東京学芸大学放射線障害予防規程

                             平成31年3月14日
                             規 程 第 9 号
   第1章 総則
 (目的)
第1条 この規程は,放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(昭
 和32年法律第167号。以下「法」という。)及び関連法令に基づき,東京学芸大
 学(以下「本学」という。)における放射性同位元素及び放射性同位元素によっ
 て汚染されたもの(以下「放射性同位元素等」という。)並びに放射線装置の取
 扱い等及び管理に関する事項について定めることにより,放射線による障害の防
 止を図り,公共の安全を確保することを目的とする。
 (適用範囲)
第2条 この規程は東京学芸大学放射性同位元素総合実験施設(以下「RI実験施
 設」という。)に立ち入る者,放射線業務従事者及び放射線装置使用者に適用す
 る。
 (定義)
第3条 この規程における用語の定義は,次のとおりとする。
 (1)「放射線装置」とは,X線を発生させる装置及びX線等放射線の発生を伴う実
  験・測定装置をいう。
 (2)「業務従事者」とは,第19条第2項の規定により放射線業務従事者として名
  簿に登録されている者をいう。
 (3)「一時立入者」とは,業務従事者以外の者で一時的に管理区域に立ち入る者を
  いう。
 (4)「部局長」とは,業務従事者が所属する学系及びセンターの長をいう。
 (5)「施設長」とは,RI実験施設長をいう。
 (他の規程等との関連)
第4条 放射性同位元素等及び放射線発生装置の取扱いに係る保安については,こ
 の規程に定めるもののほか,次に掲げる規程等の定めるところによる。
 (1) 東京学芸大学放射性同位元素総合実験施設規程
 (2) 東京学芸大学放射線障害予防規程運用内規
 (3) 東京学芸大学放射性同位元素等取扱要領
 (4) 放射性同位元素等の受入・払出に係る手続き
 (使用の場所)
第5条 法第3条の規定により許可を受けた放射性同位元素等は,RI実験施設の
 指定された管理区域内において使用しなければならない。
2 下限数量以下の放射性同位元素等は管理区域外では取り扱わない。ただし,機
 器較正用の線源に限ってはこの限りではない。
3 放射線装置は,放射線装置を設置する部局長が指定する場所に設置して使用し
 なければならない。
 (遵守等の義務)
第6条 業務従事者及び一時立入者は,施設長及び第12条第1項に規定する放射
 線取扱主任者(以下「取扱主任者」という。)が放射線障害防止のために行う指
 示を遵守し,その指示に従わなければならない。
2 施設長は,取扱主任者の法に基づき行う意見の具申を尊重しなければならない。
3 施設長は,東京学芸大学環境安全委員会(以下「環境安全委員会」という。)
 がこの規程に基づき行う答申または意見の具申を尊重しなければならない。
4 放射線装置使用者は,第20条に規定する放射線装置使用責任者が放射線障害
 防止のために行う指示を遵守し,その指示に従わなければならない。

