* 2010年度秋学期 日本理解に関する科目・授業概要

2010年10月8日現在(As of October 8, 2010)

日本の文化と社会*

日本の文化と社会B

佐々井 啓(ささい けい)石川尚子(いしかわ なおこ)月・1 N101

【目標 Aim】 本科目は、長い年月をかけて日本の人々が暮らしの中から生み出し、育んできた衣生活・食生活について、階層、時代、地域などを切り口に、文化の視点から捉えようとするものである。日本の衣生活や食生活に生かされたそれぞれの時代の知恵や文化として継承されていることなどを学んで、現在の生活を見直すきっかけとし、生活文化の視点から日本への理解を深めてほしい。

【内容 Course outline】衣生活については、古代から現代に至る変化をとらえ、それぞれの時代の文化の成立と現在まで受け継がれている伝統行事の関連で展開する。食生活については、日本の食文化を社会の変化と共にとらえ、さらに今日の食生活の問題点を取り上げ、展開する。

【テキスト Textbook】特になし。

【評価方法】平常点評価(授業への参加状況)50%。レポートおよびペーパーテスト50%(各講師の持ち点25%ずつ)。1~7週(佐々井)については毎回のまとめのミニレポートおよび最終日(7回目)のペーパーテスト。8~14週(石川)については15回目にペーパーテスト。テストには、各自の授業時間外学習のレポートおよび配付資料の持ち込みを可とする。

日本の文化と社会D

椿 真智子(つばき まちこ)木・1 S202

【目標 Aim】 本授業は、日本の社会や文化の特質とその変化について、おもに自然環境・風土や景観、地域的特徴や差異などとの関わりから論じる。日本の社会・文化の多様性とその背景にある地域構造や社会変化について理解を深め、関心を深めていただくとともに、それらを考察する際の資料や方法論について学んでいただきたい。

【内容 Course outline】本授業では、おもに地理的な視点を軸として、日本の社会や文化、景観や人びとの暮らしの全体的特徴とともに、さまざまな視点からみた地域差、地域的特徴とその背景について論じる。また近代から現代にかけて、日本の社会や文化がいかに変化をとげてきたのかを考察し、現代日本の特質について議論する。

【テキスト Textbook】テキストは使用しない。授業時に必要に応じてプリント・資料等を配布する。

【評価方法】最後の筆記試験(ノート等の持ち込み不可)(70%)と出席(30%)

日本の文化と社会F

二宮 修治(にのみやしゅうじ)木・1 S102

【目標 Aim】文化財保存科学の視点から、文化財保護法に定められた文化財の中から有形文化財(建造物、美術工芸品など)、記念物などを中心にとりあげ、日本の文化遺産の保存と活用に関する基礎的な調査・研究について理解を深める。また、文化財に及ぼす環境の影響評価を通して、日本の自然環境・社会環境の特徴を学ぶ。日本の文化財保護の体系への理解を深め、日本の文化と社会について考察する視点を養う。

【内容 Course outline】文化財保存科学の目的は、文化財の構造と材質の究明、内・外的条件によって生ずる変化(劣化)の現象を解明し、文化財の保存と修復に役立たせることである。その内容としては、文化財計測学、文化財材料学、保存環境科学、文化財修復技術との関連、という4本の柱である。日本を代表する有形文化財をとりあげ、有形文化財の材質と構造の解明とそれらの内的要因と文化財を取り巻く環境という外的要因との相互作用による変化について具体的な事例をもとに考察する。実習を中心に理解を深める。また、関連する研究施設、博物館等の見学も予定している(希望者のみ)。

【テキスト Textbook】テキストは使用しない。講義中にプリントを配布する。

【評価方法】出席、実習への取り組み、課題のレポート、期末試験により総合的に評価する。

日本の文化と社会H

山本 まり子(やまもと まりこ)木・1 書実II

【目標 Aim】実技を通して、文字の歴史について、概要を学び、日本文化への理解を深めるとともに、書の美を享受する目を養う。

【内容 Course outline】篆刻及び、毛筆による実技を行い、あわせて名跡の鑑賞も取り入れる。さらに、書簡(年賀状を含む)・書き初めに関すること等も概略的に学ぶ。

【テキスト Textbook】金子卓義ほか著『書Ⅰ』(2010年光村図書)

【評価方法】受講状況40%・提出作品40%・授業内テスト20%

*「日本の文化と社会A・C・E・G」は、春学期に開講します。「日本の文化と社会」の授業内容は、「大学ホームページ>学内ネットワーク>シラバス検索」からも見られます。

日本研究科目**

日本研究演習 A(社会)

