「脳のここち良いをさがそう」 A食事編 

                           保健管理センター 大森 美湖

 

 

 

前回の健康手帳では、脳がここち良くなる状態について、主にドーパミンと身体運動を取り上げて紹介しました。今回はドーパミンとノルアドレナリン、特にセロトニンという神経伝達物質を食事を中心に紹介したいと思います。

 皆さんは、この3つの名前を聞いたことがあるでしょうか?ドーパミンは、程良く出ると「快感物質」ですが、分泌過剰だとアルコールやタバコ、インターネットやゲーム等への依存状態を作ったり、幻覚妄想や幻聴等の症状が出てしまいます。ノルアドレナリンは生命の危機や不快な状態の時に出る物質です。このバランスが崩れると、うつや不安・パニック状態につながります。セロトニンは脳内全体の司令塔の役割をしており、ドーパミンやノルアドレナリンの放出や暴走をコントロールしてくれています。つまりセロトニンが減少すると、右記のような様々なこころの病気になりやすくなってしまうのです。

体内のセロトニンは、必須アミノ酸の一つであるトリプトファンから合成されます。必須アミノ酸は、タンパク質に含まれているため、セロトニンを不足させないためには、毎食の中で良質のタンパク質を摂ることが大切です。しかし現代のファストフードやラーメン、パスタ、うどん、カレーライス中心の食事ではタンパク質は不足してしまいます。トリプトファンは、加工していない肉や魚、大豆、納豆、豆腐、味噌、たまご、牛乳、ヨーグルト、チーズ、わかめ、バナナ、ナッツ類などに多く含まれるので、これらを積極的に摂取すれば、不足することはありません。またトリプトファンがセロトニンになる際には、ビタミンB6の助けを借りるので、タンパク質を摂る時に、一緒に玄米、大豆、青魚、バナナ、ニンニク、ショウガ等のビタミンB6を摂ると、更に効果的です。日々の少しの意識で、脳が“ここち良く”なる状態を作りたいものです。

  

(参考図書:「甘い物は脳に悪い すぐに成果が出る食の新常識」笠井奈津子)




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