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第2回公開研究会2日目
「個人情報保護と他職種連携 ~他職種によるチームアプローチ・情報共有と個人情報保護・実践事例を通した検討~」

2010.10.24 朝倉 隆司

 第2回公開研究会の2日目の基調講演で毎日新聞論説委員・野沢和弘氏による「本当の個人情報保護に迫るために」を聞き、プライバシーを保護するための法律である個人情報保護法が、実は本当に必要なサービスを提供するために必要な情報の提供や入手を阻んでいること。また、野沢氏の新聞記者としての経験から、事件の真相を知るために必要な情報が提供されないために、事件に対する国民の認識が歪んでしまう可能性があることをお話いただき、あらためて「個人情報保護法」とは何のための法律であるのか、深く考えさせられた。

  その法律を盾に、有料老人ホームの虚偽記載による不正の隠蔽が行われていたこと、存在しなかった100歳老人の問題や児童虐待に関わる行政や専門職の怠慢が隠蔽されていたこと、支援に必要な情報さえ得られないので弱者の孤立を招く匿名の「壁」となること、言論の自由空間の土台の脆弱化を招いたことなど、プライバシー保護にこだわるあまり生じたと思われる現代の病理が、この基調講演では次々と指摘されていった。

  とくに、「名古屋中学生5000万円恐喝事件」の被害者である少年と母親について、報道機関は個人のプライバシーとして報道していないことがあるのだが、その報道されていない“個人情報”を知らなければ、この事件の真相は理解できないという内実を聞き、全くこの事件を誤解していた自分がいた。おそらくほとんどの国民が私と同様であろう。

 翻って、学校、子どもや保護者と社会資源を結びつけるSSWersの場合はどうであろう。教員から、子どもや保護者から、そして関連社会機関等からも信頼されて、子どもを支援するために必要な、いわゆる“個人情報”を得て、それを有効に活用できなければ、機能しないのではないだろうか。支援とプライバシーのバランスを、誰もが良く理解する必要がある。杓子定規のコンプライアンスより英断が必要な時がある。

 

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