運動と力学の基本実験

日時:2015年 11月 12日(火)13:30~17:00 会場:M102
担当:川角 博

 研修の目標は、「中学、高校理科で記録タイマーを中心に、その使い方と授業方法についての基礎を理解し、生徒実験の指導ができるようにする。」とした。
 はじめに、CDと風船による滑走体を各自に作っていただき、これがどんな力学実験に使えるかを考えていただいた。続いて、観察・実験を中心とした物理の授業がなぜ必要なのかについて議論しながら、その必要性の理解を深めた。さらに、現行中学理科教科書運動の実験を例にしながら、ここで注意すべきことを確認した。また、高校での物理の授業展開の基本構造についても確認した。
 班毎に、以下の実験を中心に、実験の実施とそのデータ分析の基礎的な方法を練習した。

  1. 等速運動、等加速度運動を記録タイマーで記録し、記録テープからx-tグラフ、v-tグラフの描き方を学んだ。高校2年生への指導を例に、実験後のレポートレポートの書き方の指導について扱った。
  2. (1)のグラフから、任意の時刻における、変位、速度、加速度を求めるとともにそれらの間の関係を確認する練習を行った。
  3. (1)のグラフの傾き、面積などの意味とその数式化を学んだ。
  4. 動摩擦係数の異なる木片、その木片におもりを載せて垂直抗力を変化させたものなどを水平面で滑らせ、記録テープから動摩擦力の特徴を分析した。
  5. 水平面上の木片と鉛直につるされたおもりを滑車を通した糸で繋ぎ、木片の止まる位置を計算で推定する実験を行い、動摩擦力、張力、垂直抗力、運動方程式などについて、実験を通して総合的に学んだ。