自分も相手も大切にするコミュニケーション〜アサーションのすすめ〜

 

 
保健管理センター 大森美湖

 

 「友達に行こうって誘われたんですけど、断ったら悪いと思って断れなくて・・」

「意見求められたんですけど・・うまく言えないし、言ってもしょうがないって思うし・・」

「欲しくないのに渡されて『ありがとう』って言ったけど、後でイライラしたんです」


これらは、学生相談や精神科診察の場面でよく聞かれる会話です。

皆さんは、アサーションという言葉を聞いたことがあるでしょうか?アサーションとは、英和辞典では「主張」「断言」と訳されますが、本来は「自分も相手も大切にした自己表現」という意味になります。この視点で考えると、冒頭の会話は、相手を気遣って自分の言いたいことを抑えてしまい、自分を大切にしていません。結局後で後悔や不安、イライラ、怒りなどの様々な感情が出てきてしまい、人付き合いが嫌になってしまいます。自己表現の3つのタイプをみてみましょう。


1.攻撃的(アグレッシブ)な自己表現

 自分は大切にするけれども、相手を大切にしない自己表現です。自分の権利のために自己主張はしますが、相手の意見や気持ちはくみとらないですから結果として、相手に自分を押し付けることになります。攻撃的というだけでなく、巧妙に自分の欲求を押しつけるとか、相手を自分の思い通りに動かそうとすることも含まれます。

2.非主張的(ノン・アサーティブ)な自己表現

 相手は大切にするけれども、自分を大切にしない自己表現です。結果として自分で自分を踏みにじってしまいます。相手に配慮しているようでいて、実は相手に対して率直でなく、自分に対しても不正直です。ストレスがたまりやすく、疎外感を感じやすくなります。

3.アサーティブな自己表現

 自分も相手も大切にした自己表現です。お互いの意見の相違で葛藤が起こることもありますが、意見を出し合って譲ったり譲られたりしながら歩み寄り、それぞれに納得した結論を出そうとする過程を大事にします。冒頭の例では、相手に感謝を伝えた上で「今日は疲れていて行きたい気分でない」とか「別の用事があるので、またの機会にしたい」、「自分はこう思うが、うまく表現しづらい」「あまり自分の好みのものではないけれど・・」等と口にしながら、双方を尊重して結論を出していきます。

(詳細は「自分の気持ちをきちんと伝える技術」平木典子著
/PHPなど参照

 アサーティブな自己表現を身につけて、人間関係を楽にしていきたいものです。




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