研究テーマ

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 おもに中生代の地質・層序学をベースに、同時代から産出する二枚貝・アンモナイト・恐竜の足跡などの化石を用いて、生態系や古環境の復元といった古生物学的研究を行っています。特に近年は、前期白亜紀の頃には大陸の東縁だったと考えられる手取層群(岐阜県、富山県、石川県、福井県)を調査しています。さらに、より大陸側のロシア沿海州、韓国、中国、モンゴルを調査し、白亜紀の東アジア全体の古地理研究、生態系・古環境の復元の研究などを行っています。

 また、地学(古生物学)分野の学習教材開発を目的とした研究をおこなっています。


研究室の活動

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 各々が興味のあるテーマを持ち、調査・研究を行っています。それらは、毎週火曜日午後6時からS101において開催しているゼミで交代で発表しています。
 木曜日は生態系ゼミ、金曜日は貝ゼミをそれぞれ6時からやっています。
 また、週末などに野外調査を行ったり、地学教育学会、地質学会、古生物学会に参加する事などもあります。

 ちなみに、最近の主な調査活動は、

  • 96年8月 北海道奔別川地域のダム開発に伴う環境アセスメントの一貫としての調査
  • 96年9月 ロシア沿海州の調査
  • 96年10月 韓国の恐竜足跡の調査
  • 97年3月 アメリカの恐竜足跡の調査
  • 97年8月 岐阜県大白川村の手取層群の調査(地質・二枚貝)
  • 97年11月 再び韓国の恐竜足跡の調査
  • 98年8月 再び岐阜県大白川村の調査
  • 99年8月 石川県白峰村の手取層群の調査
  • 00年4月 アメリカの恐竜足跡の調査
  • 00年7月 石川県、福井県の手取層群の調査
  • 00年8〜9月 モンゴル・中国の恐竜足跡の調査
  • 01年3月 恒例:地質調査体得合宿@房総
  • 01年8月 石川県、福井県の手取層群の調査
  • 02年3月 恒例:地質調査体得合宿@房総
  • 02年7月 ハチオウジゾウ発掘参加
  • 02年7〜8月 石川県、福井県の手取層群の調査
  • 02年9〜10月 北米中西部放浪
  • 03年3月 恒例:地質調査体得合宿@房総
  • 03年3〜4月 北米中西部放浪
  • 03年8月    北米中西部放浪
  • 04年3月 恒例:地質調査体得合宿@房総
  • 04年7月 石川県白峰村の手取層群の調査
  • 05年3〜4   北米中西部放浪


 このような大規模な調査は、必ずしも研究室の学生全員が参加しているわけではありません。希望すれば海外の調査にも行けるチャンスがあるということです。

 また、海外の研究者との親交も厚く、第一線の研究者が研究室を訪れる事もしばしばあります。その都度学術講演会を開催し、研究の視野を広げる機会を得ています。

 現在(2004年度)、研究室の学生は、理科教育(教育)の学生と自然環境(教養)の学生がメインです。研究室の配属が決まるのは3年次の者がほとんどですが、1年生の内から研究室の活動に参加している者もいます。1年生や2年生でも、松川研究室(の研究テーマ)に興味のある方は、ぜひ気軽に研究室を訪れてみて下さい。

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過去の卒業論文

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「岐阜県北部の手取層群中部の非海生軟体動物化石群集と化石化過程」

95年度卒業生 川島和桐 

岐阜県荘川村の手取層群中部から産出する非海生二枚貝化石について、群集解析を用い、古環境の推定を行いました。

詳しくは東京学芸大学紀要4部門48にて論文としてまとめられています(著者 松川正樹・川島和桐・小荒井千人)。 

自然の多様性から生じる児童の認識の違い−太平洋側、日本海側の河床礫の特徴を一例として−

96年度卒業生 板場 修

小学校の教科書で広く用いられている、河川の上流から下流へと至る河床礫の変化を題材にして研究を行いました。河床礫の変化様式には、一般化できる特徴とその河川固有の特徴があることを示し、また、過剰な一般化が、児童に自然の多様性を捉えさせるうえで障害となる可能性を指摘しました。

「五日市町層群(中新統)の堆積環境と産出化石の多様性の変化」

96年度卒業生 伊東大介

東京都西部の五日市盆地に分布する、新第三系五日市町層群において、層相などから堆積環境を考察するとともに、産出する化石の多様性の変化と堆積環境の変化との関連について考察しました。

