行事

過去の合同ゼミナール

平成17年度東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科
合同ゼミナールについて

ワークショップ「『教育実践』と『研究』」

 

健康・スポーツ系教育講座 田中 愛

 テーマ設定までの経緯
 本研究科は、「学校教育の発展」を目標の一つに掲げている。そのため、「教員養成の中軸をなす学問分野の研究の充実」、「学校現場に関する現実的な研究の活性化」が課題とされている。つまり、我々の研究は、「専門的な深化」を前提とした上で、さらに何らかの形で「学校教育における教育実践」に寄与しうる研究となる必要がある。
 「教育実践と研究はどのような関係にあるのか?」、このことは、本研究科において「研究」に携わったことのある者なら、誰もが一度は考えさせられるテーマではないだろうか。そして、そのことに対して、それぞれに異なる意見を持っているのではないだろうか。今回の運営委員会参加者にとっても、このことは、ぜひ採り上げてみたいテーマだった。例えば学校現場に出たことがない学生には、「先生が子どもたちとやりとりする中で何か問題に直面する」、といった経験がない。それゆえ教育実践の場で、現在何がどのように問題となっているのかについて、知識を持つことはできても、現実的な危機感を持つことはできない。したがって、自分の研究と教育実践の関係について疑問に思うことが多い。また、教育実践のフィールドをもった学生であっても、その研究を実際のフィールドに生かすことができるのか、という問題がある。さらに、「研究を実践の場で生かす」ためには広く「実践者」にその研究内容を伝えなければならないが、研究が専門化するにつれ、理解してもらうことが難しくなる。
したがって、実践と研究の関係を問うことは、我々の「研究に対する姿勢」を問うことでもあり、また「研究の意義」そのものを問うことにもなる。そうであれば、このゼミナールの利点を生かし、多くの人とそのことについて議論し、新しい視野を開こうと試みることは十分に意義のあることではないだろうか。今回はこのような趣旨でテーマを設定することになった。

 


 実施方法

   
1)

 分科会
 ワークショップについては、事前にアンケートを参考にした。「時間をかけて議論を深めたい」との意見を尊重し、分科会の時間を2時間15分設けることにした。グループ分けについては、昨年同様、講座別にするという意見や、異なる講座で編成するという意見、さらには「研究方法ごとにわける」などの意見をいただいた。それらをもとに、運営委員会において検討した結果、グループわけをする際、以下の3点に留意することとなった。(なお、分科会は全6グループ、1グループにつき8~9人とした。)
(1) 各グループに、教職経験者が2、3名必ずいること
(2) 1年生と2年生が均等にいること
(3) なるべく異なる講座で構成すること
とくに(1)において教職経験者を2、3名配置した狙いは、メインテーマに沿って議論を深めることである。つまり、今現在の学校現場がどのような問題を抱えているのか、また実践と研究がどのような時に生かされ、どのような時隔たってしまうのか、について実践的な立場から事例や見解を得るためである。それらを手がかりとすることで、より議論が深まるであろうと考えた。さらに、(2)、(3)において学年や講座を分散させた狙いは、それらの枠を超えてやりとりすることで、新しい視点を得ること、また逆に、どの講座にも共通する問題点や、これからの展望を見出すことができると考えた。
 なお、分科会では、司会者と記録者を立てた上で進行するよう提案した。さらに、当日ゼミナールに参加してくださった先生方にもグループに加わっていただくことができた。


2)


 全体会
 分科会後、全体会(45分間)において、各グループでどのような議論が行われたかについて、各グループ1名の代表による、5分~6分程度報告を行った。

平成17年度の日程について


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