   第2章 組織及び職務
 (管理組織図)
第7条 本学における放射線障害の防止に係る管理組織は,別図1のとおりとする。
(学長の任務)
第8条 学長は,本学における放射線障害の防止の業務を統括する。
2 学長は,環境安全委員会及び取扱主任者から意見の具申があったときは,必要
 な措置を講ずるものとする。
3 学長は,RI実験施設を新設又は改廃しようとするときは,あらかじめ,施設
 長,取扱主任者及び環境安全委員会の意見を聴かなければならない。
 (部局長の任務)
第9条 部局長は,当該部局が有する使用施設等における放射線障害の防止及び安
 全の確保に関し総括する。
2 部局長は,取扱主任者の意見を尊重し,当該部局における放射線障害の防止及
 び安全の確保に関する責務を負う。
3 部局長は,取扱主任者から意見の具申があったときは,必要な措置を講ずるも
 のとする。
 (環境安全委員会)
第10条 放射線障害の防止について必要な事項は,環境安全委員会において審議
 する。
 (RI実験施設運営委員会)
第11条 RI実験施設の管理運営に関しては,東京学芸大学放射性同位元素総合
 実験施設規程(昭和59年規定第4号)第4条に規定するRI実験施設運営委員会
 で審議する。
 (取扱主任者等)
第12条 放射性同位元素等による放射線障害の防止について,総括的な監督を行
 わせるため,RI実験施設に取扱主任者を1名以上置く。
2 取扱主任者は,法に規定する放射線取扱主任者免状を有する者のうちから,学
 長が選任する。
3 取扱主任者はRI実験施設における放射線障害の防止に関し,次の事項につい
 ての指導監督を行う他,学長,部局長,及び施設長への意見の具申を行う。
 (1) 放射線障害防止に関する規程等の制定及び改廃への参画
 (2) 放射線障害防止上重要な計画作成への参画
 (3) 教育訓練の計画等に対する指導及び指示
 (4) 地震等の災害時における措置
 (5) 危険時の措置
 (6) 法令に基づく申請,届出,報告の審査
 (7) 立入検査等の立会い
 (8) 異常及び事故の原因調査
 (9) 放射性同位元素等の使用状況等及びRI実験施設,帳簿,書類等の確認・審
  査
 (10)業務従事者への監督・指導
 (11)関係者への助言,勧告及び指示
 (12)環境安全委員会の開催の要求
 (13)廃止措置中に関する必要な事項
 (14)その他放射線障害防止に関する必要な事項
4 取扱主任者の職務を補佐させるため,放射線取扱副主任者(以下「取扱副主任
 者」という。)を若干名置く。
5 取扱副主任者は,第2項の放射線取扱主任者免状を有する者のうちから,学長
 が選任する。
6 学長は,取扱主任者及び取扱副主任者に,法第36条の2に規定する期間毎に
 ,定期講習を受講させなければならない。
7 取扱主任者が,出張,疾病その他の事故によりその職務を行うことができない
 場合,取扱副主任者のうちから,学長が取扱主任者の代理者を選任し,その職務
 を代行させるものとする。
 (施設長の職務)
第13条 施設長は,RI実験施設における放射線障害の防止及び安全確保に関す
 る業務を統括する。
2 施設長は,放射線障害の防止及び安全確保に関し,取扱主任者の意見を尊重し
 なければならない。
 (安全管理責任者)
第14条 RI実験施設に,安全管理責任者を置く。
2 安全管理責任者は放射線管理に関する業務を総括する。
3 安全管理責任者は施設長が任命する。
4 安全管理責任者は施設長が兼務することができる。
 (安全管理担当者)
第15条 放射線管理業務を行うため,安全管理担当者を置く。
2 安全管理担当者は安全管理責任者が任命する。
3 安全管理担当者は,施設長,取扱主任者及び安全管理責任者との連携を密にし
 ,次の業務を行う。 
 (1) 管理区域に立ち入る者の入退域,放射線被ばく,及び放射性汚染の管理
 (2) 管理区域内外に係る放射線の量及び放射性同位元素等による汚染の状況の測
  定
 (3) 放射線測定機器の保守管理
 (4) 放射性同位元素等の受入れ,払出し,使用,保管,運搬及び廃棄に関する管
  理
 (5) 放射線作業の安全に係る技術的事項に関する業務
 (6) 業務従事者に対する教育及び訓練計画の立案及びその実施
 (7) 業務従事者に対する健康診断計画の立案及びその実施
 (8) 放射性廃棄物の保管管理及びそれらの処理に関する業務
 (9) 上記(1)〜(8)に関する記帳の管理
 (10)その他放射線障害防止に必要な業務
4 前項の業務及びこれらに係る改善措置は,必要に応じ,外部業者に請け負わせ
 ることができる。
5 安全管理担当者は安全管理責任者が兼務することができる。
 (施設管理責任者)
第16条 RI実験施設に施設管理責任者を置く。
2 施設管理責任者はRI実験施設の維持及び管理を総括する。
3 施設管理責任者は施設長が任命する。
4 施設管理責任者は施設長が兼務することができる。
 (施設管理担当者)
第17条 施設管理業務を行うため施設管理担当者を置く。
2 施設管理担当者は施設管理責任者が任命する。
3 施設管理担当者は,施設長,取扱主任者及び施設管理責任者との連携を密にし
 ,次に掲げる業務を行う。
 (1) 排水設備の運転
 (2) 排気設備の運転
 (3) 空調設備の運転
 (4) 高圧ガス設備及び危険物の保守管理
 (5) その他施設・設備の維持及び管理に必要な業務
4 施設管理担当者は施設管理責任者が兼務することができる。
 (取扱責任者)
第18条 RI実験施設を利用する業務従事者が所属する研究室ごとに取扱責任者
 を置く。取扱責任者は,放射性同位元素等の安全な取扱いについての知識及び技
 能に習熟し,施設の利用資格を有する者でなければならない。
2 取扱責任者は,施設長,取扱主任者,及び安全管理責任者と協力し,次に掲げ
 る業務を行う。
 (1) 放射性同位元素等あるいは放射線装置の取扱いについて業務従事者に適切な指
  示を行う。
 (2) 放射性同位元素等の使用,保管,運搬,廃棄,及び記帳等に関して業務従事者
  の監督・指導を行う。
 (業務従事者の登録)
第19条 放射性同位元素等の取扱い,管理又はこれに付随する業務に従事する者
 で管理区域に立ち入る者は,あらかじめ,学長に登録の申請をし,第39条に規
 定する健康診断を受けなければならない。
2 学長は,前項の健康診断において可とされ,かつ,第38条に規定する教育及
 び訓練を受けた者について審査し,放射性同位元素等を取り扱うことのできる者
 を業務従事者として認定し,名簿に登録する。
3 前項の登録は,年度ごとに行うものとする。
4 登録の更新をしようとする者は,学長に登録更新の申請をし,許可を得るもの
 とする。
 (放射線装置使用責任者)
第20条 放射線装置による放射線障害の防止について必要な措置を講じさせ,及
 び次条に規定する放射線装置使用者に対する指導監督を行わせるため,放射線装
 置ごとに放射線装置の使用責任者(以下「放射線装置使用責任者」という。)を
 置き,放射線装置を設置する部局長が指名する。
 (放射線装置使用者の登録)
第21条 放射線装置の取扱い,管理又はこれに付随する業務に従事する者で管理
 区域に立ち入る者(診療X線技師及び診療放射線技師を除く。)は,あらかじめ
 ,当該放射線装置使用責任者の許可を得て,学長に登録の申請をしなければなら
 ない。
2 学長は,前項の申請をした者について審査し,放射線装置を使用することがで
 きる者を放射線装置使用者として認定し,名簿に登録する。
3 前項の登録手続等については,第19条の規定を準用する。
(登録の取消し)
第22条 学長は,相応の理由があると認められるときは,第19条及び第21条
 の登録を取り消すことができる。
 (業務従事者・放射線装置使用者の義務)
第23条 業務従事者及び放射線装置使用者は,法令,この規程及び関係規程等を
 遵守するとともに,それぞれ施設長及び放射線装置使用責任者の指示に従わなけ
 ればならない。

