国立大学法人東京学芸大学利益相反マネジメントポリシー
平成24年10月25日 規 程 第 24 号 1 目的 国立大学法人東京学芸大学(以下「本学」という。)は、「高い知識と教養を 備えた創造力と実践力に富む有為の教育者を養成すること」を目的とし、「社会 に開かれた大学として、社会貢献活動や国際交流活動を積極的に推進すること」 を基本的な目標の一つとしている。地域社会、産業界との連携を深め、地域の教 育力の向上や産業の発展に貢献する活動(以下「連携活動等」という。)を進め る上では、本学や本学役員及び教職員(以下「職員等」という。)として求めら れる責務と、企業等との連携の中で発生する利益や責務が相反する状況が不可避 的に生じ得る。このような利益相反・責務相反と呼ばれる状況は、本学の社会的 信頼を損ねるだけでなく、これらの連携活動等それ自体が阻害される恐れがある。 このため、職員等が公正かつ効率的に業務に専念でき、企業等との連携が円滑に 推進できる環境を整備することを目的として、ここに、利益相反の定義、利益相 反マネジメントの基本的な考え方及び利益相反マネジメントの対象等を利益相反 マネジメントポリシーとして定める。 2 利益相反の定義 本学では、利益相反を以下のように定義し利益相反マネジメントの対象とする。 利益相反とは、狭義の利益相反と責務相反を含むものとする。 (1)狭義の利益相反 本学又は職員等が連携活動等に伴って得る利益(実施料収入、兼業報酬、 未公開株式等)と、教育・研究という大学における責任が衝突・相反してい る状況をいう。 @個人としての利益相反 職員等個人が得る利益と職員等個人の本学における責任とが相反している 状態 A大学(組織)としての利益相反 大学組織が得る利益と大学組織の社会的責任が相反している状態 (2)責務相反 職員等が主に兼業活動により企業等に職務遂行責任を負っていて、大学に おける職務遂行の責任と企業等に対する職務遂行責任が両立し得ない状態を いう。 3 利益相反マネジメントの基本的な考え方 (1)教育、研究、社会貢献という大学の果たすべき役割に鑑み、職員等は、 連携活動等を推進する上で、利益相反による弊害の発生を抑制することを 自らの重要な責務として認識する。 (2)本学は、利益相反による弊害の発生を抑制するための利益相反マネジメ ントに取り組む。 (3)本学は、職員等に対し利益相反マネジメントに関する啓発活動を行い、 自らに課せられた責務を自覚させる。 (4)本学は、産業界を含む社会に対し利益相反マネジメントについて理解と 協力を求める。 4 利益相反マネジメントの対象等 (1)対象者 本ポリシーの対象者は、以下の通りである。 @役員及び教職員(非常勤職員を含む。) A本学及び職員等が行う学外との共同研究、受託研究等に参画する本学の学生 等 Bその他本学の利益相反委員会が指定する者 (2)対象の範囲 利益相反の生じる可能性のある行為は、概ね次の場合をいう。 @兼業活動(技術指導を含む)の場合 A職務に関連し、学外から報酬、株式保有等の経済的利益を有する場合 B企業等に職員等自らの発明等を技術移転等する場合 C共同研究や受託研究に参加する場合 D外部から寄附金・設備・物品の供与を受ける場合 E@〜Dの相手方等何らかの便益を供与される者に対して、施設、設備の利用 を提供する場合 F@〜Dの相手方等何らかの便益を供与される者から物品を購入する場合 Gその他連携活動等に関し、社会通念上不相当と思われる何らかの便益を供与 され、又は供与が想定される場合 5 利益相反マネジメントの体制 (1)利益相反委員会の設置 本学における利益相反に関する事項について適切な管理を行うために、本学に 東京学芸大学利益相反委員会(以下「委員会」という。)を置く。委員会に関す ることは別に定める。 (2)その他 その他利益相反マネジメントを行う上で必要な体制について、委員会で審議の 上、必要に応じて設置することができる。 6 利益相反マネジメントの方法 (1)利益相反に関する自己申告 職員等は、必要に応じて委員会に対し自己申告するものとする。自己申告に 関することは委員会が別に定める。 (2)モニタリングの実施 委員会は、個人情報の保護に留意しつつ必要に応じて、自己申告及び職員等 から得られた情報に基づいて利益相反に関する事実調査を行うとともに、利益 相反問題の生じる可能性がある場合は、それらの内容に関して審議する。 (3)研修の実施 委員会は、職員等を対象に利益相反問題への適切な対処に必要な研修を実施 する。 7 学内関係者への啓発の方針 利益相反マネジメントに適切に対処するために、ホームページへ本ポリシーを掲 載するとともに、必要に応じて利益相反問題の事例を公開する等により、職員等へ の周知徹底を図る。 8 利益相反マネジメントポリシーの見直し 国内外の経済情勢の変化、地域社会の変化、産学官連携活動等の変化、社会通念 の変化、法令の改正、本学規則の改正、利益相反事例の蓄積状況等に適切に対応す るために、本ポリシーの見直しを適宜実施する。 9 情報の開示 本学は、本学の利益相反に関する情報について、個人情報の保護に配慮し必要な 範囲で公表することにより、社会に対する説明責任を果たす。