行事

過去の合同ゼミナール

平成16年度東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科
合同ゼミナールについて

ワークショップ「広域科学としての教科教育学に携わる私たちの展望と課題」

 

健康・スポーツ系教育講座 田添歳樹

 テーマ設定の経緯とねらい
 本研究科は,1)教科教育を中心とする教員養成系大学の研究後継者の養成,2)学校現場の経験をふまえた教員養成系大学教員の養成,3)教育関係専門職従事者の養成と高度な研修機会の提供,4)「広域科学としての教科教育学」と学校教育にかかわる実践的研究の解決のための研究の発展,をその設置目的に挙げており.大学における教員養成の充実と学校教育の発展を目指して設立された.とりわけ,4)の「広域科学としての教科教育学」の発展については,前の3つを達成する上でも本研究科の重要な特質となっている.
 「広域科学としての教科教育科学」について本研究科では,教育の目標,教科内容,教授の過程・方法などの教科に関わる研究領域を実証的に研究する学問であると定義付けられている.従来の教科教育学は各教科における教材研究や授業の進め方などの技術的なものを扱う学問であると捉えられがちであった.本研究科では,従来の教科教育学に加え,教育課程や教育方法を研究する教育学と児童生徒の発達過程を分析する心理学などの教育科学,それぞれの教科の基盤となる人文・社会・自然などの専門諸科学や芸術・体育を基礎として構成されている.その意味で,研究の位置づけや目的は共有しているが,実践される個々の研究分野は多岐にわたっている.
 現在,本研究科に所属する博士課程の学生は,学校教育に関して様々な見識や問題意識を持ち個々の研究活動を行っているが,「広域科学としての教科教育学」が比較的広義に捉えることが可能な表現であるので,その内容の詳細について十分認識がなされていないことや,個人で解釈が若干異なるようなことがあった.また,一般的な共通理解がなされていたとしても,その上でどのような立場や態度をとって研究に臨むかということに関しては,個人や研究室に任されているところが現状であり,広域科学という枠の中で各研究が個別に行われている状況も危惧されていた.そのため,今回のワークショップでは「広域科学としての教科教育学」について改めて考え直し,その上で現在の我々の研究活動における展望と課題を確認し合う機会を設けることがねらいとなった.また,今回は特に各講座内で共通理解をはかることに重点を置いて議論することとした.

 


 実施方法

 ワークショップは,1)基調講演,2)分科会,3)全体会,から構成された.基調講演においてワークショップ全体のテーマ,趣旨を全員に把握してもらい,その後の分科会においてグループディスカッションを行った.最後に全体会としてグループで議論した内容を発表し合い討論を行った.

   
1)

 基調講演
 今回のワークショップのテーマは,本研究科の趣旨,目的に深く関わる内容となっていたため,村上英興研究科長から15分程度基調講演をして頂いた.


2)


 分科会
 従来のワークショップでは連合学校教育学研究科の特色を生かして9つの講座に所属する学生,教員が偏りなく議論する機会を得るために,分科会におけるグループを出来るだけ他講座の者と編成することとしていた.しかし,今回のワークショップでは分科会におけるグループを講座ごとに編成し,同講座内の者で議論するようにした.その理由としては,設定テーマが広範であるため比較的議論しやすいグループで議論の質を高めることが重要であると考えたからである.また,上述したように本研究科は研究領域が多岐にわたっており同講座内においても基礎とする研究領域が異なることがある.さらに,配置大学の違いなどから普段においても十分に議論できる環境であるとはいい難い.したがって,同講座内でグループを編成することは,奥深い議論を行うという意味でも講座内でお互いの態度を確認し合う意味でも意義のあるものと考えられた.
 分科会は,司会,書記,全体会における発表者などの役割分担の後,基調講演を基に各講座内の展望と課題を中心に約70分間の議論を行うかたちで進められた.


3)


 全体会
 全体会は,分科会において講座間の議論が行えなかったことを考慮するために昨年よりも多くの時間を割いて行った.各講座に10分間の持ち時間を与え,その時間内で議論した内容の発表,質疑応答を行うこととした.
 今回のワークショップは,「広域科学としての教科教育学」を掲げる我々の立場,態度を確認し合うこが重要な点となっていた.したがって,全体会においてワークショップ全体の結論は出さず.参加者各位が分科会,全体会で議論し合った内容を受け止めるというかたちをとった.

平成16年度の日程について


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