同窓会ニュース 

No.5 (2005年9月28日発行)



東京学芸大学生物科同窓会は、今期、会員数が遂に2000人を超え2032人となりました。これからも、この大きな同胞の輪を、皆さんと大切に育ててまいりましょう。なお、今年の生物科同窓会ニュースも昨年同様に東京学芸大学全国同窓会「辟雍会」(へきようかい)とのタイアップでお届けしています。

◆平成17年度生物科同窓会総会

本年も昨年同様、生物科同窓会総会を大学企画による11月5日(土)のホームカミングデーに行います。当日は学園祭である「小金井祭」の期間中です。“国立大学法人東京学芸大学”を一度訪れてみませんか。

生物科同窓会の企画講演のお知らせ

 例年好評をいただいている、企画公演会を今年も同窓会総会に先立ちおこないます。今年は本年10月1日付けで生命科学分野に着任された三田雅敏教授の講演です。先生のご専門は発生学で主に海産無脊椎動物を用い卵や精子の配偶子形成のメカニズムを生化学的、分子生物学的に研究されておられます。中でもヒトデの卵成熟の研究ではホルモンの作用機構を分子レベルで世界に先駆け解明され世界的に活躍されておられます。故高城教授の後任として発生学関連の授業や臨海実習等を担当していただきます。今回は「ヒトデの卵成熟とホルモン」というタイトルで最近の研究の話題を盛り込みながら専門外の人にもわかるような内容でお話していただけると伺っています。本学着任後、初の講演でもあり先生のご紹介も兼ねておりますので是非ご聴講ください。

 平成17年度生物科同窓会総会

  日時:平成17年11月5日(土)

13:00〜13:40 講演 「ヒトデの卵成熟とホルモン」

        講師 三田雅敏 先生

13:45〜14:15 同窓会総会 議題:同窓会運営のあり方、および名簿の取り扱いについて

  場所:S310教室 東京学芸大(南講義棟)3階




◆同窓会員からのお便り

昨年の生物科同窓会総会で開催した遠藤純夫先生の講演には、20名の参加者が集まりました。この講演の感想を同窓生の長沢努さんに寄稿してもらいました。

平成16年度学大生物科同窓会企画講演の感想  「理科の関心・意欲・態度の評価と授業改善」

昨年10月30日に、生物科同窓会の企画による遠藤純夫先生の講演会が開催されました。講師の遠藤先生は国分寺市教育委員会科学センターの嘱託をなさっていますが、学芸大の非常勤講師もなさっており、実は私も学部生時代の中等理科教育法の講義において、先生の授業を受けたことがあります。私のクラスの場合、ゲストティーチャーとしての一度きりの授業でしたが、そのときの先生のお話はとても面白く、今でも強く印象に残っています。今回の講義では、「評価」にスポットが当てられていて、より専門的なお話を聴くことができました。

この日の講演テーマは「理科の関心・意欲・態度の評価と授業改善」でした。「評価」は非常に重要なテーマであるという認識はあっても、まだ実際の教育現場に出たことのない私にとっては、「評価」そのものがなにかはっきりとしない、とても難しい話であると思っていました。しかし遠藤先生は、難しい話ではなく、わかりやすく面白くお話を進めてくださいました。

遠藤先生のお話のなかで、まず、なるほどと強く思わされたのが、「絶対評価の問題づくりの必要性」です。現在では全面的に絶対評価が取り入れられています。今までの相対評価では、集団内での相対的な位置づけによって子どもの学習状況を評価していたため、どの子どもにも「公平」な問題であれば、それでよいとする傾向があったようです。そのため、「公平」になりやすい、「知識・理解」に偏りがちな問題づくりとなることが多くありました。しかし、絶対評価となった今、周りの子どもと比べてではなく、個々の子どもが学習目標に照らしてどの程度到達しているのかを判断する必要が出てきました。そのためには、問題が学習目標に準拠しているかどうかという、「問題の質」が問われてくる、というのです。私は、このような「問題づくり」の観点から評価について考えたことがなかったため、目から鱗が落ちるような思いがしました。と同時に今まで「評価」について私が抱いていた何か釈然としなかった点が、晴れてきた気がしました。