詳しくは東京学芸大学紀要4部門49にて論文としてまとめられています(著者 松川正樹・伊東大介・田野倉訓郎)。 

「東京近郊の露頭の現状と多摩川中流域に分布する上総層群の古環境および野外実習地の考察」

97年度卒業生 小原美樹

東京近郊の露頭の現状を明らかにし、それらの地学分野の野外実習への活用について考察しました。また、調査を行った露頭の中で、多摩川中流域に分布する上総層群から化石を採集し、古環境の推定を行いました。

「足跡化石に基づく恐竜の個体群構造の研究」

97年度卒業生 椛澤吉広

コロラド高原のジュラ紀の竜脚類、白亜紀後期のハドロサウルス類、韓国の白亜紀前期のイグアノドン類の足跡について、相対成長解析という手法を用いて研究を行いました。

詳しくは、PHP出版刊「恐竜ハイウェー」第4章を御覧ください。

「岐阜県北西部の手取層群の非海生軟体動物群集とその変遷」

97年度卒業生 中田恒介

岐阜県北西部(荘川村、白川村)の手取層群を調査し、地質図を作りました。また、採集した汽水生二枚貝の化石から、古環境の変遷を読み取りました。

「アンモナイトを利用した生徒の分類の能力に関する基礎的研究−理科の授業で実物を使う意義−」

98年度卒業生 櫻井明日香

アンモナイトの標本と図を分類させる調査問題とアンケートを作成し、その結果に基づいて、理科の授業で実物を取りあげる事の利点と問題点について考察しました。

「神奈川県西部 中津層群(上部鮮新統から下部更新統)から産出する軟体動物化石群の生活様式の推定」

98年度卒業生 友野淳司

約250万年前に堆積した神奈川県西部の中津層群において二枚貝化石を採集し、それらの生活様式(潜入速度、潜入深度、食性)を推定しました。その結果、内生型二枚貝の生活様式は、堆積環境の変化を反映している事がわかりました。

「日本産下部白亜系非海生二枚貝化石の分類と生息環境の考察 -高校地学の化石に関する学習の分類の基礎研究として- 」

98年度修了(修士) 小荒井千人

西南日本外帯に位置する山中白亜系と地域的には西南日本内帯に位置するが種構成は外帯  の特徴を示す吉母層から産出した海生/非海生二枚貝化石を分類し生態を検討しました。その結果、いずれの地域でも構成種は異なっても、浅く潜る種と深く潜る種によって群集が構成される事がわかりました。

「小学校理科C区分における「土」に関する学習の検討 -主に土質工学的手法を用いて- 」

98年度修了(修士) 福岡勤

小学校の学習教材としての「土」について、土質工学的な考察と授業実線に基づいて、学習の意義と方法について研究しました。

「石川県南東部白峰地域の手取層群の地質学的研究」 

99年度卒業生 塩野谷奨

表題の地域の手取層群を調査し、その層序を明らかにしました。また、荘川地域、大白川地域の手取層群とあわせて、その堆積環境変遷について考察しました。

「日本産中生代corbiculidsの古生態学的研究」

99年度修了(修士) 中田恒介

来馬層群、志津川層手取層群などから産出するcorbiculids(シジミ貝類)の古生態を研究し、その起源と進化について考察しました。

「初期恐竜Grallatorのサイズと世代数の時代的変遷」  (日本古生物学会第150回例会にて発表) 

2000年度卒業生 松井哲也

恐竜時代の初期に出現した Grallator (足跡化石につけられた恐竜の名前)の計測データを使い,生物統計的手法を用いてサイズや世代数の時代的変遷を調べました。その結果をもとに三畳紀後期からジュラ紀中期にかけて,初期の恐竜がどのような適応戦略をとったかについて考察しました。

「東京都内多摩川流域における地層を用いた野外学習のための基礎研究〜50万年前の海底を歩こう!〜」

2000年度卒業生 新海拓也

学校教育の基礎研究として,多摩川宿河原地域の地層から産出する二枚貝化石を用いて,二枚貝の潜入深度から地層堆積時の海底面の位置を推定し,堆積当時の海底面との関係から地層のでき方について考察しました。

