夏休み後のメンタルヘルス

 

 

学生のみなさんは、夏休み楽しく過ごせたでしょうか。 旅行をしたり、バイトをしたり、勉強をしたり、日頃出来ない経験をしたことと思います。 あーうらやましい(+o+) あー学生に戻りたい( 一一)

ところが、そんな夏休みを過ごした後に学校生活に戻ると、心身が不調に陥ることがあります。 2009年度の本校のメンタル関連での保健管理センター利用者は155名でしたが、夏休み後を8、9、10月の3ヶ月と定義すると、その間の利用者は24名で、「健康関連の相談」が9名で「うつ病・摂食障害」が4名と続きました。センターの利用者だけから本学全体の傾向ははっきりとは言えないかもしれませんが、この結果からみると、うつや摂食障害などに気をつける必要があるかもしれません。夏休みが終わり、疲労感でやる気がなく夏バテかと思っていたら、実はうつ病の初期だったなんてことも。うつ病の初期では、疲労感や睡眠障害などが主症状であることがあり、治療を受けずに放っておくと、いつの間にか死にたい気持ちが頭を占めて、自殺行動を取ってしまう恐ろしい病気に変わってしまうこともあります。うつ病には抑うつ症状を主症状とした「大うつ病」、さらに、最近はやりの「非定形うつ病」があります。 表1にアメリカ精神医学会の大うつ病、表2に非定型うつ病の定義を示します。


表1. 大うつ病の定義

 

 

以下の症状のうち5つ以上が2週間以上存在

1

抑うつ気分

 

2

喜びの喪失

 

3

体重減少、または体重増加

4

不眠、または過眠

 

5

焦燥感

 

 

6

疲労感

 

 

7

無価値観、または罪責感

8

集中力の低下

 

9

自殺願望

 

 

*1または2は必須項目

 

 

表2. 非定形うつ病の定義

以下の症状のうち3つ以上

1

気分の反応性(好きなことしか出来ない)

2

体重増加

 

3

過眠

 

4

手足のだるさ

5

対人関係の敏感さ

*1は必須項目

 

 

これらのうつ病は睡眠や食事の不規則な状態から引き起こされるという研究もあり、予防や治療には規則的な生活習慣が重要とされます。夏休みで不規則になった生活習慣を正すのは、学校活動の効率を上げるだけでなく、うつ病の予防や治療にもなります。うつ病対策に規則正しい生活をしてみてはどうでしょうか。

もう一つ気をつけてほしい病気は摂食障害です。摂食障害とは、文字通り「食」の病気です。体重の減りすぎや、増えすぎ、食行動が異常になったりします。表3に神経性無食欲症(体重が減る)、表4に神経性大食症(体重が増える)の定義を示します。

 

表3. 神経性無食欲症の定義

 

1

適正体重の85%以下

2

体重増加の恐怖

 

3

体重や体型への歪んだ考え

4

連続3回異常の無月経

 

表4. 神経性大食症の定義

 

 

1

明らかな大食

 

 

2

食欲のコントロール不能感

 

3

不適切な代償行動(吐く、下剤など)

4

週2回以上の大食もしくは代償行動

5

体重の影響を強く受けている自己評価

 

夏休みの自由奔放な食生活が摂食障害の発症や増悪の因子になることがあります。規則正しい生活をすることで、遊びと勉強の効率が上がります。実り豊かな大学生活のためにも規則正しい生活を心がけましょう。

最後に、みなさんに覚えておいて頂きたいのはストレスについてです。今さらかー、と思う人もいるかもしれませんが、確認のために知っておいて頂きたいのです。それは「良いこともストレスになる」という事です。旅行、帰省、彼氏、彼女が出来たこともストレスになります。一般社会では昇進、妊娠、引っ越しなどが良いストレスと言われています。表5にストレスを引き起こす出来事をあげてみました。

 

5. ストレスのかかる出来事

出来事

ストレス値

配偶者の死

100

離婚

73

夫婦の別居

65

留置所などへの拘留

63

家族の死

63

ケガや病気

53

結婚

50

失業

47

夫婦の和解

45

退職

45

家族の病気

44

妊娠

40

性の悩み

39

新しい家族が増える

39

転職

39

経済状態の変化

38

親友の死

37

職場の配置転換

36

夫婦喧嘩

35

100万円以上の借金

31

担保・貸付金の損失

30

職場での責任の変化

29

子供の独立

29

親戚とのトラブル

29

自分の輝かしい成功

28

妻の転職や離職

26

入学・卒業・退学

26

生活の変化

25

習慣の変化

24

上司とのトラブル

23

労働時間や労働条件の変化

20

転居

20

転校

20

趣味やレジャーの変化

19

宗教活動の変化

19

社会活動の変化

18

100万円以下の借金

17

睡眠習慣の変化

16

家族だんらんの変化

15

食習慣の変化

15

長期休暇

13

クリスマス

12

軽い法律違反

11

 

これは1968年にホームズ氏らが発表した大変有名なストレス表です。日常生活の出来事にかかるストレス度の強弱を点数化しています。やや現代的でない事と日本の現状に必ずしも適合していない点で批判もありますが、日常生活の良い出来事もストレスになることを理解するには良い表だと思います。

夏休みから通常の学校生活に移行する際にはストレスがかかり、生活習慣も乱れがちです。楽しいことであっても、多くのイベントをためこまないようにし、生活をコントロールすることが大切です。楽しい夏休みは終わりました。生活習慣を整えて新学期に突入しましょう。

 




【ホケカンだよりBack Number】に戻る



[ホケカンだより]に戻る