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子どもの「心」の教育
本テーマでは、学級崩壊、いじめ、不適応等を含め、子供の心や内面的なものに焦点をあてて議論されるのを想定して設定された。例えば、不適応等のマイナス面だけを捉えるのではなく、それを通してその後の人間形成にどのような影響を与えるか、という視点から考えていくことを想定した。また、学校や教育の枠組みだけでなく、他の機関との連携等を含め、広い視点で捉えていくことも想定した。
<分科会報告から>
- 幼児期からの「心の育ち」が重要
- 親の休息、親に心の余裕がないことが問題
- 子育ての質を向上させることが重要
- 「子どもが悪い」のか「親が悪い」のか
- 「教師は第2の親である」という考え方のゆらぎ
- 教師の現場での指導力不足
- 教師は、ひとりで問題を抱え込まない
- 道徳の授業の効果が疑問
- スクールカウンセラーの重要性
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「学力」問題と総合的な学習
新学習指導要領による教科学習の内容や授業時数の削減等から学力低下が問題とされている。昨年から継続された本テーマは、どのような人間が21世紀に求められるか、という点を考慮に入れながら、総合的な学習との関連で「学力」とは何か根本的に捉え直し、「学力」問題の現状と今後の課題を検討することを想定して設定された。具体的には、マスコミ報道の検証や総合的な学習の実践等を通して考えていくことを想定した。
<分科会報告から>
- そもそも、学力とは何か(テストの点が下がっても、PCスキルなど新しくできるようになったことも多い)。
- 「学力」と「知力」と「生きる力」
- 「学校知」のあり方
- 「学力」を応用する力が必要である。
- 「学習」と動機付け
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学校で行う環境教育
学校教育における環境教育は、旧学習指導要領下においては、『環境教育指導資料』における明示などにより、学校教育全体で推進することが促進されてきた。そして、新学習指導要領では、「総合的な学習の時間」の一テーマとして「環境」が示され、さらなる発展が期待されている。本テーマでは特に、このような背景のもと、ゴミ問題や環境保護等を含め、「環境倫理」とは何か、子供たちの「環境倫理」はどのようにして身につくのか、またそのための教育活動の場として、学校ではどのように子供たちに「環境倫理」を伝えていくか議論することを想定した。
<分科会報告から>
- そもそも「環境」とは何か
- 「環境倫理」をどのようにとらえるか
- 「教える」より「体験重視」
- 参加型の学習活動が大切である
- 教員の「環境認識」は十分といえるか
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学校における子どもの「社会化」
学校は理念的に、子供たちの身分や階層等の帰属的な要因に関わりなく、対等で自由な存在として学習し成長する機会を提供する制度的空間であるが、子ども自身は貴族的諸要因や生活環境の影響から自由ではない。また、様々なハンディを抱えて学校にきている子どもも少なくない。学校は子どもを社会化していることを踏まえた上で、多文化共生社会における子どもの「社会化」について議論することを想定して本テーマは設定された。例としては、「ヒデゥンカリキュラム」、ジェンダーの諸問題、共生等を考えていくことを想定した。
<分科会報告から>
- 子どもの「社会化」をどう捉えるか。そこから、学校を見つめなおす。
- 多様性や新自由主義フリースクール(差異を認めない教育と対極にある)
- 社会の諸問題の影響
- そもそも日本社会の目指す方向があいまい
- 責任をとりたくない子の増加
- 家庭、地域の社会教育力が低下
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