また、遠藤先生の考える「関心・意欲・態度」とは、というお話も非常に面白いものでした。特に先生は、「関心」とは「じっと見る」ということなのではないかとおっしゃいました。自然の事象をじっと見ることで、自然の事象のさまざまな不思議な点、面白い点が見えてきます。ところが、最近の子どものなかには、一見関心を持っていそうだけれども、じっと見てはいない子がいると先生は言います。最初からその現象を知っていて、仲間に「これ、こうなるよ」と先に言ってしまい、実験後には「やっぱそうだっただろ?」と言って仲間に相槌を求める…。そのことに終始してしまい、実験中に事象をじっとは見ていない、というのです。場合によっては知識が「関心・意欲・態度」の形成を邪魔することもある、というお話でした。なるほど確かに、と思うと同時に、この話にはハッとさせられました。まさか自分がこうなっていやしないかと思ったのです。子どもに伝えたい、という思いが強くなりすぎたとき、ついつい先に「これすごいんだよ、こうなるんだよ」などと言ってしまいそうな気がしたのです。自然の事象の面白さや不思議さを十分に感じられるような授業を展開するためにも、関心を持って「じっと見る」、「じっと見る」ことによってわかってくる面白さによりさらに関心が高められる、ということを大切にしたいと感じました。そして、「面白いからじっと見てごらん」と子どもに促せるようになりたいと思いました。

この講演会を通じて、評価の方法だけを切り替えるのではなく、観点別目標に準拠した評価の基準や場面、評価の問題づくりについてより検討していく必要があるのだということを学ぶことができました。そしてさらに授業そのものも、遠藤先生の言を借りれば「子どもの知的好奇心に火をつける」ものに改善していく必要性を痛感しました。私もやがては教師となって教育現場に赴き、面白く楽しく、そして科学的に考える力のつく理科の授業を実践していきたいと望んでいます。そんな私にとって、この講演会はとてもよい勉強になりました。もしこの講演会に出席していなかったなら、評価についてここまで意識していなかっただろうと思うと、本当に貴重な機会でした。この場を借りて、遠藤純夫先生ならびに企画していただいた方々にお礼を申し上げます。

長沢 努(52期・平成16年学部卒)(現在東京学芸大学大学院環境自然科学2年)



◆さようなら高城忠先生

昨年より闘病中の東京学芸大学教授高城忠先生は、平成17年2月10日に膵臓癌でご逝去されました。先生は昭和54年に井上巌先生の後任として学芸大に赴任されて以来、幾多の学生を育て来られました。改めて先生のご冥福をお祈りしたいと思います。

城忠先生の思い出

私が城研に所属したのは今から24年前のことです(そのとき城先生は35歳くらいだったと思います)。そして学部2年、大学院2年を過ごしました。私の先生に対する印象としては、どちらかと言えば口数はあまり多くなく、たとえば、こちらから実験しようとしないと、先生から「これをやりなさい」というタイプではありませんでした(そういえば先生は当時、講義のとき出席をとらない主義でした)。

私の代が城研初の院生だったため、私が学部4年、院生のころは上級生がいませんでした。そのため、先生の直接指導となり、直接ぶつかるのも先生でした。何度か強くどなられたことも思い出されます。私たちも先生も若かったのですね。飲み会等でも、先生はご自分が正しいと思ったこと、言いたいことをはっきりと述べていました。私はそのような姿勢が今思い出しても嫌いではありませんでした。

大学院時代、北海道大学の厚岸臨海実験所に2人でウニ卵を採取しに行ったこと(「材料は僕が大学まで運ぶから、北海道で遊んできなさい」と言ってくださり、私の観光計画まで立ててくださったときもありました。)、研究室で泊まりの実験をして朝、先生に起こされたこと、修士論文提出期限が迫った際、間に合うかどうか危ない状態の私に喝を入れたこと、大学の帰り、2人でファミリーレストランに寄り、結婚論を拝聴したこと(実は私の実家、現在の家ともに先生宅と大学の途中にあり、学生時代など先生の車で送っていただいたことがしばしばでした)、先生との思い出は数多くあります。

私は大学院修了後、桐蔭学園高校に勤めました。その3年目に先生から、私が大学院で副論文として書いた筋収縮に関する論文を「生物教育」という学会誌に投稿してみないか」と言われ、2人で仕上げました。それをきっかけに私は生物教育学会に所属し、ここ数年発表を続けています。研究分野は教材研究で、内容はタンパク質、DNAの電気泳動、筋収縮、発生、免疫とさまざまですが、これらはすべて城先生の研究室で身に付けたものです。このような豊富な事柄を教えてくださった先生に改めて感謝する気持ちで一杯です。

