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SSWAA カンファレンス参加報告 (文責:山﨑絵美)
SSWAAカンファレンス
 馬場 幸子
 山﨑 絵美

3月29日から4月2日にかけて、アメリカ・マートルビーチで行われた全米スクールソーシャルワーク協会のカンファレンスに参加してきました。印象的だったことは、アメリカにおけるスクールソーシャルワークは、子どもの行動の問題に焦点を当ててソーシャルワークを行っていること、エビデンスに基づいた実践が当然のものとされていることでした。行動の問題に焦点を当てるとは、それがたとえ虐待的養育環境が原因であっても、学校の中での子どものパフォーマンスを肯定的に変化させることがミッションになっているということです。SSWAA カンファレンス参加報告 (文責:山﨑絵美)そのため、エビデンス・ベースド・プラクティスが重視され、支援前よりも支援後の子どもの問題行動がどれくらい減ったかということがスクールソーシャルワーカーには明確に求められています。あいまいさを好む日本において、ここまでの実践が行えるのかは今後にかかっていますが、ゴール設定が明確な分、他職種連携もスムーズに行われるのではと感じました。
 また、3月31日には、日本の震災に関するスクールソーシャルワーク的支援の在り方について議論する機会を得ました。このカンファレンスは、一番早くて8時過ぎから、2時間、場合によっては3時間のセッションが休憩をはさみながらも連続して行われます。朝早くから長時間にわたるセッションに参加して夜はリフレッシュしたいであろうにもかかわらず、30名以上の方が日本のために集まってくれました。特に議論されたのは子どものトラウマについてでした。子どものトラウマケアについて、スクールソーシャルワーカーは知識を備えた上で支援を行うべきであり、そのようなスキルを駆使したいくつかのプログラムが開発されているから、情報を提供することができるとのことでした。海を越えたところから、このような申し出をしていただけるとは思いがけず、大変ありがたいお話でした。

 こういったリソースをたくさん持ち合わせているアメリカのスクールソーシャルワーカーは専門性が非常に高いと感じました。アメリカでは、ほとんどの人が修士課程を卒業し、ソーシャルワークの周辺領域の授業を受け、なおかつ実践的な実習をみっちり積んで現場に出ています。それに比べると日本はスクールソーシャルワーカーのもつスキルは個々ばらばらです。採用形態も求められる資格も経験も違います。今の日本の状況では、どうすれば子どもたちが最善の利益を得られるよう支援することができるでしょうか。私はディスカッションの後、帰るまで自問自答しました。人的資源においても、社会的資源においても不足している部分が否めない日本にとって、こんな非常事態だからこそ職種を超えてつながりあい、子どもが最大限持っている力を発揮できるように支援していかなければいけません。そして、これを機会に日常的にも人がお互いに持っている知識・資源を共有し、最大限に活用しながらともに子ども支援を行うことが、和を尊ぶ日本なら可能なのではないでしょうか。英語でのコミュニケーションが十分にできたとは言えないですが、異文化でのコミュニケーションを通じて新たに気づきを得られた濃密な5日間でした。

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