国立大学法人東京学芸大学安全保障輸出管理規程
                                                        平成31年2月28日
                                                        規 程 第 2 号
                                      改正(施行)令2程20(2.5.7)

 (目的)
第1条 この規程は,国立大学法人東京学芸大学(以下「本学」という。)におい
 て,学術研究の健全な発展に配慮しつつ,安全保障輸出管理(以下「輸出管理」
 という。)を適切に実施するために必要な事項を定め,もって国際的な平和及び
 安全の維持に寄与することを目的とする。
 (適用範囲)
第2条 この規程は,本学の役員,教職員その他本学に雇用されるすべての者(以
 下「教職員等」という。)及び学生,研究生等(以下「学生等」という。)が本
 学における教育,研究その他の活動として行うすべての技術の提供及び貨物の輸
 出に適用する。
 (定義)
第3条 この規程における用語の定義は,当該各号に定めるところによる。
 (1) 外為法等 外国為替及び外国貿易法(昭和24年法律第228号。以下「外為法」
  という。)及びこれに基づく輸出管理に関する政令,省令,通達等をいう。
 (2) 技術の提供 外国における技術の提供若しくは外国に向けて行う技術の提供
  又は非居住者(外為法第6条第1項第6号に定める者をいう。)への技術の提
  供若しくは非居住者へ再提供することが明らかな居住者(外為法第6条第1項
  第5号に定める者をいう。)への技術の提供をいう。
 (3) 貨物の輸出 外国に向けて貨物を送付すること(自ら手荷物として海外に持
  ち出す場合を含む。)又は外国へ送付されることが明らかな貨物を国内で送付
  すること。
 (4) 取引 技術の提供又は貨物の輸出をいう。
 (5) リスト規制技術 外国為替令(昭和55年政令第260号。以下「外為令」という
  。)別表の1の項から15の項までに定める技術をいう。
 (6) リスト規制貨物 輸出貿易管理令(昭和24年政令第378号。以下「輸出令」と
  いう。)別表第1の1の項から15の項までに定める貨物をいう。
 (7) キャッチオール規制 外為令別表の16の項に定める技術及び輸出令別表第1
  の16の項に定める貨物が,大量破壊兵器若しくは通常兵器の開発等に用いられ
  るおそれのある場合には,経済産業大臣に許可申請を行うことをいう。 
 (8) 該非判定 提供しようとする技術又は輸出しようとする貨物がリスト規制技
  術又はリスト規制貨物に該当するか否かを判定することをいう。 
 (9) 取引審査 提供しようとする技術又は輸出しようとする貨物の該非判定の内
  容のほか,用途及び需要者(相手先)を確認し,当該取引を行うかを判断する
  ことをいう。
 (10)大量破壊兵器等 核兵器,軍用の化学製剤若しくは細菌製剤,若しくはこれ
  らの散布のための装置,又はこれらを運搬することができるロケット若しくは
  無人航空機をいう。 
 (11)通常兵器 大量破壊兵器等以外の輸出令別表第1の1の項に該当する貨物を
  いう。
 (12)大量破壊兵器等の開発等 大量破壊兵器等の開発,製造,使用又は貯蔵をい
  う。
 (13)通常兵器の開発等 通常兵器の開発,製造又は使用をいう。
 (基本方針)
第4条 本学の輸出管理に関する基本方針は,次のとおりとする。
 (1) 国際的な平和及び安全の維持を妨げることとなる技術の提供及び貨物の輸出
  は,行わないこと。
 (2) 輸出管理を確実に実施するため,輸出管理の責任者を決め,輸出管理体制を
  整備し,その充実を図ること。
 (輸出管理最高責任者)
第5条 本学に,輸出管理最高責任者(以下「最高責任者」という。)を置き,学
 長をもって充てる。
2 最高責任者は,前条の基本方針に基づき,本学の輸出管理に関する重要事項の
 最終的な決定を行う。
 (輸出管理統括責任者)