現在勤務している雙葉高校に移ってから昨年まで、 城研のゼミに参加させていただきました。論文紹介をしながらの勉強はとても有意義でした。また先生や後輩から誘われる忘年会などの飲み会も楽しいひと時でした(ところで、私の学生時代には先生とカラオケに行くなどということは考えられませんでしたが、数年後には研究室の飲み会で二次会がカラオケのことがよくありました。先生の学生に対する接し方も変わったのかもしれません)。

先生の病状を知ったのは先生からの直接の電話でした。検査結果を心配していた私に、「検査結果はシビアで・・・・・。でも気持ちの整理はついている。大学院同窓会に一緒に出席するつもりだったけれどできなくなった。」 ショックでした。しかし希望がないわけではないので、できるだけ病院にお見舞いに行きました。「先生、あと3年くらいはがんばりたいですね。」という私の言葉に、「いや、そう考えてはいけない。そう考えると、病状が悪くなった場合マイナス、マイナスということになってしまう。今日1日生きられた。明日もがんばろうと思ったほうがプラスに考えられる。」と言われました。

先生とはもっともっといろいろなことをお話したく、また先生の定年退職時の最終講義はどのような内容なのかなどと思っていた私たち城研の卒業生にとって残念でなりません。ただ先生の御遺作「愚直に生きて」の完成が間に合って本当によかったと思います。それを読み,先生の生物教育や,学芸大学に対する思いを改めて知ることができました。また先生の交流の広さに驚きました。おそらく私たちには見せなかった面が数多くあったのでしょう。

城忠先生の御冥福を心よりお祈り申し上げます。

  本橋 晃(32期・昭和61年院修了)



研究室での高城先生の思い出

今回、この原稿を書くお話をいただいた時、光栄だと思うと同時に、私などが書いてしまってよいのだろうか、と思った。というのは、私は4年間高城研にお世話になったが、その間何か高城先生のお役に立てることがあったわけではなく、むしろ先生を困らせてばかりいたように思うからだ。しかし、この文章を書いて、高城先生をあまりよく知らない方にも、先生の人柄が少しでも伝わればそれがせめてもの罪滅ぼしなのではないかと考え、悪文ではあるが書いてみようと思う。

私が在学していた当時、高城先生は「発生生物学T」と「動物形態学T」の授業を担当しておられた。いずれも前期の授業で、月曜日の1、2限に連続して行われていた。この授業は必修科目ではなかったので、それほど受講生は多くなかったが、受講した学生は皆、共通した感想を持った。それは、「板書の量がとてつもなく多い」ということと、「非常に淡々と話が進んでいく」ということであった。私も含め、学生の多くは授業での先生の姿から、高城先生は大変生真面目で、堅いところがある、という印象を持っていた。

ところが、2年の終わりに高城研に入り、その印象は一変した。先生は非常に「だじゃれ」の好きな方で、先生のだじゃれを聞かない日はなかった。しかも、あらかじめ頭の中で考えたものを口に出すというより、会話をしているとだじゃれで返されてしまうパターンが多く、先生の頭の回転の速さに驚いたものだ。そして、先生のだじゃれがいつの間にか、何となく学生たちのボキャブラリーの一部に組み込まれていた。ちなみに、「昔の学生さんが私の『だじゃれ語録』を作って、この部屋のどこかにあると思うんですけど」と先生はご自分で話されていたが、研究室を片付ける時までついに、発見されることはなかった。

先生は大変手先の器用な方であった。研究室や実験室は先生手作りの品で溢れかえっていた。しかも、手作り品だと聞かされるまではそれが手作り品であることに気づかないほど、すばらしい出来栄えのものばかりだった。「作品」の一部が生物科同窓会のホームページに掲載されているのでぜひご覧いただきたい(編集者注:「故高城先生自作実験道具展」は本年度末まで公開いたします)。自分たちの研究生活にカスタマイズされているものばかりで使いやすかった。自分の研究に必要なものを工夫して作り、それを使って結果を出すということは、ある意味で今の時代忘れられつつある、研究に対する基本的姿勢、もっと言えば日常生活においても大切なことなのではないかと思う。高城研に入ったことでこのような大切なことに気づくことができ、幸運である。また、工具や接着剤の使い方など、今まで知らなかった技術を身につけることができて、自宅や勤務先の小学校でも役立っている。

