身近なものの拡大観察~ミクロそしてナノの世界へ~

日時:2014年6月24日(火)13:30~17:00 会場:M102
担当:真山 茂樹

 肉眼では見えないものの拡大観察は、いつでも新たな驚きを呼び起こし、科学的思考力と創造力をかきたてるものである。本研修では、小さいものが「よく見える」という意味、小さいものが「よく見えない」理由、そして電子顕微鏡の特徴の解説を最初に行い、次いで、光学顕微鏡(双眼実体顕微鏡、生物顕微鏡)による観察と、2種類の走査型電子顕微鏡による観察を行った。
 観察に用いた材料は、ヒルガオ(維管束、雄しべ、雌しべ、花粉)、ドクダミ(葉)、グミ(葉の星状毛)、シダ(葉の胞子嚢群の中の胞子嚢と胞子)、ショウジョウバエ(気門、複眼など)、クロヤマアリ、毛髪、木綿糸、ウドンコカビ(マサキの葉上に寄生するもの)、珪藻(水槽のガラスに付着したもの)であった。
 光学顕微鏡による観察で、それぞれの材料の色や全体の形をミクロのレベルで捉えた後、ポータブル走査型電子顕微鏡で数百倍~数千倍で観察を行った。この電子顕微鏡は、通常の走査型電子顕微鏡で必要とする、試料への金属蒸着なしに観察できるものである。このため、短時間で雌しべと雄しべの構造的な違い、花粉の形状、葉の表裏における気孔分布の違い、昆虫の気門の筋肉、複眼に備わる棘構造、カビの分生子などが観察できた。最後に、フィールドエミッション型の走査型電子顕微鏡により、数万~10万倍に拡大した珪藻のナノレベルの微細構造の観察を行った。
 我々は通常肉眼視できる世界で暮らしているが、見ているものは生物であれ、非生物であれ、もっと小さなパーツや単位からできていることを、参加者があらためて実体験した研修であった。