イベントレポート
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ベトナム研修レポート 2011

 本プロジェクトでは、社会福祉がわかる教員・教育がわかるソーシャルワーカーの育成を目指し、 広く<子どもの問題>について関心のある学生らで、さまざまな取り組みをしていこうと計画中です。

  第一回めは11月18日から22日にかけて、熊本のベトナム育英会さんのお手伝いとしてベトナムの枯れ葉剤被害を受けた子どもたちへオーダーメイドの車いすをプレゼントしに行きます。その時のレポートを公開いたします。


ベトナムレポート
はじめに
参加者リスト
事前研修
旅行日程
メモ
学生レポート
清水友貴
播磨祥帆
松尾不二子
小池真理
山城実央
永田沙夕
町田咲
小泉悠
佐久間夏未
以前のレポート
[2010.10.23-24]
日本のスクールソーシャルワークは今
[2010.09.25]
子どもを中心とした総合的な支援を目指して
チラシ(PDF)

「折り紙」と「音楽」でつながった時間  大学院1年 松尾不二子

盲学校での子どもたち

 盲学校の後、私たちは聾学校へ行きました。そこには、ベトナム育英会の奨学金の援助を受けて学んでいる、児童から17歳までのたくさんの子どもたちが待っていてくれました。皆は耳があまり聞こえないという障がいがあるので、言葉を発することも簡単ではないのですが、私たちに向かって一生懸命挨拶してくれました。耳に障がいがあるためあまり元気がないのかと思っていたらまったくそんなことはなくて、こちらが励まされてしまうほどでした。そんな先入観をもっていた自分を、なんだかとても恥ずかしく思いました。

心が通じた「紙風船作り」

 私たちはプロジェクトの一環として、ここで学ぶ子どもたちのために出し物を用意していました。それは、折り紙で紙風船を作るという出し物です。3年生の学生協力員が紙風船の作り方を子どもたちにレクチャーして、一緒に作りました。もちろん、私たちと子どもたちは言葉も通じなければ耳も聞こえないので、ジェスチャーだけで紙風船の作り方を教えていきました。学生協力員は子どもたちの間に入って、一緒に紙風船を作っていきました。最初は緊張して私に目を向けてくれなかった子どもたちも、紙風船の完成が近づくにつれて緊張がほぐれていっているように感じました。折り方の分からないところは「どうやってやるの?」という健気なまなざしでこちらを見てくれました。そして紙風船が完成した時は、「できた!」というキラキラとした笑顔を見せてくれました。その笑顔を見たとき、言葉が伝わらなくても、聞こえていなくても、共に心を通わせて達成感を味わうことができるんだ、ということに心から感激してしまいました。仲間である学生協力員の一人が、私と同じようにそのようなことに感激して涙を流していたのがとても印象的でした。

外に出て紙風船で遊ぶ

 皆が作った紙風船を持って外に出ました。そして記念写真を皆で並んで撮りました。「モ・ハイ・バー!(1・2・3)」と、カメラのシャッターにタイミングを合わせて紙風船を空に投げて撮りました。心が通っているような、とても不思議な気がしました。そして学生協力員の1年生が中心となって用意していた折り紙の作り方を載せた可愛らしい冊子を皆にプレゼントしました。子どもたちは皆、本当に嬉しそうにそれを受け取って、私のところにそれをもってきて自慢してきたり、お友達同士で喜びあったりして、無邪気に楽しんでいました。

幸せなら手をたたこう♪

 私たちは最後に「幸せなら手をたたこう」を皆で輪になって歌うという、お別れの出し物を用意していました。私はこのためにクラリネットを日本から持ってきて輪の中に入って演奏しました。私の演奏に合わせて学生協力員の皆が歌って、「幸せなら手をたたこう♪パン、パン(手拍子)」という手拍子の部分を、子どもたちも一緒にやってもらったのです。

 私は緊張していて思うような演奏が出来ませんでしたが、とにかく、耳の聞こえないこどもたちにも振動で私の音が伝えたいと思っていました。そこで私は無意識に一ヶ所で止まって演奏するのではなく、一人ひとりの子どものなるべく近くを回るように歩いて演奏しました。演奏が終わってみると、「あともう3回!」と嬉しそうに要求してきてくれた方がいました。こんなに喜んでくれるならもっと練習して来ればよかった、という後悔の念や、素直にアンコールをしてくれる皆の目線が嬉しくて、なんだかよく分からない気持ちになっていました。何回か演奏をしていくにつれて、耳の聞こえない子どもたちの手拍子がどんどんあっていきました。音が聞こえない子どもたちが、音を体験して楽しんでいるのです。そんな子どもたちの姿から、人間には無限の可能性があるということをまじまじと教えてもらっているような感覚を覚えました。

最後に

 お別れの時、たくさんの子どもたちが私と一緒に写真を撮ってほしいと寄ってきてくれました。中でも、折り紙を隣で教えていた一人の女の子はとても印象的でした。彼女は私の名前と年齢を知りたがっていたので、それを現地の先生を通して伝えていました。私は先生に私の名前を伝え、彼女は先生の口と私の口の形をみて、「ふ・じ・こ」と力強い、大きな声で発音してくれました。そして、私に抱きついてきてくれました。たった一瞬のひとときでこんなに感動するとは本当に驚きでした。この時間は生涯忘れられない時間となりました。

みんな、本当に、本当にありがとう。またいくからね!元気でいてね!

 

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