大学というカルチャーショック

 

12月に入りキャンパスの紅葉も色づく季節になってきました。日々、寒くなるこの季節は寂しくなったり、人恋しくなる方も少なくないと思います。とくに留学されている方や、故郷を離れて上京している方にとっては、故郷が懐かしくなる時期かもしれません。

 

留学や海外への長期滞在などでよくカルチャーショックという言葉を使いますが、ここではもう少し幅広い中で異文化の適応を考えてみましょう。例えば、新入生が体験する高校生活から大学生活への変化を考えただけでも、大学では新しい交友関係、教師との関係、サークル活動、授業、アルバイト、一人暮らしなど新しい文化を体験します。また、海外や離れた地域や地方から来た方にとっては、学校のみならず生活のすべてが新しい文化の体験となります。また、細かい点で見れば、何年生になっても新たな授業で新たなクラスメイトや教授と出会うということや、教育実習で実習先の学校文化へ入っていく時にも、卒業して新たな社会に入っていくことも異文化適応というテーマと切り離すことが出来ません。

 

以下はアドラーの異文化適応などを参照に記述しておきました。これによって、いまの自分が経てきたプロセスを振り返ってみることも出来ます。また、いま異文化適応の困難の中にいるのならば、適応の段階のプロセスを確認するヒントになればと思います。

 

 

異文化適応の段階

 

1:接触 / Contact

興奮と幸福感

 

新たな文化に入り興味深く、発見、驚き、喜び、興奮の時期。

以前にいた文化側の視点で物事を比較、判断している。

相違点より類似点に意識が向く。

 

2:自己崩壊 /disintegration

戸惑いと混乱

 

新たな文化の中で新来者として、自分の行動や態度、価値観に戸惑いと不安を感じる。喪失感、孤立感、疎外感、気分の落ち込み、悩みがある。理解、適応への継続的努力のため心身の疲労にもつながる。。類似点より、相違点に意識が向く。

3:自己再統合/ reintegration

異文化の拒絶 

 

異文化への拒絶感が強くなる。怒りや不満を感じ文句や不満を言うことも多くなる。排他的になり、慣れ親しんだ文化の中に引きこもる。否定的な行動や表現、態度は異文化の中で自己肯定と自尊心の成長に必要なプロセスでもある。

4:自律、自主性/ reintegration

異文化への感性と生活力の向上、異文化への理解

 

他の文化から来た人たちと心情的につながり、理解が深まる。

以前の文化の合図やしきたりに頼らず、新たな状況の中で自主的に判断して生きていく事が出来る。自信を持ち自分でやっていけるという安心感もある。

5:独立 /independence

文化の相違点と類似点を楽しむことが出来る

両方の文化の感性を引き出し、信頼することが出来る。

ここまでの文化適応の段階を通して異文化を経験することによって自分を成長させ、人がいかに教育と文化に多大な影響を受けているかを知ることが出来る。

参照文献

1.      Adler, Peter S. “The Transitional Experience: An Alternative View of Culture Shock.” Humanistic Psychology Vol. 15, No. 4, Fall 1975;

2.Hendricks, Barbara. “The impact of transition”

 http://www.theway.org.uk/Back/421Hendricks.pdf



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