大学史資料室の開設にあたって

前学長  村松 泰子

 本学のルーツは、1873(明治6)年に設置された東京府小学教則講習所である。この講習所は1876年に東京府小学師範学校となっている。その後、明治から昭和前期までいろいろな変遷をたどった複数の師範学校を統合する形で、1949(昭和24)年に新制大学として東京学芸大学が生まれた。師範学校とその附属学校は東京の各地に散在していたが、それらの旧蔵資料の一部は、小金井の地におかれた大学に残っている。大学にはこのほかに、戦後の教育改革期に教員養成大学として誕生した本学の初期の貴重な資料もある。

 日本の教育史、教員養成史にとって貴重な資料が残っていることは、知る人ぞ知るという状態だったが、これをきちんと保存・管理し、公開していくことが本学の使命であるとして、ようやく2年前から準備が始められた。

 本年4月に図書館のもとに正式に「大学史資料室」が開設された。オープニングセレモニーを、新制の東京学芸大学の創立記念日である5月31日に開催し、準備期間に所在を確認できた膨大な資料とその保存状態の一端を、実物と映像で垣間見ることができた。これらを、きちんと整理・保存し活用できるようにするには、長い時間がかかるだろうが、教育史の新しい発見や研究の可能性を秘めた宝庫のように思われた。

 関係者の努力で、ようやく開設にこぎつけたこの資料室が、学外者にも公開され活用されるように発展していくためには、まだ課題が山積だが、いつかそれが実現することを願っている。

(2012.6.20)

〒184-8501東京都小金井市貫井北町4-1-1 東京学芸大学大学史資料室

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