加藤 拓(かとう たく)金・3 N107

【目標 Aim】日本市場での小売サービス業の歴史的、空間的な発展について分析し、消費者行動との関連を考える。

【内容 Course outline】小売サービス業には、百貨店、アウトレット・モール、郊外型大型ショッピングセンターなど広域から集客する業態から、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストア、ファースト・フード、100円ショップなど店舗を近くに集中させる業態まで、様々な種類が存在する。それらの発展の歴史的背景や地理的な市場開拓戦略について検討すると同時に、分析のフレームワークを紹介する。それに基づいて受講生の皆さんには、自国の代表的な企業について分析し、日本の企業との共通点と相違点を発表していただく予定です。

【テキスト Textbook】とくに定めません。

【評価方法】平常点20%、発表40%、レポート40%

日本研究B(人文)

有澤知乃(ありさわしの)木・3 S206

【目標 Aim】日本の民俗芸能や祭りなど、各地の人々の風俗や信仰と密接に結びついた文化について考えます。

【内容 Course outline】日本全国の民俗芸能や祭りについて、映像資料を見ながら学びます。京都の祇園祭では、どうして華やかな山鉾(やまぼこ)を曳いて人々が街を練り歩くのでしょうか?また、淡路島の人形芝居で、大きな鯛を抱えた戎(えびす)の神様が登場するのはなぜでしょう?各地の風俗や人々の信仰が、芸能や祭りの中にどのような形で表れているかを考えます。また、各自が選んだ民俗芸能や祭りについて調べて発表をしてもらい、現代社会における人と文化の関わりについて議論します。

【テキスト Textbook】とくに定めません。

【評価方法】平常点15%、発表35%、レポート50%

日本研究演習C(比較研究:文化と教育Comparative Studies : Culture and Education)

戸田 孝子(とだ たかこ)金・4N202
■フィールドワークを含み 15時間 15classes(90 min)including field studies

【目標 Aim】この授業は、従来担当の「日本の文化と社会A」とISEP科目“Comparative Education”で留学生に好評であった、クラス討論を中心とした授業と実際に日本の子ども達との交流を通して日本を理解するフィールドワークを合わせて、15時間の授業内容となります。教室で、留学生の「発見メモ」をもとに討論する時間、日本の子ども達に送る自分の国や自分自身を紹介する「絵手紙」を作成する時間、学校を訪問する時間、授業での活動を通して学んだことからテーマを選びレポートする時間で構成されます。(会話は、やさしい にほんご EnglishでもOK)

【内容 Course outline】初回に、クラス授業(Classroom Discussion)、学校訪問(School Visit)のスケジュールについて説明します。次に、教室で討論するテーマについて選定します。「日本のこども」「日本の教師」「日本の文化と教育」「人間形成の国際比較」など教育に関わるテーマを中心に選びます。次に、受講生は、日常の生活やニュース、体験、調べたこと、研究したことなどから、テーマについての「自分の発見メモ」を発表し合います。写真を見せたりパワーポイントを使ったり、スピーチをしたり、自由な表現方法で構いません。お互いに、テーマについての見方・考え方を、理解し合い、疑問点については、クラス全体で資料を出し合い、議論します。次に、フィールドワークの準備として、交流する日本の子供たちへ送る「絵手紙」を作成します。自分の国や自分自身を紹介する写真や地図やイラストなどを各自準備します。子ども達から返信の手紙が届いたら、その子ども達に会うために、皆で学校を訪問し、手紙の返事を書いてくれた子どもの教室で一緒に過ごします。最後に、特に、自分が興味を持ったテーマについて、学期末レポートとしてまとめます。

【テキスト Textbook】参考書を紹介

【評価方法】発表とレポート

日本研究D(芸術)

石井 健(いしい たけし)月・2***書道演習室

【目標 Aim】書道の作品を中心に、絵画、工芸品、書跡・典籍、古文書、考古資料、歴史資料などの美術工芸品と建築など、日本の国宝について理解を含め学んで行きます。

【内容 Course outline】日本の国宝について概観した上で、種類、数量、制作背景、特徴などの基本的な事項について学んでいく。いくつかの作品を選び、図版や映像・文献資料を使いながら理解を深めるようにし、学生の皆さんにも、各自テーマを決めて、自国の国宝や文化財とも関連付けながら、発表をしてもらいます。

【テキスト Textbook】とくに用いない。必要に応じ資料を配布する。

【評価方法】平常点30% 発表30% レポート40%

**「日本研究A・C」「日本研究演習B・D」は、春学期に開講します。
***書道演習室は 芸術・スポーツ科学系研究棟4号館2階 にあります。