平成16年10月7日 規 程 第 54 号 改正(施行)平17程15(17.4.1) 平19程32(19.10.1) 平20程20(20.4.1) 平23程14(23.4.1) 平23程21(23.10.1) 平25程25(25.6.10) 平26程25(26.6.5) 第1章 総則 (目的) 第1条 この規程は,遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確 保に関する法律(平成15年法律第97号)及び関係法令(以下「法令」という。) に基づき,東京学芸大学(以下「本学」という。)における遺伝子組換え実験 (以下「実験」という。)を計画し,実施する際に遵守すべき安全確保に関する 必要な事項を定め,もって実験の安全かつ適切な実施を図ることを目的とする。 (定義) 第2条 この規程において「部局」とは,各学系,環境教育研究センター,教育実 践研究支援センター,留学生センター,国際教育センター,教員養成カリキュラ ム開発研究センター,保健管理センター,情報処理センター,理科教員高度支援 センター,学生支援センター,教員養成開発連携センター及び大学院連合学校教 育学研究科をいう。 2 この規程において「部局の長」とは,前項に規定する部局の長をいう。 3 前2項に規定するもののほか,この規程で使用する用語は,法令で使用する用 語の例による。 (学長の責務) 第3条 学長は,本学における実験の安全確保に関する業務を総括する。 (部局の長の責務) 第4条 部局の長は,法令及びこの規程に定めるところに従い,当該部局における 実験の安全確保に関し必要な措置を講じなければならない。 第2章 安全主任者 (安全主任者) 第5条 実験の安全確保に関する学長及び部局の長の任務遂行を補佐するため,遺 伝子組換え実験安全主任者(以下「安全主任者」という。)を置く。 2 安全主任者は,法令及びこの規程を熟知するとともに,実験に関する知識及び 技術に習熟した者のうちから,学長が関係部局の長と協議の上,委嘱する。 3 安全主任者の任期は2年とし,再任を妨げない。ただし,安全主任者に欠員が 生じた場合の後任者の任期は,前任者の残任期間とする。 4 安全主任者は,実験の安全確保に関して学長及び部局の長を補佐するとともに, 次に掲げる任務を果たすものとする。 (1) 遺伝子組換え生物等の保管,運搬等の状況及び施設・設備等の管理状況並び に実験の進ちょく状況を把握し,実験が法令及びこの規程に従って適正に遂行 されているか否かを確認すること。 (2) 第7条に規定する実験責任者に対し,実験の安全確保に関する指導及び助言 を行うこと。 (3) その他実験の安全確保に関する必要な事項を実施すること。 5 安全主任者に事故があるときは,学長があらかじめ指名する教員がその任務を 代行する。 6 安全主任者は,その任務を果たすに当たり,次条に規定する東京学芸大学環境 安全委員会と十分連絡を取り,必要な事項について同委員会に報告するものとす る。 第3章 環境安全委員会 (環境安全委員会) 第6条 実験の安全かつ適正な実施を確保するために必要な任務は,東京学芸大学 環境安全委員会(以下「環境安全委員会」という。)において行う。 2 実験責任者及び安全主任者等は,環境安全委員会からの求めがあった場合は, 実験の安全管理に関する報告を行うものとする。 第4章 実験責任者及び実験従事者 (実験責任者) 第7条 実験を実施しようとする場合は,実験計画ごとに,実験従事者のうちから 実験責任者を定めなければならない。 2 実験責任者は,法令及びこの規程を熟知するとともに,生物災害の発生を防止 するための知識及び技術に習熟した者でなければならない。 3 実験責任者は,当該実験計画の遂行及び実験の安全確保並びに遺伝子組換え生 物等の保管及び運搬について責任を負うものとし,次に掲げる任務を果たすもの とする。 (1) 実験計画を立案し,学長に承認申請をすること。 (2) 実験計画の立案及びその実施に際しては,法令及びこの規程を十分に遵守し, 実験全体の適切な管理・監督に当たること。 (3) 実験開始前に実験従事者に対し,法令及びこの規程を熟知させるとともに, 実験の安全確保に関する教育訓練を行うこと。 (4) 遺伝子組換え生物等の保管,運搬等実験の記録を行うこと。 (5) その他実験の安全確保に関する必要な事項を実施すること。 4 実験責任者は,その任務を果たすに当たり,安全主任者と十分連絡を取り,必 要な事項について,安全主任者に報告するものとする。 5 実験責任者が病気その他の事故により,その任務を行うことができないときは, その期間中,その任務を代行させるため,実験責任者代理を定めなければならな い。 (実験従事者) 第8条 実験従事者は,実験計画の立案及びその実施に当たっては,安全確保の重 要性を十分に自覚し,安全主任者及び実験責任者の指示に従うとともに,この規 程を遵守し,安全の確保に努めなければならない。 2 実験従事者は,あらかじめ微生物取扱い技術並びに実験に特有な操作方法及び 関連する技術に精通し,習熟していなければならない。 3 実験従事者は,実験を行う際は,次に掲げる事項を遵守しなければならない。 (1) 承認を受けた実験計画に従って行うこと。 (2) 実験開始前及び実験中において,実験に用いられる核酸供与体,宿主,ベク ター等が,常に法令で定める生物学的封じ込めの条件を満たすものであること を厳重に確認すること。 (3) 法令の定めるところにより,実験の安全度評価に応じて,拡散防止措置及び 生物学的封じ込めの方法を適切に組み合せて実施すること。 (4) 法令の定めるところにより,拡散防止措置の区分に応じたそれぞれの拡散防 止措置の内容を遵守すること。 第5章 実験計画の承認手続 (実験の承認申請手続) 第9条 実験責任者は,法令の定めるところにより,文部科学大臣の確認又は学長 の承認を必要とする実験を実施しようとするときは,実験責任者が所属する部局 の長(以下「所属部局の長」という。)を経て,あらかじめ実験計画を学長に申 請しなければならない。承認を受けた実験計画の変更についても同様とする。 2 学長は,前項の規定による申請があったときは,環境安全委員会に諮り,その 審査を経て,実験計画を承認するか否かの決定を行うものとする。ただし,法令 の定めるところにより,文部科学大臣の確認を必要とする実験については,学長 は,あらかじめ文部科学大臣の確認を受けるものとする。 3 学長は,前項の規定による決定を行ったときは,所属部局の長を経て,当該実 験責任者に通知するものとする。 (審査基準) 第10条 前条第2項に規定する環境安全委員会の審査は,実験の目的・内容,施 設・設備,実験従事者の資格その他の実験の安全確保に関する事項が,法令に定 める基準に適合しているか否かについて行う。 第6章 施設・設備の管理及び保全等 (施設・設備の管理及び保全) 第11条 実験責任者は,施設・設備の定期点検その他の管理及び保全を法令の定 めるところにより実施し,異常を認めたときは,直ちに必要な措置を講ずるとと もに,所属部局の長を経て,学長に報告しなければならない。 (標識) 第12条 実験責任者は,拡散防止措置の区分に応じて,次の表に定めるところに より,実験に係る標識を掲示しなければならない。
拡散防止措置の区分 |
掲示しなければならない標識 |
表示場所 |
P2レベル | 実験が進行中の場合には,「P2レベル実験中」と表示した標識 |
実験室の入口 保管設備 |
P3レベル | 実験が進行中の場合には,「P3レベル実験中」と表示した標識 |
実験室の入口 保管設備 |
LSCレベル | 実験が進行中の場合には,「LSCレベル大量培養実験中」と表示した標識 | 実験区域 |
LS1レベル | 実験が進行中の場合には,「LS1レベル大量培養実験中」と表示した標識 |
実験区域 保管設備 |
LS2レベル | 実験が進行中の場合には,「LS2レベル大量培養実験中」と表示した標識 |
実験区域 保管設備 |
P2Aレベル | 実験が進行中の場合には,「組換え動物等飼育中(P2)」と表示した標識 | 実験室の入口 |
P3Aレベル | 実験が進行中の場合には,「組換え動物等飼育中(P3)」と表示した標識 | 実験室の入口 |
P2Pレベル | 実験が進行中の場合には,「組換え植物等栽培中(P2)」と表示した標識 | 実験室の入口 |