「過去に存在した生物についての教材化−翼竜の足跡化石を例として−」 

2000年度卒業生 八幡麻衣子

児童にとって未知のものと考えられる翼竜の足跡化石を用いて,足跡を印した動物を推定するという仮説的な実習の教材化を行い,授業実践も行いました。

「貝化石群集に基づく温暖化現象の教材化」 

2000年度卒業生 三股奈津子

下総層群から産出する貝化石群集の種構成の変化から,温度変化の速さを推定しました.その結果を現代の気温変化と比較することで,近年の温暖化現象の速さについて考察しました。また,児童がどの学年から時間の流れを理解しているのかについて教材化し,また授業実践も行いました。


「多摩川昭島地域の第四紀古環境の推定−地質の野外観察教材化のための基礎研究−」 
                   

2001年度 卒業生 前田由紀

     野外観察のための場として多摩川中流域の昭島地域に注目し、主に生跡化石を用いた地層の教材化の為に、調査、
     基礎研究(生痕化石の宿主の特定から、古環境を推定)を行い、野外観察として評価しました。

「河床礫に基づく河川教材に向けた基礎的研究 〜”崖”から古多摩川の河床を思い浮かべよう〜」 


2001年度 卒業生 丸山郁子

     秋川−多摩川河川の河床礫に着目し、その結果、現在の特徴を把握していれば、崖から過去の河床や過去の海水面
     の変化を読み取れることが分かりました。これは「流れる水の働き」の応用編としての学習が期待でき現在の河床礫と、
     崖に広がる古礫を用いた教材化に向けて基礎的研究を行いました。
                                                  


「古礫を用いた教材のための基礎研究−恐竜がいた時代の川の流れを探る−」

2002年度 卒業生 西田尚央
地層の中に含まれる礫(古礫)の特徴から、過去にその礫を運搬した河川の特徴を知ることができる。そこで本研究では、 河川によって形成された地層である手取層群の中でも最も古い礫岩層が発達する大倉層に注目した。そして、その結果を もとに古礫の教材としての可能性を探った。

「The Paleoecosystem reconstruction using energy flow of the
   late dinosaur age based on tracks from the Laramie
       Formation, Colorado Prateau, U.S.A」

2003年度 修了生(修士) 柊原 礼士
 まずエネルギー流に基づいた環境復元モデルを現世のセレンゲティ生態系に適用して,方法論の信頼度を議論しました. そして白亜紀後期の北米中西部のララミー層の古生態系を復元し,議論しました.

「The reconstruction of paleoecosystems in the early age of
    dinosaur based on energy flow analyses
  in the Colorado Plateau region, North America」


2003年度 修了生(修士) 柴田 健一郎
恐竜を含む動植物の進化や動植物間の相互関係を解明し,過去から現在,そして未来へと続く生態系の変遷を理解するため に重要な意味を持ちます.コロラド高原地域に露出する恐竜時代初期の地層を研究対象とし,食物網とエネルギー流のモデル により古生態系を復元しました.

「沈降速度を用いた堆積時間の見積もりとその教材化」

2003年度 卒業生 芦澤 尚子
 地層がどのようにしてできるのか、児童・生徒が理解できるような教材開発を試みました。

「植物化石による古植生の復元 −手取植物化石群と塩原植物化石群を基に−」

2003年度 卒業生 伊藤 真由美
 植物化石から古植生を吹く点する民恵の指標を,植物の保存状態に着目して検討した.そして高次分類群ごとの堆積場所から生育地までの 相対的な距離を求めた.さらに,時代や場所,植物の構成が異なっても指標を使うことができるか塩原植物化石群に適用し検討しました.

「河床礫の指標としての評価と教材化に向けた基礎研究 −礫の配列から古多摩川の流路を探る−」

2003年度 卒業生 柿沼 宏充
 まず現世河床を調査し,河床礫の堆積環境を示す特徴を把握した.そして,その特徴を古礫に応用させ,古多摩川の礫堆積当時の河床勾配 や河川流路を特定しました.

「下部ジュラ系来馬層群から産出する初期のシジミ貝類の適応戦略 〜シジミは生き残ることができたのか〜」

2003年度 卒業生 白井 亮久
 初期のシジミ貝類 Eomiodon vulgaris と Crenotrapezium kurumense を産出する来馬層群に着目した.産出するシジミ貝類の生活様式 を推定し,海成層を挟み,2種の産出頻度の変化や種構成の変遷から,シジミ貝類の汽水域での適応を考察しました.

「塩原化石湖の堆積状況の復元」

2003年度 卒業生 田村 響太郎
 塩原層群の葉理には,植物葉体化石の山上に関して幾つかの異なる産状が認められる.これらの産状について考察しました.

