* 2011年度春学期 日本理解に関する科目・授業概要

日本の文化と社会*

日本の文化と社会A

戸田 孝子(とだ たかこ)木・2 S202

【目標 Aim】この授業は、「日本の文化や社会」について、留学生が、日本語で発表したり、討論したりする能力を高めていくことを目標としています。特に、日本人の思考様式について、伝統的な東洋と西洋のものの見方・考え方が、現代社会でどのように交錯しているか、具体的なテーマを広い視点から考察してみます。留学生自身の自由なテーマ設定による発表・討論の時間も用意しています。

【内容 Course outline】授業は、二つの部分に分かれています。一つは、留学生がそれぞれ、自由に、自分の関心のあるテーマについて短い発見をスピーチしたり、少し詳しく調べた内容をパワーポイントを使って発表したりする部分、もうひとつは、共通のテキストで、文献を解釈し、理解したテーマについて、グループに分かれ意見を述べ合い、その結果を、クラス全体に報告する部分です。テキストの一つは、やや抽象的な解釈の必要な日本語のもの、もうひとつは、英語からの翻訳を通して、日本語表現を学ぶための教材です。

【テキスト Textbook】今道友信『東西の哲学』TBSブリタニカ、1981年
Richard E. Nisbett. The Geography of Thought. Free Press. New York,2003.の抜粋

【評価方法】出席、授業演習の記録、学期末レポートによる総合的評価。

日本の文化と社会C

佐藤 正光(さとう まさみつ)木・1 N207

【目標 Aim】日本の文化や社会についての疑問や理解しがたい点を、受講生自身の問題意識を出発点として、受講者全員で考察していく。それにより外国人の視点と日本人の考え方とから、日本の文化や社会を相対化しながら理解する。

【内容 Course outline】受講生が自分の視点から日本の文化や社会についてテーマを決め、自分で調べて発表してもらい、それに基づいて全員で討論して理解を深めてゆく。発表では、自分で作成したレジュメとパワーポイントを用意してもらう。レジュメについては、事前に私が添削を行い、日本語の文章力も向上するように心がける。パワーポイントでは、映像資料も利用して発表内容を要領よく日本語で紹介できるように工夫する。テーマは、「桜と日本人」、「日本人の好きなスポーツ」、「日本のアニメの魅力」、「日本のハイブリッド車」など限定しない。

【テキスト Textbook】各自の発表レジュメを用いる。レジュメは事前に発表者が人数分を用意する。

【評価方法】受講生の発表内容と、討論での発言などを総合して評価する。出席を重視し、評価にも反映させる。

日本の文化と社会E

丑野 毅(うしの つよし)月・1 N106

【目標 Aim】

【内容 Course outline】人と他の動物を区別する大きな要素として道具の使用があげられる。道具はさまざまな形と機能を持つが、それ自身使用者の必要に応じて形や機能ばかりでなく、それを構成している素材も変化を遂げてゆく。先史時代という文化と社会の中で、人々はどのような道具を作り、どのように使用して生活を営んでいたのか。文化や社会が成熟してゆく過程を道具の発達から読みとる。

【テキスト Textbook】

【評価方法】

日本の文化と社会G

石井 健(いしい たけし)木・1 書実II

【目標 Aim】日本の伝統的な芸術である書道や日本の文字文化について、毛筆や硬筆の実技を通して考える。

【内容 Course outline】はじめに、ボールペンやシャープペンシル、鉛筆などを使って、ひらがな、カタカナ、漢字の正しい字形を身につける。その後、署名、はがき、封書、のし袋など日本の日常生活の中で用いられる実用書について、実技を中心に学んでいく。後半は、毛筆による書道作品の制作を行い、完成した作品を表装し、可能であれば学内のアートギャラリーなどを利用して展覧会を行う予定である。

【テキスト Textbook】とくに用いない。

【評価方法】実技を中心とした授業なので出席を重視する。出席状況と提出作品の内容を合わせて評価する。

*「日本の文化と社会B・D・F・H」は、春学期に開講します。「日本の文化と社会」の授業内容は、「大学ホームページ>学びの領域>シラバス」からも見られます。

日本研究科目**

日本研究 A(社会)

高崎 恵(たかさき めぐみ)水・1 S207

【目標 Aim】単一民族日本を標榜する言説は、批判を浴びながらも思い出したように繰り返されています。この現実は、単一の民族・文化・言語からなる同質的な日本というイメージの根強さを示しています。本授業では、こうした同質的・単一的な日本イメージを再考することを目的としています。

【内容 Course outline】前半では、日本の「伝統」、マイノリティーグループ、経済格差、宗教など種々のテーマの検討を通し、同質的な日本イメージがどのように形成され定着してきたのか、現代日本はどれほどの多様性を秘めているのかを講義します。後半は、前半の議論を踏まえ、「日本イメージ」について、受講生の自由研究および発表の機会を設ける予定です。受講生の皆さんの個人研究とその発表の機会を設ける予定です。積極的な参加を期待しています。

【テキスト Textbook】特に用いない

【評価方法】平常点、研究発表、レポートを総合的に評価する予定。

日本研究演習B(人文)

有澤 知乃(ありさわ しの)火・3 S207

【目標 Aim】各地に伝わる民俗芸能の歴史や変遷を学び、人と芸能の関係について考えます。

【内容 Course outline】日本各地で行われている、演劇、人形芝居、歌謡、舞踊、大道芸などの民俗芸能を、映像資料を見ながら学びます。かつての社会では、どのような階級の人々が何の目的で芸能に携わってきたのでしょうか?そして、今日では民俗芸能を行うことにどのような意義があるのでしょうか?受講生の皆さんにも調査を行ってもらい、芸能を通して、各地の風俗、信仰、家族や共同体の在り方など、日本の様々な姿について一緒に考えたいと思います。

【テキスト Textbook】とくに定めません。

【評価方法】平常点15%、発表25%、レポート60%

日本研究C(教育)

遠座 知恵(えんざ ちえ)火・2 S206

【目標 Aim】歴史的な視点から日本の教育について学び、その特徴に対する理解を深めていく。自国の教育ともぜひ比較してみてほしい。

【内容 Course outline】古代から現代までの「学校」に注目しながら、日本の教育の特徴について学んでいく。日本は古代から海外の影響を受けて発展してきた国であり、教育についてもその例外ではない。この授業では、それぞれの時代に、海外の影響を受けながら、日本でどのような教育が行われてきたのかを紹介していく。プリントやビデオなど、できるだけわかりやすい資料を使いながら授業を進めていく。

【テキスト Textbook】とくに用いない。読みやすい参考文献を紹介したいと考えている。

【評価方法】出席・授業内小レポート(40%)と学期末試験(60%)で評価を行う。

日本研究演習D(環境教育)

小川 潔(おがわ きよし)火・5 S206

【目標 Aim】日本における環境教育の概要を知るとともに、東京都心の自然と歴史を中心とする環境教育フィールドワークを体験して、都市の自然と文化を学ぶ。

【内容 Course outline】日本における環境教育と環境問題の歴史的展開を学ぶ。日本における環境教育の特徴の一つである野外体験学習を実践する。テーマは、東京の自然と生活文化の歴史とし、都心の上野・谷中地域のフィールドワークを体験する。その体験結果を共有する。

【テキスト Textbook】とくに用いない。上野の地域史に関する資料を用意する。

【評価方法】授業への参画50% 発表20% レポート30%を目安とする。

**「日本研究B・D」「日本研究演習A・C」は、秋学期に開講します。