多摩六都科学館夏季教員セミナー【物理】「てことつりあい」

日時:2014年7月31日 14:00~16:00 会場:多摩六都科学館 科学学習室
担当:植松 晴子

 てこの原理は多くの道具に応用され,より小さな力でものを動かしたり,つりあいから質量を測ったりしている. 本研修では,以下の二点を確認することを目的とした.(1)てこ棒や天秤棒の動きが支点を中心とした回転運動である.(2)てこによる省力化も天秤のつりあいも,回転を生ずる作用を利用している.
 初めに,クリッカーによる回答と集計システムを利用して,てこのはたらきや物体の重心について尋ねるクイズを行った.また,参加者の協力を得て,2 mの大型てこ棒を用いて大きなおもりや人を持ち上げる実験と,ほうきの重心を探す演示実験を行った.てこ棒やほうきの動きが回転運動であること,おもりを吊るすことが作用点や力点に力を及ぼすことと同等であることを確認した.
 次に,グループごとに実験用てこを用いて,天秤のつりあいを実現する条件を確かめる実験を行った. 実験後,物体の回転を生ずる作用は力のモーメントと呼ばれ,加えた力の大きさとうでの長さの積であることを解説した.また,並進運動で力がつりあっていると速度が変わらないのと同様に,力のモーメントがつりあっていると回転速度が変わらないこと,それが天秤のつりあいであることを説明した.
 最後に,グループごとに,ペットボトルや目玉クリップ,プラスチックカップなどの身近な材料を用いた簡易天秤を組み立てた.左右に吊るすおもりの質量が異なる場合も,天秤棒が傾くことで腕の長さが変化し,力のモーメントがつりあって静止していることの理解を,製作を通じて図った.