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北京師範大学交換教授に行って参りました

2013年7月24日

2013年2月18日より、7月15日まで約5ヶ月間、交流協定校の北京師範大学に交換教授で行って参りました。

その間、外部から大学サーバーにアクセスできないことから、ホームページの更新ができませんでした。

この間なにをしたかについて、簡単に報告書としてまとめましたので、ご参考にして頂ければと思います。

より詳しいことはまた別の機会に投稿いたします。北京師範大学交換教授報告書

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第3回 場の言語・コミュニケーション研究会開催のお知らせ

2013年7月24日

第3回「場の言語・コミュニケーション研究会」の開催をご案内いたします。この研究会は、2011年度科学研究費補助金研究課題「言語コミュニケーションにおける場の理論の構築:近代社会の問題解決を目指して」(代表:大塚正之、研究分担者:井出祥子・岡智之・櫻井千佳子)の研究グループを土台としたものです。皆様のご参加を心よりお待ちしております。

第3回「場の言語・コミュニケーション研究会」

日時:平成25年7月27日(土) 午後2時から午後5時まで

場所:早稲田大学 27号館303号教室
http://www.waseda.jp/jp/campus/waseda.html

内容:
14:00~14:10 開会 自己紹介など
14:10~14:50 研究発表 櫻井千佳子(武蔵野大学)
「言語獲得にみられる事態把握と場の言語学」
14:50~15:10 ディスカッション
15:10~15:30 休憩
15:30~16:10 研究発表 小柳 昇(東京外国語大学)

「存在スキーマを基本とした日本語の自他交替の分析-場所の焦点化はどのような構文と意味を創り出すか」
16:10~16:30 ディスカッション
16:30~17:00 今後の計画について

【発表要旨】

「言語獲得にみられる事態把握と場の言語学」

櫻井千佳子(武蔵野大学)

本発表では、3~5歳児の言語データは、その言語において典型的な事態把握を示していることを提示し、場の言語学が言語獲得理論について与える示唆について論じる。具体的には、因果関係を示す出来事について、英語では、動作主が被動作主に働きかけて変化を与えるという視点を反映した言い回しが好まれて使われており、一方、日本語では、動作主、被動作主について言及することなしに、因果関係にはこだわらず事態をまるごとに成立するものとしてとらえている視点を反映した言い回しが好まれて使われていることを取り上げる。本発表では、言語によって異なる事態把握が言語獲得の初期段階にみられることを示すことにより、場の言語学の考え方によってその相違が説明可能になることを論じたい。

「存在スキーマを基本とした日本語の自他交替の分析-場所の焦点化はどのような構文と意味を創り出すか」

小柳 昇(東京外国語大学)

本発表では、存在スキーマを基本とし、存在原因として出現・移動・使役などがそこに読み込まれたイベントスキーマを想定し、参与者の存在する「場所」を組みこんだ認知モデルを提案する。そこでは<存在>と<所有>の概念のつながりが注目される。参与者中心主義の見方では主客分離がベースとなるため、<所有>は他動性の低下したものであり、二者の非対称性のみが残る拡張事例として処理される。一方、存在スキーマを基本とした分析では、<所有>は地として機能していた場が焦点化され、際立ちを与えられ図として機能することで生まれる場所と参与者の関係であると定義される。つまり、主客が一体となる<存在>と<所有>という概念が「場所の理論」の鍵になると考えるのである。これによって非意図的な事象を表す他動詞文(「その仕事は危険を伴う」など)、有対自動詞の両用動詞化(「人が席をかわる」など)の意味を統一的に説明できると考える。
*ご出席のご連絡は必要ありません。

問い合わせ先:
櫻井千佳子(武蔵野大学)
c_sakura@musashino-u.ac.jp

 

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