長生きするには


 


保健管理センター  竹内 武昭


今回のホケカン便りは、ある職員の方からの質問に答えるかたちで始めさせて頂きます。先日、以下のような質問がありました。


Q.
年をとったら健康のために気を付けることはなんでしょうか?

 

テレビや書物では長寿に対する色々な情報が氾濫しています。正しいものもあれば間違ったものも多く見受けられます。今回は医学的根拠(国際的な査読論文)がロボスト(強固)な論文を紹介致します。

 

健康寿命に関連する生活習慣

ハワイ日系人の中年男性5820人を40年間追跡調査したところ、病気や障害なしに85歳を迎える確率は、喫煙・多量飲酒・過体重・高血圧などの危険因子が6つ以上のグループでは9%に対して、1つもないグループでは55%と大差があった。

1965年、ハワイ日系人の中年男性(平均年齢54歳)5820人を対象に調査を行った。血圧・肺活量・握力などの身体検査、総コレステロールや血糖などの血液検査、喫煙や飲酒などの生活習慣、さらに教育や職業などの社会的要因についても調べた。

これらのデータをもとに、どのような要因が「長寿」や「健康長寿」とかかわっているかを分析した。このさい、病気や障害があっても高齢で生きていることを「長寿」として定義した。また、6つの病気(冠動脈疾患・脳卒中・がん・慢性閉塞性呼吸器疾患・パーキンソン病・糖尿病)と2つの障害(認知機能障害・0.5マイル歩行不能な身体障害)がまったくなく高齢で生きていることを「健康長寿」として定義した。

その結果、「長寿」と関係する要因は7項目、「健康長寿」と関係する要因は8項目あった。両者に共通するのは6項目で、過体重・高血糖・高血圧・低握力・喫煙・多量飲酒(一日3杯以上)だった。これらの要因があると、ない場合と比べて、「長寿」や「健康長寿」の確率が低くなった。これらの要因の数と健康長寿の関係は逆相関の量反応関係が認められた。

上記の生活習慣の改善が長寿と関連あるという結果は、日本の40歳から90歳までの死因が@悪性新生物、A心疾患、B脳血管疾患、C肺炎であり、これらの疾患のリスク因子となっていることからも、納得のいく結果であると思います。

色々な情報が氾濫しているなかで、「たばこをやめて、飲酒はほどほどにしながら、腹八分目で体重を適正に保ち、適度な運動をする」という当たり前ですが、なかなか出来ないことをして頂くと、健康寿命(元気で長生き)を延ばせると思います。

Willcox BJ, et al. Midlife risk factors and healthy survival in men. JAMA 2006;296:2343-2350.
Tsubono Reportの訳を参照)











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