P3レベル | 実験が進行中の場合には,「組換え植物等栽培中(P3)」と表示した標識 | 実験室の入口 |
(実験施設への立入り) 第13条 実験責任者は,拡散防止措置の区分に応じて,法令の定めるところによ り,実験施設への実験従事者以外の者の立入りについて制限又は禁止の措置を講 じなければならない。 2 実験責任者は,実験(P1レベルを除く。)が実施された場合は,実験室等へ 出入した者の氏名,出入の目的その他必要と認める事項を記録しなければならな い。 (遺伝子組換え生物等の保管,運搬及び記録) 第14条 遺伝子組換え生物等は,「遺伝子組換え生物等」であることを明示し, その遺伝子組換え生物等を用いる実験に関して定められた拡散防止措置の区分の 条件を満たす実験室,実験区域又は保管設備に完全に保管し,遺伝子組換え生物 等を保管する冷凍庫,冷蔵庫等には,遺伝子組換え生物等を保管中である旨の表 示をしなければならない。 2 P2レベル以下の拡散防止措置を必要とする遺伝子組換え生物等を実験室の外 に運搬する場合には,堅固で漏出,逃亡その他拡散しない構造の容器に入れ,実 験室で密閉してから搬出しなければならない。 3 P3レベル以上の拡散防止措置を必要とする遺伝子組換え生物等を実験室又は 実験区域の外に搬出する場合には,堅固で漏出,逃亡その他拡散しないよう二重 に容器に入れて実験室で密閉し,万一容器が破損しても内容物が漏出しないよう にするとともに,容器又は包装物の表面の見やすいところに「取扱注意」の朱文 字を明記しなければならない。 4 実験責任者は,法令の定めるところにより,遺伝子組換え生物等の保管及び運 搬について記録しなければならない。ただし,P2レベル以下の拡散防止措置を 必要とする遺伝子組換え生物等の保管及び運搬の記録は,実験記録をもって代え ることができる。 第7章 教育訓練及び健康管理 (教育訓練) 第15条 第7条第3項第3号の規定により,実験責任者が実験従事者に行う教育 訓練は,次に掲げる事項について実施するものとする。 (1) 危険度に応じた微生物安全取扱い技術 (2) 拡散防止措置に関する知識及び技術 (3) 生物学的封じ込めに関する知識及び技術 (4) 実施しようとする実験の危険度に関する知識 (5) 事故発生の場合の措置に関する知識(大量培養実験においては,遺伝子組換 え生物等を含む培養液が漏出した場合における化学的処理による殺菌等の措置 に対する配慮を含む。) 2 実験責任者は,前項の教育訓練の計画及び実施に関して,安全主任者の協力を 求めることができる。 (健康管理) 第16条 学長は,実験従事者の健康管理について,次に掲げる措置を講じなけれ ばならない。 (1) 実験従事者に対し,実験の開始前及び開始後1年を超えない期間ごとに,健 康診断を行うこと。ただし,この健康診断は,国立大学法人東京学芸大学職員 安全衛生管理規則(平成16年規則第16号。次号及び第3号において「安全衛生 規則」という。)第18条第1項第1号に規定する健康診断をもって代えること ができる。 (2) 実験従事者が人に対する病原微生物を取り扱う場合には,実験開始前に予防 治療の方策についてあらかじめ検討し,必要に応じ,抗生物質,ワクチン,血 清等を準備するとともに,実験開始後6月を超えない期間ごとに,安全衛生規 則第18条第1項第3号に規定する健康診断を行うこと。 (3) 実験室内又は大量培養実験区域内における感染が疑われる場合には,直ちに 安全衛生規則第18条第2項に規定する健康診断を行い,適切な措置を講ずるこ と。 (4) 健康診断の結果を記録し,第20条に規定する期間保存すること。 (5) その他,この規程に定めのない事項については,労働安全衛生法(昭和47年 法律第57号)等の人の健康の保護を図ることを目的とした法令等を遵守するこ と。 2 所属部局の長は,実験従事者が次の各号の1に該当するとき,又は同様の報告 を受けたときは,直ちに調査するとともに,必要な措置を講じなければならない。 (1) 遺伝子組換え生物等を誤って飲み込んだとき,又は吸い込んだとき。 (2) 遺伝子組換え生物等により皮膚が汚染され,除去できないとき,又は感染を 起こすおそれがあるとき。 (3) 遺伝子組換え生物等により実験室及び実験区域が著しく汚染された場合に, その場に居合わせたとき。 (4) 次項に規定する報告を受けたとき。 3 実験従事者は,絶えず自己の健康について注意するとともに,健康に変調を来 たした場合又は重症若しくは長期にわたる病気にかかった場合には,実験責任者 を経て,所属部局の長に報告しなければならない。また,この事実を知り得た者 も同様とする。 第8章 緊急事態発生時の措置 (通報) 第17条 実験施設において,次の各号の1に掲げる事態を発見した者は,直ちに その旨を実験責任者に通報しなければならない。 (1) 事故,地震,火災その他の災害により,遺伝子組換え生物等によって実験施 設が著しく汚染され,若しくは汚染のおそれがある場合又は遺伝子組換え生物 等が実験施設から漏出し,若しくは漏出するおそれがある場合 (2) 遺伝子組換え生物等によって人体が汚染され,又は汚染されるおそれがある 場合 2 前項の通報を受けた実験責任者は,直ちに応急の措置を講ずるとともに,その 旨を所属部局の長に報告しなければならない。 3 前項の報告を受けた所属部局の長は,直ちに必要な措置を講ずるとともに,事 故又は災害の状況及び講じた措置を学長に報告しなければならない。 (実験の制限,承認の取消等) 第18条 所属部局の長は,実験責任者が法令若しくはこの規程に従わず,若しく は従わないおそれがあると認めた場合又は実験の方法等が安全確保に適切でない と認めた場合は,必要に応じ,その是正の措置をとるよう実験責任者に指示しな ければならない。 2 所属部局の長は,前項の規定により指示した事項が是正されないと認めたとき は,直ちに学長に報告しなければならない。 3 学長は,前項の報告を受けたときは,環境安全委員会に諮り,実験の一時停止 を命じ,又は実験計画の承認を取り消すことができる。 (実験の終了及び中止) 第19条 実験責任者は,実験を終了又は中止したときは,遺伝子組換え実験終了 (中止)報告書を所属部局の長を経て,学長に提出しなければならない。 第9章 記録 (記録・保存) 第20条 次の表の左欄に掲げる者は,同表の中欄に掲げる書類を実験終了後,右 欄に掲げる期間保存するものとする。
左 欄 |
中 欄 |
右 欄 |
学長 |
1 緊急事態発生時の措置に関する書類 2 実験計画の承認に関する書類 3 実験の一時停止の措置及び実験計画承認の取消しに関する書類 4 遺伝子組換え実験終了(中止)報告書 |
実験終了後5年 |
学長 | 健康管理に関する書類 | 実験従事者の離職後5年 |
実験責任者 |
1 遺伝子組換え生物等の保管,運搬等実験の記録に関する書類 2 実験施設への立入者の氏名等に関する書類 3 施設・設備の点検に関する書類 4 教育訓練に関する書類 |
実験終了後5年 |
第10章 雑則 (様式) 第21条 この規程に定める手続きに必要な書類の様式は,環境安全委員会が別に 定める。 (その他) 第22条 法令及びこの規程に定めるもののほか,実験の安全確保に関し必要な事 項は,環境安全委員会の議を経て学長が定める。 附 則 1 この規程は,平成16年10月7日から施行し,平成16年4月1日から適用する。 2 この規程施行の際,現に東京学芸大学組換えDNA実験安全管理規程(平成4 年規程第7号。以下「旧規程」という。)による承認を受けている実験計画は, この規程による承認を受けたものとみなす。 3 旧規程第5条第2項の規定により委嘱されている安全主任者については,第5 条第2項の規定により委嘱されたものとみなし,その任期は,同条第3項の規定 にかかわらず,平成17年3月31日までとする。 4 旧規程第8条第1項第2号から第4号まで及び第7号の規定により委嘱されて いる東京学芸大学組換えDNA実験安全委員会委員については,第8条第1項第 2号から第4号まで及び第7号の規定により安全委員会委員に委嘱されたものと みなし,その任期は,同条第3項の規定にかかわらず,平成17年3月31日までと する。 5 旧規程は,廃止する。 附 則(平23程14)(抄) 平成23年4月1日から適用する。 附 則(平25程25)(抄) 平成25年4月1日から適用する。 附 則(平26程25)(抄) 平成26年4月1日から適用する。 様式(Word形式)