プログラムのねらい

 昨年の大震災以降、地震・津波・放射能について、一般の関心が非常に高くなっており、教育現場でも必然的にこれらの現象・メカニズムについての内容を授業に取り入れなくてはならない状況となっています。しかし、これらの現象・メカニズムについての正しい知識を持って理解し、教授できる教員ばかりとは限りません。このため、それらを理解し同僚教員に助言できるような理科教育の中核となる教員が各学校に必要になっています。
 本プログラムでは、現在問題となっている科学と近い将来実用化され教科書にも取り入れられる可能性の高い先端科学を講義と実験を通して体験的に学ぶことにより、科学的根拠に基づいた科学的ものの見方・考え方を身に付けて科学的素養をより高め、これに学校現場での教育経験を生かしてこれからの理科教育の中核となる教員の育成を目的とします。このため、現在特に注目されている科学を体験的に学ぶだけでなく、各講座内で学校現場での理科教育の振興と次世代を担う理科好きな若者を育成する教育の在り方を論議します。
 具体的には、専門家による講義と学校現場で利用できる教材を用いた実験・観察と、最先端の研究であるナノサイエンスの実験、電子顕微鏡や質量分析計等の機器を用いた実験、共焦点レーザー顕微鏡を用いた細胞観察などの学校現場での研修では行いにくい実験を行います。プログラム全体を通して科学的素養を高めるとともに科学的根拠に基づいた科学的ものの見方・考え方を深め理科教育力の向上を目指します。各講座内で今回体験した内容をいかに教育に生かすかも論議し、生徒の自然科学に対する興味を引き出す教材作りやこれからの理科の指導法について考えます。
 本プログラム終了後も理科教育力向上に向けた継続的な活動ができるように、大学と参加者や参加者同士で情報や意見交換ができるネットワークを構築し、これからの理科教育の発展に寄与していくことを目指します。
 

 活動の特徴

  1. 各講義内容の専門家が最先端の内容を分かりやすく講義します。
  2. 科学的根拠に基づいた科学的ものの見方・考え方を身に付けて科学的素養をより高めることを重視しています。
  3. 独立行政法人情報通信研究機構で、災害と情報通信技術に関する最先端の設備を見学できます
  4. 学校における理科教育に役立つ各講義に対応した最先端の測定機器を用いた実習や入手しやすい身近な材料を用いた実験を行います。
  5. 講義・実験の内容を授業でどのように生かせるか、どのように人材育成が必要か等、グループ討論や全体討論を通じて討論いたします。

 スケジュール概要

1日目 7月31日(火)
15:00参加者集合
15:10~15:50開会式、本プログラムの趣旨説明
16:00~17:00講義①「新しい理科教育の開拓」 長谷川 正
2日目 8月1 日(水)
9:00~10:40施設見学と講義/独立行政法人情報通信研究機構「災害と情報通信技術」
11:00~12:00基調講演「物理への憧れ‐私のおいたち‐」
有馬朗人(元東大総長,元文部大臣,武蔵学園長)
12:00~13:00昼食
13:00~14:30講義②「ナノ炭素物質の化学」前田優
14:30~16:30実験①「フラーレンやカーボンナノチューブの分散・分離実験」
16:30~17:30総合討論会
18:00~20:00参加者交流会
3日目 8月2 日(木)
9:00~10:00講義③「放射化学と放射線測定」鎌田正裕
10:00~12:00実験②「放射線の観察、放射性核種の分離と減衰実験」
12:00~13:00昼食
13:00~15:00講義④「地震の科学」里嘉千茂
15:00~16:30実験③「地震計の動作実験や模擬地震観測・津波実験水槽を用いた津波の発生・伝播・破壊力実験」
16:30~18:30総合討論会
4日目 8月3 日(金)
9:00~10:30講義⑤「共焦点レーザー顕微鏡の原理と応用」高森久樹
10:40~12:00実験④「共焦点レーザー顕微鏡による細胞観察」
12:00~13:00昼食
13:00~15:00意見交換会
15:00~15:20閉会式(修了証の授与)

 資料のダウンロード

※本事業は、独立行政法人科学技術振興機構(JST)が主催しています。申込みは、下記サイトをご参照ください。