「地学野外学習の新たな視点の模索 −都市でできる人工物を活用した学習−」

2003年度 卒業生 鍋島 さやか
 東京ディズニーシーのような建造物を,博物館・科学館の展示物と同様に用いて,都市部での野外学習の可能性を検討しました.

「埼玉秩父盆地の第三紀二枚貝化石群集構造の変遷と教材化のための評価」

2004年度 修了生 浅倉 努 

 秩父地方の第三系より産出される二枚貝化石各種の生活様式を復元し,作成した秩父地方第三系層序とあわせ,二枚貝化石群集の環境に対する適応とその変遷を検討しました.さらにこの基礎研究を教材化し,地学野外学習のためのモデルコースを提案しました.
「東京周辺の鮮新−更新統の古生態系と東京学芸大学の現世生態系の比較 〜生態系学習の教材化に向けて〜」 


2004年度 修了生 中西 亮平

 化石に基づき,東京周辺の鮮新−更新統の生態系を食物網とエネルギー流に基づいて定量的にモデル化しました.さらに,東京学芸大学構内の生態系を復元し,比較・考察を行いました.さらに,このモデルの教材化の展望について検討ししました.


「Paleoecology and adaptive strategy of corbiculoids based on the Japanese Mesozoic fossils」 

2004年度 修了生 西田 尚央

 日本産中生代化石に基づき,シジミ貝類の古生態,層序学的・地域的分布と形態・環境を検討し,シジミ貝類の適応戦略と進化について考察しました.


「地学野外学習を支援するシステム作りと授業実践−コロラド州と日本の比較を基に−」

2004年度 修了生 松川 萬理子

 地質野外学習について,アメリカ,コロラド州で行われているものを観察・調査しました.それを日本のものと比較し,両者の良い点をもった野外学習の支援システムを作成しました.多摩川での授業実践を行い,それを基に,これが機能がするかどうかを考察しました.


「足跡を用いた教材の開発−動物園の理科学習施設としての利用を目指して−」
2004年度 卒業生 長谷川 貴子

 基礎研究において,動物の足裏の面積と,体重および生活様式の関係を推測できることがわかりました.それを,動物園での動物の観察を通して,過去に存在した生物の体重・生活様式を推測する教材として教材化しました.それを用いて授業実践を行い,教材の評価を行いました.

「浅海棲貝殻化石群集におけるタマガイ科巻貝の捕食の特徴」

2004年度 卒業生 赤塚 里子

 タマガイ科巻貝による捕食孔を有する貝殻化石を含む貝殻化石群集を調査し,捕食者の推定,及び捕食の選択性と特徴について考察しました.

「塩原層群(第四系更新統)産の葉化石と昆虫化石の火山灰による化石化過程」

2004年度 卒業生 川邉 真嗣

 塩原層群産の植物葉化石,昆虫化石と火山灰層との関係を調べ,化石化過程を考察しました.


「北米ユタ州 Lake Powel の二枚貝遺骸化石群集を用いた
    センサス集団の特徴とその化石群集への応用
     −遺骸貝殻に残されたメッセージを探る−」
 

2004年度 卒業生 河部 弘

 現世における二枚貝のセンサス遺骸貝殻群集を用いて解析を行いました.そのサイズ頻度分布からセンサス遺骸集団の特徴を把握し,センサス遺骸集団を定義づける指標を検討しました.


「室内学習と野外学習との比較に基づく地質学習の意義と評価方法の検討〜八王子市北浅川楢原地域での教材化・実践を通して〜」

2004年度 卒業生 小林 まり子

八王子市楢原の北浅川河床に露出する地層や化石を基に,教材化し,野外学習を実施しました.さらに,教材,指導法や評価法を野外学習と同様のものを用い,教室をできる限り野外に近づけた室内学習の可能性を検討しました.そして2つの実習の比較に基づき,室内での疑似地質野外学習の可能性を検討し,さらに野外学習の意義を見出し,評価方法を検討しました.


「兜岩植物化石群に基づく古気候の復元」

2004年度 卒業生 小林 遼

今日まで兜岩層で産出した植物化石を用いて,兜岩層の堆積当時の古気候を推定しました.