高城先生の思い出を語る上で欠かせないことの一つに、昼食がある。先生は毎日、奥様に作っていただいたお弁当を持って来られていた。昼時(といっても夕方6時過ぎのことも多かったが)になると、研究室の一番奥にあるご自分の机に向かって弁当箱を広げ、リプトンのティーバックで紅茶をいれて食べていらした。学生が「おいしそうですね」と言うとほとんど必ず「ちっともおいしくないけれど、生協の食事よりはましだ」とぶつぶつ文句をおっしゃっていた。しかしながら、「じゃぁ私にくださいよ」と頼んでも絶対にくださらなかった。あれはきっと、ほんとうはとてもおいしかったのだが照れ隠しに文句を言っていただけなのだ。そういえば、奥様や3人のお嬢さんのことを語る時も、口では文句ばかり言っていながら、顔はうれしそうであった。

4年間の研究室生活で、高城先生にはずいぶん小言も言われたし、時には怒鳴られたり、言い争いになったりもした。しかし、研究そのものだけでなくて、ちょっとした生活の知恵だとか、もの作りの技術だとか、哲学的なことだとか、とてもとてもたくさんのことを先生から学んだと思う。特に、高城先生の哲学は、人生哲学から恋愛哲学、研究哲学に至まで幅広く、今でもたびたび思い出すことが多い。中でも印象に残っているのは、器具や試薬の管理をきちんとやってくれない友人の文句を先生に言った時に、「自分のデータを一番大事にする人が、一番雑用もたくさんやるんですよ」と言われたことだ。振り返ってみると、高城先生の大学での生活はまさに、この哲学に沿ったものだったのではないか。自分の仕事の結果に責任をもつ。そのためには雑用に至るまで、自分で責任をもってやる。そういえば、結婚の話になった時も「私は、相手の人生に責任を持てるかどうか、ということを考えて相手を選びましたね」と話していらした。高城先生とは「責任の人」なのだ。今さらながらそう思う。

高城先生には、亡くなる直前まで修論だとか、就職だとか、ほんとうに心配をかけ続けた。ご家族にも、ずいぶん迷惑をかけた。申し訳ないと思うと同時に、心から感謝している。今頃先生はきっと、天国でもいつもの背広とネクタイ姿で、だじゃれを言い、得意の日曜大工で腕をふるっているだろう。そして、私たちがばたばたしている様子をながめては、もどかしく思っているかもしれない。高城研究室の最後の院生の一人として4年間を過ごし、高城先生の温かい人柄から多くのものを学ぶことができて、幸せだったと思う。今後は、この4年間で得たものを、私自身の仕事である小学校教育、生物教育の場に少しでもよい形で生かしていくことこそが、私が高城先生にできる恩返しだと考えている。

最後になったが、高城先生のご冥福を心よりお祈りいたしつつ、この文章をおしまいにしたいと思う。

立花 香織(51期・平成17年院修了)



◆生物科紙面同窓会

さまざまな時代に、さまざなな同窓生が生まれ、さまざまな人生を歩んでいます。近況、回想、思いなど・・・生物科同窓生の「今」の声をお届けします。


【5期】

●停年退職して10年。(小学校教諭38年)現在は電子顕微鏡を使って、生物体の微細構造の探求をしています。手に入れた興味のある試料をどんどん見ています。特に学生の頃から研究していた蜘蛛の体を中心に見ています。毎日生物体の不思議さに驚くばかりです。進化という2文字はとても考えられません。(T.U.:昭32年卒)

●時季に応じ諸々のお知らせや、報告を送ってくださり現在の学内の様子を伺い知ることができます。毎回、必ず眼を通して昔話を楽しんでいます。お世話になった諸教官各位の退官の知らせは特に思いを深くします。私は現在、年相応に元気で好きなことに日々過ごしています。(K.K.:昭32年卒)


