イベントレポート
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SSWAA カンファレンス参加報告 (文責:馬場幸子)

3月30日から4月2日までの4日間、SSWAA (School Social Work Association America)の年次大会がサウスキャロライナ州マートルビーチで行なわれた。アメリカ全土およびカナダ、スウェーデン、日本(馬場と山崎)から、ソーシャルワーカーやソーシャルワーク研究者・学校教員らが集まった。会は、ワークショップと講演から構成されており、4日すべて出席すると、7つのワークショップに参加し、3つの講演を聞くことになる、大変盛りだくさんな会だった。


SSWAAカンファレンス
 馬場 幸子
 山﨑 絵美

カンファレンスの概要

馬場と山崎は、EBP(Evidence Based Practice)やRTI(Response to Intervention)に関するワークショップを中心に、ESSP(Elementary School Success Profile)、“Teen Screen” といった特定のプログラムを紹介するセッションにも参加した。また、「学校長はスクールソーシャルワーカーに何を望んでいるのか」「スクールソーシャルワークの影響(効果)測定」などについてディスカッションをするセッションにも参加した。

SSWAA カンファレンス参加報告 (文責:馬場幸子)*RTIとは、この数年アメリカで主流となっている介入方法で、学習に困難を生じている子どもに、早期に効果的な支援を提供し、頻繁に進歩を測定し、困難が継続する子どもには徐々により密な、研究に基づいた介入を行っていくことで、学校で落ちこぼれることを予防しようとするものである。介入への反応がよくない子どもは、障害を持っている傾向があり、特殊教育が必要な場合が多い。

*ESSPは、SSPの小学校バージョン(3-5年生)で、学校環境をアセスメントするための子ども用、親用、教師用の3種類のオンライン質問紙調査から成り立っている。問題行動につながる危険要因、保護的要因をアセスメントするものである。

*Teen Screen National Center for Mental Healthは、若者の精神疾患の早期発見と自殺防止を目指すもので、若者の精神衛生に関する検査を行う。学校や地域で検査を行なうことができ、学校では保健の授業の一環で行なうことも可能である。このセンターでは精神衛生の検診を広める公的施策の奨励も行っている。

どのワークショップも示唆に富んでおり、紹介されたプログラムを日本であるいは小金井市で実施するとしたら・・?などを考えながら聞くことができた。

Keynote Presentation と呼ばれる講演の一つは、スクールソーシャルワークに関する政府の動きについての話であった。良いニュースは、スクールソーシャルワークに関する法案が連邦議会に提出されたことであり、悪いニュースは、国の教育予算が削減されたことだとの報告があった。スクールそーしゃうルワークを取り巻く情勢は必ずしも優しくないが、連帯してそれに立ち向かっていこうとする強い姿勢がたくましく感じられた。

東北関東大震災についてのディスカッション

私(馬場)は普段からイリノイ大学(馬場の出身大学)の人たちとメールのやりとりをしているが、3月11日の地震後、イリノイ大学の仲間を中心にアメリカにいる知人の多くが見舞いメールをくれた。自身の安全を報告すると同時に、日本の状況を伝え、インターネットで見るCNNやNYTimesなど海外の震災報道について思うところなども話した。そのようなやりとりを通じ、こどもPJが開催した12月の公開フォーラムの際に来日したBrenda Lindsey先生が仲介役となり、急きょSSWAAの大会で私が今回の震災について話をすることとなった。
アメリカの人たちに、この震災についてもっとよく知ってもらいたいという思いがあった。また、被害があまりに甚大で、「自分には何ができるのだろうか」と無力感に陥っている感もあり、少し離れた立場にいるアメリカのスクールソーシャルワーカーたちの考えを聞きたいという思いもあった。
急に決まった会合で案内も十分とは言えず、また、理事会の時間帯と重なってしまったのだが、それでも30人を超える人が集まりディスカッションをすることができた。ハリケーンカトリーナの被害にあったワーカーさんが自身の経験を踏まえて話をしてくれたり、複数の参加者たちが国際支援団体についての情報を提供してくれたりした。

理事会を終えたSSWAAの代表の方が、他の参加者からディスカッションミーティングの話を伝え聞き、SSWAAとして寄付を募り、支援を行いたいと申し出てくれた。被災し他県へ避難する子ども達の学用品やスクールソーシャルワーカーが被災家族を支援する際に役立つだろうプログラムの情報などを提供したいとの申し出である。誠にありがたい話である。どこにどのような形で寄付をいただくのが一番良い形での支援になるか早急に検討する予定である。

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