   第3章 放射線施設の維持及び管理
 (管理区域)
第24条 施設長は,放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行
 規則(昭和35年総理府令第56号。以下「施行規則」という。)第1条第1号に規
 定する場所を含み放射線障害のおそれのある場所を管理区域として指定する。
2 安全管理責任者は,放射性同位元素等及び放射線装置による放射線障害のおそ
 れのある場所に,管理区域を標識等により明示しなければならない。
3 安全管理責任者は,管理区域の入口及び貯蔵室等の目につきやすい場所に取扱
 いに係る注意事項を掲示し,管理区域に立ち入る者に遵守させなければならない。
4 安全管理責任者は,次に掲げる者以外の者を管理区域に立ち入らせてはならな
 い。
 (1) 業務従事者として登録した者
 (2) 一時立入者として取扱主任者が認めた者
 (管理区域に関する遵守事項)
第25条 管理区域に立ち入る者は,東京学芸大学放射性同位元素等取扱要領(以
 下「放射性同位元素等取扱要領」という。)第3項に規定する事項を遵守しなけ
 ればならない。
 (廃止措置)
第26条 許可の取消し,使用の廃止等の際は,施行規則第26条及び次の各号に掲
 げる事項について措置しなければならない。
 (1) 廃止措置が完了するまでの間,放射性同位元素等を保管している者は,廃止
  前の帳簿とは分けて,別途,廃棄に係る記帳を行うものとする。
 (2) 廃止する施設長は廃止措置中の施設の放射線量の測定を行うものとする。
 (3) 取扱主任者の資格を有する者等による廃止措置の監督を行うものとする。
 (4) 学長は,廃止措置を報告する際に,放射性同位元素等の全てを他者に譲渡,
  廃棄し,放射性同位元素による汚染を除去する措置を適切に行ったことを証明
  する書類等を添付するものとする。
 (点検及び検査)
第27条 施設長は,RI実験施設について,次の各号に掲げる事項により点検を
 行わなければならない。
 (1)東京学芸大学放射線障害予防規程運用内規に定めるところにより,年2回以
  上定期的に施設点検を行う。
 (2) 前項のほか,施設長が必要であると認めたときは,直ちに点検を行うものと
  する。
 (3) 点検の結果については,記録の上,これを保存しなければならない。
2 放射線装置使用責任者は,放射線装置について,次の各号に揚げる事項により
 検査を行わなければならない。
 (1) 年1回以上定期的に検査を行う。
 (2) 前項のほか,放射線装置使用責任者が必要であると認めたときは,直ちに検
  査を行うものとする。
 (3) 検査の結果については,記録の上,これを保存しなければならない。
3 施設長又は放射線装置使用責任者は,点検及び検査により,異常が認められた
 ときは,直ちにその状況及び原因を調査し,修理等必要な措置を講ずるとともに,
 取扱主任者に報告しなければならない。
4 施設長,放射線装置使用責任者及び取扱主任者は,RI実験施設の点検及び検
 査の結果,その異常がRI実験施設等の保安に重大な影響があると認めるときは,
 部局長及び学長に報告しなければならない。
 (修理,改造,除染等)
第28条 施設管理責任者及び安全管理責任者は,それぞれ所管する設備,機器等
 について,修理,改造,除染等を行うときは,その実施計画を作成し,取扱主任
 者及び施設長の承認を受けなければならない。ただし,保安上特に影響が軽微と
 認められるものについてはこの限りではない。
2 施設長は,前項の承認にあたって,必要があると認めるときは,その安全性,
 安全対策等につき環境安全委員会に諮問するものとする。
3 施設管理責任者及び安全管理責任者は,第1項の修理,改造,除染等を終えた
 ときは,その結果について施設長に報告しなければならない。
4 施設長は,前項の報告を受けたときは取扱主任者及び部局長に報告しなければ
 ならない。ただし,保安上特に影響が軽微と認められるものについてはこの限り
 ではない。

