運動と力学の基本実験

日時:2016年11月10日(木)13:30~17:00
会場:M102 担当:川角 博

 研修の目標は、「中学、高校理科で記録タイマーを中心に、その使い方と授業方法についての基礎を理解し、生徒実験の指導ができるようにする」である。
 以下の1-4以降については、班毎に課題を解決するために実験・分析・考察し、各班に配ったホワイトボードにより、発表をしていただいた。この全体構造が、アクティブラーニング型の授業構造になっている。
1-1 はじめに、CDと風船による滑走体を各自に作ってもらい、これがどんな力学実験に使えるかを考え、意見を述べてもらった。
1-2 観察・実験を中心とした物理の授業がなぜ必要なのかについて議論しながら、その必要性の理解を深めた。特に、自然界の仕組みを合理的に解釈しようとするのが物理学であるから、①その仕組みを理解するには、自然界にアプローチする必要がある ②解決すべき問題点に気づく必要がある ③そこに見出される法則性に、ある程度の見通しがもてる必要がある といえる。何よりも、自然界について探究をしない自然科学の学習などありえない。体育で走り、音楽で歌うのと同様、理科では自然界について調べることは必須である。
1-3 現行中学理科教科書運動の実験を例にしながら、ここで注意すべきことを斜面実験と理解を中心に確認した。また、高校での物理の授業展開の基本構造①導入的な学習 ②生徒実験 ③データ分析と理解 ④物理法則の理解 ⑤応用的理解 についても確認した。
1-4 班毎に、以下の実験を中心に、実験の実施とそのデータ分析の基礎的な方法を練習した。
(1)等速運動、等加速度運動を記録タイマーで記録し、記録テープからx-tグラフ、v-tグラフの描き方を学んだ。高校2年生への指導を例に、実験後のレポートレポートの書き方の指導について扱った。
(2)(1)のグラフから、任意の時刻における、変位、速度、加速度を求めるとともにそれらの間の関係を確認する練習を行った。
(3)(1)のグラフの傾き、面積などの意味とその数式化を学んだ。
(4)動摩擦係数の異なる木片、その木片におもりを載せて垂直抗力を変化させたものなどを水平面で滑らせ、記録テープから動摩擦力の特徴を分析した。
(5)水平面上の木片と滑車を通した糸で繋がれた鉛直につるされたおもりの2対問題を実験で扱った。木片の止まる位置を計算で推定する実験を行い、動摩擦力、張力、垂直抗力、運動方程式などについて、実験を通して総合的に学んだ。
 なお、(2)の過程で、斜面の傾きとそこで生じる力学台車の加速度が、g・sinθからずれていることに受講者が気付き、TAとともに逆算して摩擦力の影響を計算し、これを他の実験に適用すると、見事にすべての実験結果が説明できることに気付いた。その場で、A2ホワイトボードを使って実験の考察の発表も行った。