国際標準模式地の審査状況について ~地層「千葉セクション」の認定へ向けて~

国際地質科学連合(IUGS)の作業部会で、10月から11月にかけて、地質時代の「前期-中期更新世境界」の国際標準模式地(GSSP)の候補を選ぶ投票が行われた。その結果、千葉県市原市の地層「千葉セクション」が選出され、IUGS内の上部の委員会に答申されることとなった。
今後、IUGS内で、答申を認めるかどうかの審査が、3段階にわたり行われる。
審査の結果、千葉セクションがGSSPになった場合には、現在「中期更新世」と呼ばれている約77万年前~約12万6千年前の地質時代の名称が「チバニアン」になる。

参考:国立極地研究所,茨城大学などとの共同プレスリリース:
http://www.nipr.ac.jp/info/notice/20171114.html


上記研究チームに本学自然科学系 西田尚央准教授が参画
西田准教授は、堆積学的な視点で千葉セクションの地層の特徴を詳しく調べ、当時の形成過程や環境について検討しました。その結果、比較的安定な条件でゆっくりと泥がたまる深海の大陸棚斜面であったことを明らかにし、GSSP の候補地にふさわしいことを示しました。
この成果はチームのメンバーとともに論文としてまとめ、昨年国際誌で発表しました。
*論文URL: https://doi.org/10.1016/j.quaint.2015.06.045

〈写真〉養老川沿いに露出する千葉セクションの地層

国際標準模式地の審査状況について ~地層「千葉セクション」の認定へ向けて~