   第4章 受入れ及び使用
 (受入れ)
第29条 放射性同位元素等の受入れについては,相手方より購入と譲受けにより
 行い,取扱主任者の承認を受けるものとする。
2 放射性同位元素等の受入れに係る手続きについては,放射性同位元素等の受入
 ・払出に係る手続きの定めるところによる。
 (使用)
第30条 放射性同位元素等又は放射線装置を使用する場合は,施行規則第15条に
 定める基準に従い,かつ,放射線同位元素等取扱要領に規定する事項を厳守する
 とともに,施設長又は放射線装置使用責任者の指示に従わなければならない。
2 放射性同位元素等を使用する場合は,取扱主任者の指示に従うとともに,放射
 性同位元素使用記録に,その日時,業務従事者の氏名,放射性同位元素等の種類
 ,汚染状況及びその他必要な事項を記録するものとする。
3 放射線装置を使用する場合は,放射線装置使用責任者の指示に従うとともに,
 放射線装置使用記録あるいは実験ノートに,その日時,業務従事者の氏名,動作
 条件及びその他必要な事項を記録するものとする。

   第5章 保管,運搬及び廃棄
 (保管)
第31条 放射性同位元素等を保管する場合は,次の各号に掲げる事項を厳守する
 とともに,施設長の指示に従わなければならない。
 (1) 所定の容器に格納し,貯蔵庫に保管すること。
 (2) 貯蔵室又は貯蔵箱にはその貯蔵能力を超えて放射性同位元素等を保管しない
  こと。
 (3) 気化又は飛散しやすい放射性同位元素等は,貯蔵室内の空気及び物品等を汚
  染しないよう気密容器に封入するなどの処置をすること。
 (4) 放射性同位元素等の使用を終了したときは,速やかに所定の貯蔵室に戻すこ
  と。
 (5) 放射性同位元素等を貯蔵室に搬入し,又は貯蔵室から搬出するときは,放射
  性同位元素等搬出・搬入記録に,その日時,業務従事者の氏名,放射性同位
  元素等の種類及びその他必要な事項を記録すること。
 (6) 安全管理責任者は、貯蔵室の目につきやすい場所に,放射線障害の防止に必
  要な注意事項を掲示すること。
 (運搬)
第32条 放射性同位元素等を管理区域内で運搬する場合は,次の各号に掲げる事
 項を厳守するとともに,取扱主任者の指示に従わなければならない。
 (1) 運搬用の容器に入れるとともに,受皿等を使用し,容器,運搬器具等の表面
  に汚染がないことを確認すること。
 (2) 運搬中は,容器の転倒,転落等のないようにすること。管理区域において放
  射性同位元素等を運搬しようとするときは,取扱主任者の指示に従い,危険物
  との混載禁止,転倒,転落等の防止,汚染の拡大防止,被ばくの防止,その他
  保安上必要な措置を講じること。
2 放射性同位元素等を管理区域外において運搬する場合は,放射性同位元素等取
 扱要領に規定する事項を遵守し,取扱主任者の指示に従うとともに,放射性同位
 元素等運搬記録に,その日時,運搬方法,業務従事者の氏名,荷送人の氏名等及
 びその他必要な事項を記録するものとする。
 (払出し)
第33条 放射線同位元素等の払出しについては,譲渡のみとし,取扱主任者の承
 認を受けるものとする。
2 放射性同位元素等の払出しに係る手続きについては,放射性同位元素等の受入
 ・払出に係る手続きの定めるところによる。
 (廃棄)
第34条 放射性同位元素等を廃棄する場合は,次の各号に掲げる事項を厳守する
 とともに,施設長の指示に従わなければならない。
 (1) 原則として,固体又は液体として廃棄すること。
 (2) 排水設備で廃棄することのできるものは,器物等の洗浄により生じたもので
  ,排水口における排水中の放射性同位元素等の濃度が,許容濃度以下のもので
  あること。
 (3) 廃棄業者に引き渡すことのできるものは,所定の容器に詰め替えて廃棄物貯
  蔵室に保管し,適宜,引き渡すこと。
 (4) 廃棄物貯蔵室に保管する廃棄物は,所定の容器に封入し,その表面に,内容
  物,放射性同位元素等の種類,数量,廃棄年月日,業務従事者名等を明示し,
  放射性同位元素等廃棄記録に必要な事項を記録すること。
 (5) 水素3,炭素14,硫黄35,リン32又はカルシウム45を含む液体シンチレータ
  ー廃液及び法令に基づき行われるモニタリングの際に生じる液体シンチレータ
  ー廃液(以下「液体シンチレーター廃液等」という。)は,第3号による処理
  又は放射性有機廃液焼却炉(以下「焼却施設」という。)により焼却すること
  とし,焼却する場合における濃度は,それぞれ次のア又はイに掲げる基準を満
  たしたものでなければならない。