【7期】

●卒業後、理科教育の研究室で6年、附属の世田谷小で22年、9年間の公立小校長を務めたあと、週に1日生活科教育法のお手伝いということで学芸大学での生活が小生にとって全てであったような気がしています。キャンパスもすっかり様変わりし、時の流れを感じます。いろいろな動物の飼育を子ども達と一緒に取り組み、思いがけない生き物の姿にふれることもできました。何とか元気ですごしております。(T.A.:昭34年卒)

●昨年古希を迎えましたが、おかげさまで健康に恵まれた生活を送っています.これまで勉強してきた生物学の知識を、少しでも地域や社会のために活かしたく思い、五年前に森林インストラクターの資格を取得し、現在は奥多摩をはじめ東京近郊の森で、樹木や野草、森の成り立ちについてのカラクリなどについてガイドをしています。今、つくづく「生物」を専攻してよかったと思っております。(K.H.:昭34年卒)


【14期】

●最近の学校教育は、どこを何を目指しているのでしょうか。子ども達のための教材作りよりも、ふれ合う時間よりも、提出書類のためのパソコン操作、書類の書き方のご注意と訂正のために使われる時間のなんと多いこと。又、よい面もあるが、余りにも強くなった校長の権限、そのため「ものいえぬ教師」、否「ものいわぬ教師」が増え、小説でしか知らなかった戦争真近の時代を感じてしまう今日この頃です。(T.K.:昭41年卒)

●福田です。虫やってます。退職3年目、曜日、時間に関係なく活動できる自由を楽しんでいます。生化学への興味は未だに消えませんが、施設も設備もなく手も足も出ません。現在奄美大島のチョウの集団越冬と蟻の採集に明け暮れる毎日です。発電機と水銀灯を持って山奥に出かけます。自称「夜の帝王、闇の仕事人」。イノシシやシカやタヌキ、アナグマに出会いますがいちばんこわいのがニンゲンです。(T.F.:昭41年卒)


【17期】

●新潟県は上・中・下越の3地区ありますが、そのうち中越は水害、地震、豪雪のトリプルパンチを受けてしまいました。中越地震による全壊家屋が3173棟で、現在でも復興の途中段階です。自宅と現在の勤務校は上越にあり、ほとんど被害はなかったのですが、井上勤先生にはご心配の電話をいただき、恐縮すると共に感謝申し上げます。はじめは、横行している不審者からの電話だと思い失礼いたしました。(O.I.:昭44年卒)


【25期】

●山梨大に来てからそろそろ20年になります。地方大学の例にもれず、法人化の波にのみこまれなかなか大変です。学生の変化を見ても、大学というものの存在は、これから大きく変わっていくのでしょうね・・・(T.M.:昭52年卒)


【33期】

●現在、地元の中学校に勤務しています。市内といっても一番はずれの中学校で、まだ自然が残っています。タヌキが出てきたり、キジが飛んできたりします。でも驚いたことに、こんな環境に住んでいる生徒達ですが、虫メガネで黒い紙を焦がした経験も、ミミズが2つに切れても動くのを見たこともほとんどないというのです。自然に対して無関心になっているのでしょうか?もっと自然に触れて欲しいと思っている毎日です。(S.F.:昭60年卒)


【34期】

●個人的に実験室をつくって「生涯学習」ならぬ「生涯実験」を始めました。「酵素風呂」と呼ばれる、いわば人体実験です。木枠の巨大な糠床のようなものをある条件下で発酵、発熱させ、この中に人が埋まります。すると皮膚から吸収された酵素が血管から血液、各臓器へ届いてあらゆる病気の80%は治す−というもの。人類救済の道が開けるか、それともまやかしのものか。とにかく実験です。(K.S.:昭61年卒)


【35期】

●毎日の仕事が忙しく、日々のことに追われています。余裕のない中で子どもたちを指導していると、こちらの余裕のなさが子どもにも伝わります。少しでもゆったりと、教室では笑顔でいたいと思いながら、なかなかそうはいきません。今年度は特別教育実習生の指導をしています。新鮮な気持ちを、私が分けてもらって、日常の自分を反省しています。(K.A.:昭62年卒)

●この4月から来年度開校の都立中高一貫校に異動しました。わが子も小四で、2年後には中学校選択の時期。遠くの中高一貫か?近くの公立で15才の入試で鍛えるか?どちらがいいのか、判断に迷う今日この頃です。学力ってなんだろう?生きる力って何だろう?教員としていうよりも、親として近頃いろいろ考えます。(J.K.:昭62年卒)