第6条 本学に,輸出管理に係る業務を統括するため,輸出管理統括責任者(以下
 「統括責任者」という。)を置き,研究を所掌する副学長をもって充てる。
2 統括責任者は,最高責任者の指示に基づき,本学における輸出管理に関する業
 務を統括し,規程の改廃案の作成,運用手続の制定・改廃,該非判定及び取引審
 査の最終的な承認,輸出管理に係る経済産業大臣への許可申請手続,文書管理,
 監査,指導,教育のほか,この規程に定められた業務を行う。
 (輸出管理責任者)
第7条 統括責任者の下に,輸出管理に関する業務を行うため,輸出管理責任者(
 以下「管理責任者」という。)を置き,統括責任者の指名する者をもって充てる。
2 管理責任者は統括責任者を補佐し,事前確認シートの確認,相談窓口のほか,
 この規程に定められた業務を行う。
 (事前確認) 
第8条 教職員等は,取引を行おうとする場合は,別途定める「事前確認シート」
 に基づき,相手先に関する懸念情報及び例外規定(公知の技術,基礎科学分野の
 研究活動における技術)の適用判定等について確認を行い,取引審査の手続の要
 否について,管理責任者の承認を得なければならない。ただし,取引審査を行う
 必要があることが明らかな場合は,「事前確認シート」による事前確認を省略す
 ることができる。
2 前項の事前確認により,取引審査の手続が必要と判断された場合又は取引審査
 を行うことが明らかな場合には,教職員等は第9条(該非判定),第10条(用途
 確認)及び第11条(需要者確認)の起票・確認を行い,第12条の取引審査の手続
 を行わなければならない。
3 第1項の事前確認により取引審査の手続が不要と承認された場合には,教職員
 等は当該取引を行うことができる。
 (該非判定)
第9条 教職員等は,取引審査の手続が必要とされた場合は,当該技術又は貨物が
 リスト規制技術又はリスト規制貨物に該当するかについて該非判定を行い,別途
 定める「該非判定票」を起票するものとする。
2 該非判定は,以下のとおり行う。
 (1) 本学で研究・開発した技術の提供又は貨物の輸出を行おうとする教職員等は,
  必要な技術資料を整備し,最新の外為法等に基づいてリスト規制技術又はリス
  ト規制貨物に該当するかを該非判定する。
 (2) 本学外から入手した技術の提供又は貨物の輸出を行おうとする教職員等は,
  入手先から該非判定書等を入手し,前号同様,適切に該非判定を行う。ただし,
  入手先から該非判定書等を入手しなくても本学として前号の  手続により該
  非判定できる場合には,入手先から該非判定書等の入手を省略しても良い。
 (用途確認)
第10条 教職員等は,取引審査の手続が必要とされた場合は,当該技術又は貨物
 の用途について,大量破壊兵器等又は通常兵器の開発等に用いられるおそれがな
 いかを,別途定める「「用途」チェックシート」及び「明らかガイドラインシー
 ト」を用いて確認するものとする。
 (需要者確認)
第11条 教職員等は,取引審査の手続が必要とされた場合は,当該技術又は貨物
 の需要者について以下の項目に該当するかを,別途定める「「需要者」チェック
 シート」を用いて確認するものとする。
 (1) 提供ルート内関係者の存在・身元に不審な点がある。
 (2) 経済産業省作成の「外国ユーザーリスト」に掲載されている。
 (3) 大量破壊兵器等又は通常兵器の開発等を行う又は行ったことが入手した資料
  等に記載されている又はその情報がある。
 (4) 軍若しくは軍関係機関又はこれらに類する機関,又はこれらの所属者である。
 (取引審査)
第12条 教職員等は,取引審査の手続が必要とされた場合は,リスト規制及びキ
 ャッチオール規制の観点から別途定める「審査票」を起票して管理責任者による
 一次審査及び統括責任者による二次審査を受けなければならない。
2 「審査票」には,仕向地,技術・貨物の名称,需要者,用途等を記載し,第9
 条から第11条の規定により起票した書類その他審査に必要な書類を添付するもの
 とする。
3 統括責任者は,取引審査結果を教職員等に通知するものとする。
 (許可の申請等)
第13条 前条第1項の審査により承認を受けた教職員は,当該取引を行うことが