 ア 水素3,炭素14又は硫黄35を含む液体シンチレーター廃液等については,そ
  の液中の放射性同位元素の濃度を1立方センチメートル当たり37ベクレル以下
  とすること。
 イ リン32又はカルシウム45を含む液体シンチレーター廃液等については,その
  液中の放射性同位元素の濃度を1立方センチメートル当たり 3.7ベクレル以下
  とすること。
 (6) 前号の規定にかかわらず,焼却施設は当面使用しない。

   第6章 測定
 (場所の測定)
第35条 施設長は,放射線障害の発生するおそれのある場所について,作業を開
 始する前に1回及び作業を開始した後にあっては,1月を超えない期間ごとに1
 回,放射線の量及び放射性同位元素等による汚染の状況を測定しなければならな
 い。
2 排気口又は排水口にあっては,排気又は排水のつど放射性同位元素等による汚
 染の状況を測定しなければならない。
3 安全管理担当者は,前2項の結果を測定記録簿に記録し,これを5年間保存し
 なければならない。
4 空気中の放射性物質の濃度の測定は,1月を超えない期間ごとに行い,その結
 果を記録し,これを5年間保存しなければならない。
 (業務従事者の測定)
第36条 学長は,業務従事者に対して,放射線障害の発生するおそれのある場所
 に立ち入っている間継続して適切な放射線測定器を着用させ,次の各号に従い,
 その者の受けた個人被ばく線量を測定しなければならない。
 (1) 放射線の量の測定は,外部被ばくによる線量について行うこと。
 (2) 測定は,胸部(女子(妊娠の可能性のない者を除く。)にあっては腹部)に
  ついて1センチメートル線量当量及び70マイクロメートル線量当量について行
  うこと。
 (3) 前号のほか,体幹部のうち外部被ばくが最大となるおそれのある部分が,胸
  部及び上腕部(女子(妊娠の可能性のない者を除く。)にあっては腹部及び大
  たい部)から成る部分以外の部分である場合は,当該部分についても行うこと。
 (4) 第2号及び第3号のほか,手,指等の末端部の外部被ばくが最大となるおそ
  れのある場合には,その部位についても行うこと。
 (5) 管理区域内での呼吸による内部被ばくを見積もるための測定を行うこと。
 (6) 放射性同位元素等を誤って摂取した場合又はそのおそれのある場合は,内部
  被ばくについても測定を行うこと。
2 前項の測定の結果については,4月1日,7月1日,10月1日及び1月1日を
 始期とする3月間(女子にあっては,毎月1日を始期とする1月間)及び4月1
 日を始期とする1年間について集計し,記録しなければならない。
3 前項に規定する測定の結果の集計は,次の項目について記録すること。
 (1) 測定対象者の氏名
 (2) 測定者の氏名
 (3) 放射線測定器の種類及び形式
 (4) 測定日時
 (5) 測定方法
 (6) 測定部位及び測定結果
4 前項に規定する測定の結果の集計から,実効線量及び等価線量を4月1日,7
 月1日,10月1日及び1月1日を始期とする3月間(女子にあっては,毎月1日
 を始期とする1月間)及び4月1日を始期とする1年間について算定し,記録し
 なければならない。ただし,4月1日を始期とする1年間において実効線量が20
 mSvを超えた場合は,平成13年4月1日を始期とする5年間ごとに,当該1年間を
 含む5年間の累積実効線量を毎年度集積し,記録すること。但し、管理区域内で
 の呼吸による内部被ばくの見積りは,代表的な業務従事者を想定して行うこと。
5 前項に規定する実効線量及び等価線量は,次の項目について記録すること。
 (1) 算定年月日
 (2) 対象者の氏名
 (3) 算定者の氏名
 (4) 算定対象期間
 (5) 実効線量当量
 (6) 等価線量及び組織名
6 第2項から前項までの測定記録簿は,永久保存とし,その都度対象者に対しそ
 の写しを交付しなければならない。ただし,5年間保存後に,原子力規制委員会
 が指定する機関に引き渡す場合は,この限りではない。
 (放射線装置の測定)
第37条 放射線装置使用責任者は,放射線装置毎に,作業を開始する前に1回及
 び作業を開始した後にあっては,年1回以上定期的に,放射線の量を測定しなけ
 ればならない。
2 前項に規定する測定については,次の項目について測定結果を記録し,放射線
 装置使用責任者が5年間保存するものとする。
 (1) 測定日時
 (2) 測定箇所
 (3) 測定をした者の氏名
 (4) 放射線測定器の種類及び形式
 (5) 測定方法
 (6) 測定結果

