太陽と月・星の動き

〖日 時〗
2013年 8月 27日 13:30 ~ 17:00
〖担 当〗
西浦 慎悟

 小学校および中学校の理科における天文領域の内容は、地球上から観察される太陽・月・星の動きとその位置関係に関わるものが主となっている。これらを理解するためには、観察者の視点を様々な場所に移しつつ、天体同士の相対的な運動や位置関係を把握する必要があり、現場の学校教員だけでなく、児童にとっても複雑な単元となっている。また、このような内容は、「宇宙」や「天文学」という言葉から連想される華やかさや雄大さに比べて、一見非常に地味なものであるため、小・中学校の理科の中でも人気の悪い単元となっている。しかしながら、これら天体の運行は、暦の作製や時刻の決定という社会生活において必要不可欠な情報と密接に関連しており、古代から中世(そして厳密には現代)に至るまで、天文学が人間社会に必要とされた理由そのものである。そこで、本研修では、天体の運行に関して、現場でも扱える教材・教具を紹介・体験しつつ、人類がどのようにして天体の運行を理解してきたかという歴史的経緯を説明し、この単元における学校教員自身の理解向上を狙った。具体的な内容は以下の通りである。

  1. 天文学の起源:暦の作製と時刻の決定、古代の宇宙観、天動説と地動説、現行の暦法について、ルネサンス・大航海時代と観測機器の発明、数理科学としての天文学の発展、太陽系という概念の確立
  2. 地球の自転・公転と天体の日周運動・年周運動、四季の変化、恒星までの距離、恒星の色と表面温度
  3. 天文現象の記録と模倣に関する演習と実験: プラネタリウムとコンピュータ・シミュレーションの活用方法、日時計による太陽の動きの記録、星座早見盤と理科年表を用いて観察好機を見出す方法、屋外における天体観察について、ピンポン球を用いた月・金星の見え方のシミュレーション

本研修で取り上げた演習や実験は、いずれもオーソドックスなものであり、それ故に、現役教員は一度でも経験しておくべきものと思われるものである。実験材料についても100円ショップで容易かつ安価に入手できるものを用いて、現場での導入の参考になるように配慮した。また、同じテーブルについた2~3名の受講者を1グループとして、互いに相談・情報交換を行いながら実施できるようにした。