土壌動物の観察〜腐食連鎖という生態系

〖日 時〗
2013年 10月 28日 13:30 ~ 17:00
〖担 当〗
狩野 賢司

 研修をはじめる1時間前から、ツルグレン装置に土壌を人数分セットして土壌動物の採集をはじめた。これはツルグレン装置での採集にはある程度の時間ライトを照射して、土壌を乾燥させた方が効率がよいからであり、それも研修中に紹介した。
 土壌サンプリングの前に、M102研修室でプロジェクターを用いて簡単な講義を行った。生態系に関して、紹介されることの多い、生きた植物をスタートとした地上の生食(食物)連鎖・生食網に対して、地表よりも下を舞台にした腐食(食物)連鎖・腐食網について、その特徴と生態系における役割の重要性を紹介した。また、分解の過程における土壌動物と土壌微生物の相互関係も概説した。土壌サンプルの採取方法、土壌動物採集法としてソーティングとツルグレン装置を用いた2つの方法を話し、土壌動物の観察に関する利点と欠点を述べた。また、簡単なツルグレン装置の自作方法についても紹介した。
 そして、学内の植生の異なる2地点で各自土壌サンプルを採取し、実験室に持ち帰って観察を開始した。まず、時間を要するツルグレン装置にサンプルを設置した後、ソーティングにより比較的大型の土壌動物のサンプリングを行い、実体顕微鏡で観察した。また、頃合いを見計らって、身近に観察できる代表的な土壌動物とその特徴、見分け方を写真で紹介した。そして、サンプルをセットしておいたツルグレン装置サンプルによって採集できた小型の土壌動物の観察を行い、それぞれの分類群の特徴などに注意を払いつつ観察を行った。なお、1名の研修生は研修開始後、2時間ほど遅れて到着したため、土壌の採集、ソーティングは行わず、ツルグレン装置で得たサンプル、及び他の研修生がソーティングで採集したサンプルを観察した。また、その研修生に対して、腐食連鎖と生態系におけるその役割、土壌動物と土壌微生物の関係、及び土壌動物の採集・観察方法に関しても簡潔に紹介した。
 アンケートの結果も概ね良好であった。今回土壌を採集した2地点のうち、1地点(研修生の選択)はほとんど落ち葉のない場所だった。そのため、土壌動物はアリとトビムシが少数採集できただけだったので、例年よりも採集・観察の時間が短くなってしまった。街路樹の根元や花壇など、もう少し適切な場所を示すようにしたい。