被子植物の受粉と花粉管の伸長

〖日 時〗
2013年 6月 26日 13:30 ~ 17:00
〖担 当〗
犀川  政稔

裸子植物と被子植物の違いは何かと質問すると、「胚珠(または種子)が心皮に包まれているかいないかである」というのが正答なのだろう。しかし、もっと重要で本質的な両者の違いは、裸子植物なら花粉が珠孔に到達してから受精するまでの、被子植物なら花粉が柱頭に到達してから受精に至るまでの時間である。裸子植物の雄性の配偶体(前葉体)は近くにある雌性の配偶体とともに花粉が胚珠に入ってから数か月から1年以上の時間をかけて成長するのであるが、被子植物では、花粉は開花時すでに2細胞からなる雄性の前葉体となっており、胚嚢という名前の雌性の前葉体もすでに胚珠の中で成熟しているのである。そのため被子植物の受精は、たいてい受粉後わずか1日で、遅くとも数日中には完了するのである。学校では、顕微鏡下に確認される被子植物の花粉管は「どのような条件で伸びるのか」、という研究テーマが多いが、これは本質から相当に外れている。少なくとも教師は、花粉管が雄性前葉体の一部であり、その中に2つの精細胞が含まれていて重複受精すること、および、それがシダ植物の雄性の前葉体と相同で、半数体であることを了解していなければならない。教師がヒントを与え、そのあと観察者が、花粉管が「どのような条件で伸びるのか」ではなく、花粉が受粉後なぜ速やかに伸びるのか、あるいは、なぜ発芽しない花粉が存在するのか、と考えてくれたらうれしいことである。少なくとも観察者はこの学習によって花粉とは何か、花粉管とは何かを理解しなければならない。

顕微鏡写真