   第7章 教育及び訓練
 (教育及び訓練)
第38条 施設長は,管理区域に立ち入る者及び放射性同位元素等又は放射線装置
 の取扱い等の業務に従事する者に対し,管理区域に立ち入る前又は取扱い等の業
 務を開始する前及び管理区域に立ち入った後又は取扱い等の業務を開始した後に
 あっては前回の受講日の属する年度の翌年度の開始日から1年を超えない期間ご
 とに,次の各号に掲げる項目及び時間数の教育及び訓練を行わなければならない。
 (1) 放射線の人体に与える影響                30 分間以上 
 (2) 放射性同位元素等又は放射線発生装置の安全取扱       1 時間以上 
 (3) 放射線障害防止に関する法令及び放射線障害予防規程      30 分間以上
2 前項の教育及び訓練は,放射線障害の防止に関し,十分な知識及び技能を有す
 る取扱主任者又は放射線装置使用責任者が認めた者に対して,あるいは他事業所
 等で前年度の教育訓練の受講歴を文書により確認できる者に対しては,教育訓練
 の受講記録に理由を付し,省略することができる。
3 施設長は,一時立入者に対し,放射線障害の発生を防止するために必要な教育
 を実施しなければならない。
4 施設長は,教育及び訓練の各項目についての時間数を前年度実施の時間数から
 変更する場合は,環境安全委員会の承認を得なければならない。

