オームの法則の導入と展開 ~授業の工夫~

日時:2016年 8月 1日(月)13:30~17:00
会場:M308 担当:川角 博

 研修のねらいとして、以下の項目を参加者に示した。

 ・ハートモーターを作って、磁場中の電流にはたらく力の教材について考える
 ・小学校理科電気からオームの法則に至る一連の流れの理解
 ・起電力と電圧降下が区別できる
 ・起電力、電圧降下、オームの法則を実感する
 ・実験を通して、誤差や法則性の存在に気づく

 研修中に「班内で説明しあう場面」をいくつか設け、論理的・具体的な実験結果に基づく自由な議論を通して、課題の解決を目指した。同時に、結果や考え方をホワイトボードなどで発表する機会も設け、自分の考えを相手に伝える練習ともした。
 小中高などが混ざり合う班編成とし、多様な意見が出てくるようにした。

(1)  ハートモーター作り
ネオジム磁石とアルミニウム線、銅線でハートモーターを各自がつくり、これを授業でどう使うかについて班毎に話し合い、発表する。

 ・どんな発問ができるでしょう
 ・この実験を使って何が分かるでしょう
 ・その他何か工夫・活用ができますか
  その後、ハートモーターを具体的にどんな授業として使えるかをまとめた。

(2)  薄切り飛行機から手回し発電機によるオームの法則実験への展開例
 小学校6年「電気の利用」での学習から中学2年「電流」までの学習の流れを確認した。ここで、電熱線の太さの違いと発熱の違いを電流のはたらきから、電圧の概念まで引き上げる工夫を、演示実験授業として体験していただいた。このとき、クリッカーも使い、受講者の考えを集約しながら、インタラクティブな授業展開を経験していただいた。
 続いて、オームの法則を学ぶ目的意識を高めるため、手回し発電機と電熱線による「発泡スチロール薄切り飛行機」を授業導入として提案し、薄切り装置を各自で制作した。これを使って、手回し発電機を電源として電流を制御しながら、電熱線に現れる電圧を測定し、その法則性を探った。このとき、横軸を電流とすることでオームの法則の式への導入のし易さを図った。また、手回し発電機利用に伴う計測器の指針のブレも含んでグラフ化することで、誤差の存在と、大局としての法則性のとらえ方が分かりやすくなることを実践的に理解していただいた。
 オームの法則の導入と展開の具体的な資料として、実際に中学2年生6クラスに実施した実験プリント、実験結果、詳細な授業指導案なども配付した。
 最後に、「なぜオームの法則や電気のはたらきを教えるのか」について、全員で考え、なぜこの授業をするのかという本質的な授業の目的を再認識していただき、そもそもなぜ理科を教えるのかについて学習指導要領理科の目標に立ち戻った。