ws_10_55.png第2回ユニット・エックス「セブン・パラサイト」展(1999)
Exhibition 7Parasites

「7Parasites」展のテーマは、「パラサイト=寄生」。とるに足らないビジュアルの断片が、現実の世界に息づき、増殖していく。そんなイメージを表現したグラフィック・アート作品を発表した。無数のビジュアルソースを紙に印刷し、それらを壁に貼り、地面に置き、体に身につけて、寄生させる。この状況をカメラで撮影し、コンピュータに取り込んで加工する。こうしたアナログとデジタルの振幅運動によって、グラフィック・アートのカオスが生まれた。コンピュータによって創りだされる造形は、どことなく平面的で無機質だ。しかし、「パラサイト」したソースは、心地よいアナログのノイズと相まって、文字通り「グラフィックな=生き生きとした」ビジュアルに転じたのだ。デジタルカメラといった便利な道具はなかったので、かなりの本数のフィルムを費やしたことになる。完成した作品を今あらためて眺めると、実に感慨深い。それにしても手間のかかる作業を飽きずにやっていたものだ。