   第8章 健康診断
 (健康診断)
第39条 学長は,放射性同位元素等及び放射線装置の取扱い,管理又はこれに付
 随する業務に従事する者で管理区域に立ち入る者に対して,健康診断を実施しな
 ければならない。
2 健康診断は,初めて管理区域に立ち入る前及び管理区域に立ち入った後は,6
 月を超えない期間ごとに行うものとする。
3 前項に規定する健康診断は,問診及び検査又は検診とし,それぞれ次に掲げる
 事項とする。
 (1) 問診は,次の事項について行うものとする。
  ア 放射線の被ばく歴の有無
  イ 被ばく歴を有する者については,作業の場所,内容,期間,線量,放射線
   障害
   の有無その他放射線による被ばくの状況
 (2) 検査又は検診は,次に掲げる部位又は項目について行うものとする。
  ア 末しょう血液中の血色素量又はヘマトクリット値,赤血球数,白血球数及
   び白血球百分率
  イ 皮膚
  ウ 眼
  エ その他原子力規制委員会が定める部位及び項目
4 健康診断の結果は,次に掲げる項目を記録しなければならない。
 (1) 実施年月日
 (2) 対象者の氏名
 (3) 健康診断を行った医師名
 (4) 健康診断の結果
 (5) 健康診断の結果に基づいて講じた措置
5 第2項の規定にかかわらず,当該年度の前年度の4月1日を始期とする1年間
 の実効線量が5mSvを超えず,かつ,当該年度の4月1日を始期とする1年間の
 実効線量が5mSvを超えるおそれのない場合で, 産業医が必要でないと認めると
 きは,健康診断を省略することができる。
6 第5項により健康診断を省略する場合であって,その後当該年度の実効線量が
 5mSvを超えた場合は,遅滞なくその者に対して健康診断を実施するものとする。
7 第2項から第6項までの規定にかかわらず,放射性同位元素等の摂取,表面密
 度限度を超える皮膚及び皮膚の創傷面が汚染,実効線量限度又は等価線量限度を
 超える被ばく等が認められた者又は取扱主任者が必要と認めた者に対し,学長に
 より遅滞なく健康診断を行わなければならない。
8 前項までの健康診断の記録は,取扱主任者が点検し,学生の記録については保
 健管理センターに,職員の記録については人事課において保管するものとし,そ
 の都度対象者に対しその写しを交付しなければならない。
9 前項の健康診断の記録は,永久保存とする。ただし,5年間保存後に,原子力
 規制委員会が指定する機関に引き渡す場合は,この限りではない。
 (放射線障害を受けた者等に対する措置)
第40条 部局長は,放射性同位元素等及び放射線装置の取扱い,管理又はこれに
 付随する業務に従事する者が放射線障害を受け又は受けたおそれのある場合には,
 産業医及び取扱主任者の意見に基づき,取扱時間の短縮及び取扱いの制限等の措
 置を講ずるとともに,産業医による必要な保健指導を行うものとする。

   第9章 記帳
 (記帳)
第41条 施設長は,受入れ,払出し,使用,保管,運搬,廃棄,施設の点検並び
 に教育及び訓練に関し,施行規則第24条第1項第1号に規定する事項及び放射線
 業務に従事した職員の作業内容等を記載した帳簿を備え,業務従事者等に対して
 所定の事項を正確に記入させなければならない。
2 放射性同位元素等の記帳に関しては種類及び数量を記録するものとする。
3 事業所の外における運搬の記帳については,荷受人又は荷送人氏名又は名称,
 運搬に従事する者の氏名又は運搬の委託先の氏名若しくは名称を記録するものと
 する。
 (廃止措置中の記録等)
第42条 廃止措置中の放射線量の測定及び記録は,取扱主任者による監督の下,
 次の各号に掲げる事項について行う。
 (1) 事業所境界等における放射線量及び作業室等における汚染の状況
 (2) 作業者の被ばく線量
 (3) 作業者の汚染の状況
2 廃止措置に係る記帳は,取扱主任者による監督の下,次の各号に掲げる事項に
 ついて行う。
 (1) 譲り渡した(又は返還した)放射性同位元素等及び汚染物の種類,数量,年
  月日及びその相手方の氏名又は名称
 (2) 廃棄した放射性同位元素等及び汚染物の種類,数量,年月日,廃棄の方法及
  び場所
 (3) 放射性同位元素等による汚染を除去したときに発生した汚染物の種類及び数
  量
 (帳簿の閉鎖及び保存)
第43条 施設長は,毎年3月31日に第41条に規定する帳簿を閉鎖する。
2 施設長は,使用の廃止等を行う場合は廃止日等に第41条に規定する帳簿を閉
 鎖する。
3 施設長は,前2項の帳簿を年度ごとに整理し,5年間保存しなければならない。

