルの仲間をコントロールするMid1というタンパク質が、細胞内で合成された後どのように加工され、然るべき膜まで輸送され、機能できるようになるかを解明しました。これらの陽イオンチャネルは、ヒトでは脳や神経のはたらきにたいへん重要な役割をしていますが、酵母のような単純な(?)細胞でどのようなはたらきをしているか注目されてきました。今回の解明は、酵母のカルシウムイオンチャネルのはたらきのしくみを解明する上で大きな前進です。なお、発表したJBC誌は、1905年創刊の長い歴史をもち、100年以上にわたり世界の生命科学分野を牽引してきたジャーナルです。

− 元指導教員の飯田秀利名誉教授のコメント −
 滕さん、長さん、および吉川(木村)さんは、ともに研究の意欲と能力の高い学生でした。在学中、滕さんは本学での活躍が認められ文科省の国費留学生に選ばれました。長さんは2015年度の学長表彰を受けました。現在、この3人の共著者全員が大学または会社で活躍しています。元指導教員としてとてもうれしく思います。今回の論文発表で更に自信を深め、今後社会で益々活躍することを期待しています。

◯ 論文内容について詳しく知りたい方は以下のウェブページをご覧ください。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29042437

本学修了生・卒業生の滕金風さん、長敏彦さん、吉川里さんの共著論文が米国の生物化学雑誌に発表されました