【43期】

●教員生活も11年目になりました。現在は北海道南富良野高等学校に勤務しています。地域特性を生かしたカヌー、ラフティング、スキーなどの授業があり、楽しくやっています。(N.F.:平7年卒)


【44期】

●5才の長女、1才の長男の2人の子育て、奮闘中。この夏は、カブトムシ、ザリガニ、鈴虫の飼育に、忙しい毎日でした。(S.I.:平8年卒)


※今回の紙面同窓会では、平成20年度までの会費を納めていただいた4〜7、14〜17、21〜25、31〜35、41〜45期の会員の皆さまに原稿依頼のはがきを送りました。来年は8〜10、18〜20、26〜28、36〜38、46〜48期の皆さまに原稿を依頼する予定です。たくさんの方々からの声をお待ちしております。

◆大学での出来事

本学も法人化して一年半が経過しました。法人化に伴い大学の中期目標・中期計画が画策されましたが、その一つに地域連携強化があります。これは、大学が地域から隔離された機関として存在するのでなく、有機的関係を持ち共存することをねらいとしています。今日推進中の施策活動を紹介しましょう。

【サイエンスパートナーシッププログラム】文科省の委託事業の一環として、東京都や地域の学校と連携した、生物関連の教員による研修講座をここ数年実施しています。実施内容には“学校で簡単に教えることができる遺伝子組み換え実験”、“理科が専門でない教員を対象とした授業で用いることのできる生物実験”、“生物観察とパソコンシミュレーションにより川の環境理解を深める講座”があります。

【夢チャレンジャー-めざせ科学者〜あなたも博士〜】平成16年に羽村市教育委員会との連携事業で小学生対象に実施されました。

【多摩六都科学館との連携契約】地域の科学教育の発展を図るため、西東京市にある多摩六都科学館と連携契約が結ばれました。その第1回の研修が本年7月12日、六都科学館で現職の小学校の先生を対象に実施されましたが、生物関連では、仮説を持った植物観察「花は葉から作られた」、「コオロギの秘密」の2テーマの研修会が実施され好評を得ました。今後、東京学芸大学らしさを前面に出した科学教室・出前講座など様々な行事が地域との連携の元に進んでいくものと思われます。

【21世紀にふさわしい理科生物分野のカリキュラム開発】故高城教授により提唱された、遺伝子概念の初期教育課程への導入を検討する実践的研究です。逝去された後も生物学教室の教員を中心としてこれを継承し、教員養成カリキュラム開発研究センター、附属小金井小学校、中学校の協力の基に学校現場へ出向いて研究を継続・発展させています。今後ますます現場と大学の間の連携協力が必要になってくると予測されますが、生物科同窓会と大学との相互協力が一層強化されることを期待しています。同窓生皆様のご支援ご協力をよろしくお願いいたします。



卒業論文・修士論文発表会のお知らせ

 平成17年度学部卒業論文発表会

   日時:2006年2月4日(土)・5日(日)

   場所:講義棟(S103)を予定

 

 平成16年度大学院修士論文発表会

   日時:2006年2月11日(土) (公開です。どなたでも来場できます)

   場所:未定


 プログラム詳細は来年1月中旬に,生物科同窓会のホームページでお知らせします。



◆会費納入のお願い

 平成17年度〜20年度の会費2500円の納入をお願いします。同封の振替用紙をご利用ください。

   口座番号: 00170-1-21830  

   加入者名: 学芸大生物科同窓会

 また、住所等変更は下記までご連絡ください。

   電話/FAX 042-329-7521  (庶務:吉野)

   E-mail:mayama@u-gakugei.ac.jp(会計:真山)同窓会新役員


◆住所変更された場合

経費節約のため同窓会ニュースを宅配会社から送付しています。このため住所変更された場合は、新住所に同窓会ニュースが転送されません。住所変更の際には、下記までご一報くださるようお願いいたします。

   電話/FAX 042-329-7521  (庶務:吉野)

  (会計:真山)



編集後記

本年4月に個人情報保護法が施行されました。本法は概ね5,000名以上の個人情報に適用されるものですが、生物科同窓会名簿もこの法律を鑑みて管理運用することが必要と思われます。同窓会の原簿の利用目的等に関し11月5日の総会で決議を行います。多くの会員のご参加をお待ちしております。