   第10章 災害時及び危険時の措置
 (地震等の災害時における措置)
第44条 地震,火災等の災害が起こった場合には,別図2に定める地震等災害発
 生時の連絡通報体制に従い,通報及び報告を行うとともに,取扱主任者及び施設
 長は別表に定める項目について点検を行わなければならない。
2 施設長は,前項の点検結果について,環境安全委員会及び学長に報告しなけれ
 ばならない。
 (危険時の措置)
第45条 地震,火災等の災害及び放射性同位元素等の取扱いにおける事故が起こ
 ったことにより,放射線障害が発生したとき又は発生するおそれがあるときには
 ,次の各号に定める措置を講じなければならない。
 (1) 当該事態を発見した者は,直ちに消火,付近にいる者の避難,汚染の広がり
  の防止等放射線障害の発生を防止するために応急の措置を講ずるとともに,施
  設長,取扱主任者にその旨を通報すること。
 (2) 前号の通報を受けた者は,必要があると認められるときは,守衛所,警察署
  又は消防署に通報すること。
 (3) 第1号の通報を受けた者は,放射性同位元素等の使用又は管理区域内への立
  入りを禁止するなど必要な応急措置を講じ,かつ,速やかに学長及び関係者に
  通報すること。
 (4) 学長は,前号の通報があったときは,直ちに放射線障害の発生又は拡大を防
  止するために必要な措置を講ずるとともに,事故の原因を調査し,その結果及
  び措置の内容等を遅滞なく,原子力規制委員会に届け出なければならない。
2 放射線装置に係る事項の事態が生じたときの放射線装置使用責任者の講ずべき
 措置については,前項第1号から第3号までの規定を準用する。
 (事故等の報告)
第46条 次の各号のいずれかに該当する事態の発生を発見した者は,直ちにその
 旨を施設長に報告しなければならない。
 (1) 放射性同位元素等の盗取又は所在不明が発生した場合
 (2) 放射性同位元素等が異常に漏えいした場合
 (3) 業務従事者について実効線量限度又は等価線量限度を超え,又は超えるおそ
  れのある被ばくが発生した場合
 (4) 前各号のほか放射線障害が発生し,又は発生するおそれのある場合
2 施設長は,前項の報告を受けたときは,直ちに部局長及び取扱主任者に報告し
 ,適切な処置を講ずるとともに,学長に報告する。
3 学長は,前項の報告を受けたときは,その旨を直ちに,原子力規制委員会に報
 告する。報告の内容は,次の各号に掲げる事項とする。
 (1) 発生日時あるいは発覚した日時
 (2) 事態とその状況
 (3) 調査の概要
 (4) 汚染や放射線障害の有無(調査の結果)
 (5) 今後の対応(事故の原因究明や被害の把握)
 (6) 所見
4 学長は,第2項の報告を受けたときは,その状況及びそれに対する処置を10
 日以内に,原子力規制委員会に報告する。報告の内容は,次の各号に掲げる事項
 とする。
 (1) 発生日時あるいは発覚した日時
 (2) 事態とその状況
 (3) 調査の概要
 (4) 汚染や放射線障害の有無
 (5) 原因
 (6) 人体への影響
 (7) 事故の対策
 (8) 再発防止に向けた対応
 (9) 今後の対応(学内の取組や改善策)

   第11章 情報提供
 (情報提供)
第47条 事故等の報告を要する放射線障害のおそれがあると取扱主任者が判断し
 た場合又は放射線障害が発生した場合,取扱主任者は情報提供の内容及び情報公
 開の方法について,部局長及び施設長と協議し,環境安全委員会の議を経て,学
 長に報告する。
2 発生した事故の状況及び被害の程度等に関して学長が外部に提供する内容は,
 次の各号に掲げる事項とする。
 (1) 事故の発生日時及び発生した場所
 (2) 汚染状況等による事業所外への影響 
 (3) 放射性同位元素等の種類,性状及び数量
 (4) 応急措置の内容 
 (5) 放射線測定器による放射線量の測定結果
 (6) 事故の原因及び再発防止策
 (7) 問合せ窓口

   第12章 報告
 (報告)
第48条 学長は,施行規則第39条第3項に規定する放射線管理状況報告書を毎年
 4月1日からその翌年の3月31日までの期間について作成し,所定の期日までに
 これを原子力規制委員会に提出しなければならない。
 (特定放射性同位元素に係る報告)
第49条 学長は,特定放射性同位元素に係る製造,輸入,受入れ,払い出し又は
 廃棄を行った場合,これらの行為を行ってから15日以内に原子力規制委員会に報
 告しなければならない。
2 学長は,前項の報告を行った特定放射性同位元素の内容を変更(当該変更によ
 り当該特定放射性同位元素が特定放射性同位元素でなくなった場合を含む。)し
 た場合,15日以内に原子力規制委員会に報告しなければならない。
3 学長は,年度末に所有している特定放射性同位元素に係る報告を,原子力規制
 委員会に翌年度6月末日までに行わなければならない。

   第13章 雑則
 (規程の改廃)
第50条 この規程の改廃は,教育研究評議会の議を経て学長が定める。
 (規程の細目)
第51条 この規程の実施に関し必要な事項は,環境安全委員会の議を経て,学長
 が定める。

   附 則
1 この規程は,平成31年4月1日から施行する。
2 東京学芸大学放射線障害予防規程(平成元年規程第5号)は,廃止する。
3 この規程施行の際,現に取扱主任者,取扱副主任者又は業務従事者である者は
 ,それぞれこの規程に基づき選任され,又は登録されたものとみなす。

 別表(PDF形式)

 別図1(PDF形式)