 できる。
2 前条第1項における審査の結果,外為法等に基づく経済産業大臣の許可を受け
 なければならない場合,統括責任者は,経済産業大臣に対して許可申請を行うも
 のとする。
3 取引を行おうとしている教職員等は,外為法等に基づく許可が必要な取引につ
 いては,経済産業大臣の許可を取得しない限り行ってはならない。
 (技術の提供管理)
第14条 教職員等は,技術を提供する場合,第8条の事前確認及び第12条の取引
 審査の手続が行われたこと,並びに外為法等に基づく許可を受けなければならな
 い取引の場合には,経済産業大臣の許可が取得されていることを確認しなければ
 ならない。ただし,第8条第1項の事前確認により取引審査の手続が不要と承認
 された場合には,第12条の取引審査の手続の確認は要さない。
2 教職員等は,前項の確認ができない場合は,当該技術の提供を行ってはならな
 い。
 (貨物の輸出管理)
第15条 教職員等は,貨物を輸出する場合,第8条の事前確認及び第12条の取引
 審査の手続が行われたこと,並びに貨物が出荷書類の記載内容と同一のものであ
 ることを確認し,また,外為法等の許可が必要な貨物の輸出の場合には,経済産
 業大臣の許可が取得されていることを確認しなければならない。ただし,第8条
 第1項の事前確認により取引審査の手続が不要と承認された場合には,第12条の
 取引審査の手続の確認は要さない。
2 教職員等は,前項の確認ができない場合は,当該貨物の輸出を行ってはならな
 い。
3 教職員等は,貨物の輸出に係る通関手続において事故が発生したときは,直ち
 に当該輸出の手続を取り止め,管理責任者にその旨を報告しなければならない。
4 管理責任者は,前項の報告があったときは,統括責任者と協議の上,適切な措
 置を講ずるものとする。
 (学生等が取引をする場合の取扱い)
第16条 教職員等は,当該教職員等が主として教育・研究指導を行う学生等が取
 引を行おうとする場合は,この規程に定める手続を行わなければならない。
 (監査)
第17条 管理責任者は,統括責任者の指示の下,本学の輸出管理がこの規程に基
 づき適正に実施されていることを確認するため,監査を定期的に行うものとする。
 (教育)
第18条 管理責任者は,統括責任者の指示の下,外為法等及びこの規程の遵守の
 重要性を理解させ,確実な実施を図るため,教職員等に対し,輸出管理に係る教
 育を計画的に実施する。
 (関連書類の管理)
第19条 輸出管理に係る文書又は電磁的記録媒体を,取引が行われた日の属する
 年度の翌年度の初日から起算して,7年間保管するものとする。
 (報告)
第20条 教職員等は,外為法等又はこの規程に違反する又は違反のおそれがある
 事実を知った場合は,その旨を管理責任者に速やかに通報しなければならない。
2 管理責任者は,前項の通報があった場合,直ちに統括責任者に報告するととも
 に,当該報告の内容を調査し,その結果を統括責任者に報告しなければならない。
3 統括責任者は,前項の報告により,外為法等に違反している事実が明らかにな
 ったとき又は違反したおそれのあることが判明したときには,最高責任者に報告
 するとともに,関係部署に対応措置を指示するとともに,遅滞なく関係行政機関
 に報告する。また,最高責任者は,その再発防止のために必要な措置を講じる。
 (懲戒)
第21条 教職員が故意又は重大な過失により外為法等及びこの規程に違反した場
 合には,国立大学法人東京学芸大学職員就業規則(平成16年規則第5号)に基づ
 き懲戒処分の対象とする。
 (庶務)
第22条 本学における輸出管理に関する庶務は,関係部署の協力を得て,財務・
 研究推進部研究・連携推進課が処理する。
 (規程の改廃)
第23条 この規程の改廃は,教育研究評議会の議を経て学長が定める。
 (雑則)
第24条 この規程に定めるもののほか,本学における輸出管理に関し必要な事項
 は,別に定める。

   附 則
 この規程は,平成31年4月1日から施行する。

   附 則(令2程20)(抄)
 令和2年4月1日から適用する。