熱中症に注意してください!

                                   

                       保健管理センター 

 

 地球温暖化や都市部のヒートアイランド現象に加え、ここ数年の夏の猛暑により熱中症の発生頻度は増加傾向にあります。昨年は、東日本大震災による原子力発電所の事故から電力供給不足を生じ、さらなる増加が危惧されましたが、幸いなことに8月の台風停滞の影響で気温が低めであったため前年よりは減少しました。しかし、今年の夏も節電対策が求められており予断を許しません。必要な時は、ためらわずエアコンを使用することも大事です。

 

熱中症とは?

高温・多湿の環境下で水分の補給を行わず活動を続けると、体温が上昇し脱水になり、さまざまな障害が起こります。これが熱中症です。体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れ、調整機能が破綻した時に発生します。その本態は、熱そのものによる臓器の障害と臓器への血流低下による障害です

急に気温が上がった時や湿度が高い時に起こりやすいので、梅雨の合間の暑い日や梅雨明け前後は特に注意が必要です。

熱中症は体内の筋肉から発生した熱が放熱できないために起こるので、暑くない環境でも起こります。時に死に至る病態ですが、きちんと予防すれば防ぐことができます。

              

熱中症の症状

立ちくらみ、頭痛、吐き気、筋肉のこむら返り等の症状が出たら要注意です。

熱中症はT度(現場での応急処置で対応できる軽症)、U度(病院への搬送を必要とする中等症)、V度(入院して集中治療の必要性のある重症)に分けられます。「意識がない」場合は、全てV度(重症)になります。

 

T度: 熱失神、熱けいれん・・・比較的軽症

熱失神は「立ちくらみ」という状態で、数秒間の短い失神です。運動終了後によく起こります。皮膚の血管の拡張によって血圧が低下し、脳血流が瞬間的に減少して起こります。顔面は蒼白となり、脈は速く、弱くなります。

熱けいれんは筋肉の「こむら返り」のことで、突然、ふくらはぎや足の裏の筋肉や腹筋がけいれんして激しく痛む状態です。大量に汗をかいた時、水しか補給しなかった時など、血液の塩分濃度が低下するために起こります。

U度: 熱疲労・・・中等症

脱水による症状で、脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気、嘔吐、失神などの症状が見られます。すぐに水分、塩分の補給が必要です。

 

 

V度: 熱射病・・・重症

体温調節機構が破綻した非常に危険な状態です。体温は38℃を超え、体温の上昇によって中枢機能に異常をきたし、意識障害(呼びかけや刺激への反応がおかしい、言動がおかしい、意識がない等)をきたします。全身の臓器の機能不全により死に至る可能性がある非常に危険な状態です。

熱中症は、軽症、中等症でも、短時間で急速に重症化することがありますので、注意が必要です。

 

熱中症の予防

熱中症は予防に始まり、予防に終わると言っても過言ではありません。予防に失敗したら、冷却と障害臓器に対する対症療法になります。熱中症を予防するには、まず.発症しやすい状況を避けること、スポーツや仕事で暑熱環境を避けることができない場合には、その環境にさらされることを前提とした予防策を取ることが重要です。

 

1.熱中症の危険因子

  気温だけでなく湿度も関与しています。暑い日は運動を控えてください。

  日本気象協会では暑さ指数WBTwet-bulb globe temperature)を用いた熱中症予防情報を地域別にホームページや携帯電話で提供していますので利用してください。炎天下のジョギング(野球、サッカーなど)、晴天で風のない海上(ヨット)、閉め切った体育館でのスポーツ(剣道、柔道、卓球など)は要注意です。

2.暑熱環境下での予防

 熱中症は、ちょっとした注意で防ぐことができます。以下の点に注意して下さい。

(1)暑さに体を慣らしておく。

   熱中症は暑さに慣れていない時期に急に暑くなった時が非常に危険です。

暑い時は、運動・作業内容を軽くして徐々に慣らしていく必要があります。 

(2)こまめに水分補給。

のどが渇く前にスポーツドリンクなどで、こまめに水分と塩分の補給をしてください。「のどが渇いた」と感じたときには、すでにかなりの水分不足になっていることが多いです。摂取する水分は市販のスポーツ飲料で良いですが、発汗が著しい場合には塩分濃度がやや高めの経口補水液も市販されています。

(3)体の調子はどうか?体調により暑さに対する耐性は変化します。

  風邪などにかかっていないか?体調の悪いときは暑い日中の外出や運動・作業は控え

ましょう。

十分な睡眠、バランスの良い食事は言うまでもありません。

(4)服装は軽装で、帽子等で直射日光を防ぐ。

 ゆったりした服装でシャツなどは外に出す。屋外では帽子をかぶりましょう。

防具を着ける競技では(剣道、フェンシング、野球のキャッチャーなど)休憩時に

  防具を外しましょう。

(5)具合が悪くなったら無理をしない

 

熱中症になってしまったら

熱中症かもしれない、と思ったら

@涼しい日陰やクーラーの効いた室内などに移動する。

A衣類をゆるめて休む。

B体を冷やす。氷や冷たい水でぬらしたタオルを手足に当てる。タオルやうちわ、衣服などを使ってあおぎ、風を送って冷やす。

C水分を補給する。水分だけではなく、汗によって失われた塩分も補給する。スポー

ツドリンクなどを少しずつ何回にも分けて補給する。

 

熱中症が疑われる人への対応

1まず意識の状態を確認します。重症かどうかの分かれ目は意識障害があるか否かです。名前を呼ぶ、肩をたたく、簡単な質問をするなどして意識の状態を確認して下さい。

2意識がない、応答が鈍い、言動がおかしいなどの場合は、至急119番通報して下さい。死亡する可能性の高い緊急事態ですので、集中治療のできる病院へ一刻も早く運ぶ必要があります(20分以内が勝負です)

[救急車の到着まで]

・気道確保、呼吸・脈拍確認(無ければ人工呼吸・心臓マッサージ等)を行いつつ、冷却を開始します(冷却のポイント参照)。

・可能なら涼しい場所(クーラーのある所,風通しの良い日陰など)へ運んでください。

3意識のある場合(熱けいれん、熱失神、熱疲労など)

 ・涼しい場所に運び、衣服をゆるめて寝かせ、体を冷やします。吐き気やおう吐が無く飲水できるならスポーツドリンクなどで水分を補給します。

・吐き気やおう吐がある場合は無理に飲ませてはいけません。病院で点滴を受ける必要があります。

冷却のポイント

@水をかける、濡れタオルを当てて扇ぐ

衣類をできるだけ脱がせ、濡れタオルを当てる、あるいは霧吹きなどで水を吹きかけ、うちわ、ドライヤー(温風)等で送風し、気化熱で冷却する。震えを起こさせないよう、必要に応じ手足(末端部)、体幹部をマッサージする。

水は温水が良いが、なければ冷たくても可。

 A氷のう、アイスパックなどで冷却

  氷のう、アイスパック、アイスノンなどを腋の下(腋下動脈)、首の横(頚動脈)、

下肢の付け根(大腿動脈)に両方からあて血液を冷却する。

  注)解熱剤は原則禁忌です。物理的な冷却方法が第一です。

  

以上の点に注意し、暑い夏を乗り切ってください。

 

 










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