その他の活動 関連していくつか巡検を行ってきました.
欧州を中心にして出かけた報告を掲載します.


| アルプス | アフリカ | 旧ユーゴスラヴィア | アウシュヴィッツ ||| 野外見聞会 |

1990年 長野県上村 人材育成事業 『ふるさと創生 ヨーロッパアルプス巡検』
―南チロル地方の農業と観光―

南チロルのくらし  長野県下伊那郡上村(現在は飯田市上村)の遠山郷 一帯では,急傾斜地で伝統的な農業が営まれており,「日本のチロル」の名で知られています. 村では1990年に「ふるさと創生」事業として,ヨーロッパのアルプスでの視察・研修が企画され, 北イタリアの南チロル地方を訪れ,農業や観光など地域振興のノウハウをじかに学ぶ巡検を行いました.
 インスブルック大学のハイマイヤ博士に手配いただいたおかげで,多くの農家や役所を訪ね,山岳地での人々の暮らしをじかに見聞しました. さらにオーストリアのフォアアールベルク地方では,ハイデルベルク大学のモイスブルガー教授にチーズや織物の地場産業を案内いただきました.

 ◆ 巡検行程はこちら!   また,上村の村報に,研修旅行報告が掲載されました. 

2003年 高校教員の巡検 『アフリカからヨーロッパに渡る』
―モロッコからジブラルタル海峡を渡ってポルトガルまで―

巡検報告文集  ジブラルタル海峡を挟んでアフリカとヨーロッパを両方見ようという欲張りな巡検. 地中海沿岸地方と一口では語れない,地域的多様性を実感する貴重な経験ずくめの旅になりました. 北アフリカの猛烈な暑さの中,モロッコ最大都市カサブランカから陸路をラバト,メクネスとたどり迷路都市フェズへ. ベドウィンのスーク(市場)を見学し,タンジール港から海峡を渡って英領ジブラルタルへ.
 スペイン南部を西に走り,カディスでシェリーに触れてポルトガルのリスボンへ. ユーラシア大陸最西端ロカ岬の断崖に立ったところで,旅は終わりました.

 ◆ ゼミOGの岩垂雅子さんによる巡検報告が,『学習院高等科紀要』(第2号,2004年)に掲載されました. 

2005年 高校教員の巡検 『旧ユーゴスラヴィアを見て歩く』
―スロヴェニアからアドリア海沿岸,そしてサラエヴォへ―

ドゥブロヴニク旧市街  1990年に始まったユーゴスラヴィアの解体と激しい紛争により,多くの悲劇が生まれました. 特にボスニア・ヘルツェゴヴィナでは,真新しい純白の十字架で埋め尽くされた墓地など依然として戦争の傷跡が目につきます. その一方で,アドリア海沿岸ではローマ帝国時代以来の歴史的遺産に助けられ,観光地として復興し,地域経済は息を吹き返しつつあります.
 この巡検では,そうした旧ユーゴスラヴィアの光と影を観察する機会になりました. それにしても,輝く地中海と国際観光客でにぎわう海岸リゾートのすぐ近くに「地雷注意」と記されたドクロマークの看板を見つけ, ヨーロッパの危うさを垣間見た気がしました.

2008年 日本女子大生の巡検 『アウシュヴィッツ巡検』
―アウシュヴィッツとウィーン,クラクフで民族問題を考える―

アウシュヴィッツ収容所跡  2006・2007年度に日本女子大学人間社会学部で担当した講義「比較社会論V」を受講した学生が中心となって, アウシュヴィッツ巡検が企画されました.
 ヨーロッパ最悪の民族虐殺の現場アウシュヴィッツ強制収容所跡の訪問を軸にして, ポーランド南部の文化都市クラクフ(ユダヤ人街跡),オーストリアの首都ウィーン(ユダヤ人墓地)をめぐりながら,民族とは何かについて考えました. ヨーロッパには過去の記憶を意図的に刻印づけ,共有するための場所があちこちにあります, 過去を記憶することで将来を見据えようとするヨーロッパの人々の姿から,日本の事情と比較する機会にもなりました.

 ◆ 巡検報告はこちらをご覧ください!