「潮間帯の二枚貝遺骸集団の情報ロス−千葉県江戸川河口の二枚貝の生貝群集と遺骸貝殻群集の比較を基にして−」

2004年度 卒業生 金 裕之

千葉県江戸川河口での生貝と遺骸の分布調査に基づいて,潮間帯における二枚貝の生貝群集と遺骸貝殻群集の群集構造を比較し,遺骸集団のもつ生物学的情報の保存の程度とその判断基準について考察しました.


「佐渡島における地学教材開発に向けた基礎研究−古礫層の教材としての評価−」

2004年度 卒業生 斎藤 沙織

 佐渡島における地質野外学習教材を開発するため,佐渡島国中平野の国中層の古礫から,第四紀の佐渡島中央の水利学的条件を検討しました.そして,学習教材としての古礫層を評価しました.


「北上低地帯における鮮新−更新世の陸上生態系の特徴」

    2005年度 卒業生 加藤 拓也
     
     岩手県南部の北上低地帯の鮮新−更新統の陸上古生態系と,同時代の多摩地域の陸上古生態系と比較しました.そして二つの
    古生態系の動物相についても議論しました. 


「恐竜の鳴き声の高さの復元と教材化」


    2005年度 卒業生 杉原 由香利

     鳴き声を持つ現生の動物に着目し,その現生動物の鳴き声や音の原理に基づき,恐竜の鳴き声の高さを復元することを試みた.そ
    してこれを基に,「恐竜の鳴き声の高さの復元」の教材を開発し,実践した.
     


「岐阜県飛騨市古川町周辺に分布する手取層群の層序の再検討と堆積環境の復元」   

    
    2005年度 卒業生 福井 真木子
 
     岐阜県飛騨市古川町周辺に分布する手取層群の層序区分を再検討し,後背地の位置と後背地を構成する岩石の特徴を推定する
    ため,礫岩で特徴付けられる種村層の礫径の東西変化と礫種を調査した.また各層から産出する軟体動物化石の特徴から堆積環
    境の復元を試みた.


「石川・福井県境に分布する手取層群の層序と構造の再検討」   

    
    2009年度 卒業生 浅原 拓麻
 
      石川・福井県境に分布する手取層群を基に,白峰地域と九頭竜川地域の手取層群の層序関係の推定を試みた.
    また,軟体動物化石を用い,地層の対比を行った.


「富山県有峰湖周辺の山地における生態系の解析 ―大型動物の個体数密度との検証―」   

    
    2009年度 卒業生 石原 涼子
 
     Matsukawa et al.(2006) の手法を用いて,人工的変革のほとんどない富山県有峰湖周辺の山地の生態系を解析した.
    また,有峰湖周辺に生息する動物の個体数の維持には豊富な植物量が貢献していることを示した.


「食物網とエネルギー流モデルに基づく生態系を理解するための教材の開発と実践
  ―東京学芸大学附属小金井中学校の生徒を対象にその構内の生態系を例にして」   

    
    2009年度 卒業生 魚屋 雄飛
 
     多くの自然が残されている東京学芸大学構内における生態系を,定量的な解析で理解する教材を作成した.
    さらに,東京学芸大学附属小金井中学校で授業実践を行い,教材の評価も行った.


「三浦半島における縄文時代の生態系の復元 ―関東地方において形成された貝塚・遺跡の比較―」   

    
    2009年度 卒業生 川田 尚
 
     三浦半島の貝塚・遺跡を研究対象とし,縄文時代の生態系を定量的に復元した.また,復元された3つの
    生態系を比較し,当時の関東地方の生態系の地域的多様性を論じた.


「古琵琶湖層群の非海生二枚貝化石の機能形態学的解析と群集の変遷」   

    
    2009年度 卒業生 小瀬村 史也
 
     古琵琶湖層群における,5つの淡水貝類化石動物群の構成種の生活様式を機能形態学的解析法により
    検討し,殻形態と動物群の変遷の関連性を考察した.


「食物網とエネルギー流モデルに基づく生態系の授業を行うための教師用教材の作成と検討
  ―地域の里山を例とし,すべての理科教師が教えられるために―」   

    
    2009年度 卒業生 清水 美緒
 
     すべての理科教師が生徒に生態系を理解させることができるようにするために,教師用教材を作成し,
    準備すべきものを提示した.また,評価より自分の授業を評価できる教師用チェックリストも作成した.


「中国遼寧省の白亜紀の恐竜足跡化石の個体群解析 ―生物統計学の手法を用いて―」   

    
    2009年度 卒業生 高木 香里
 
     獣脚類の足跡化石では用いられていなかった生物統計学的手法を用い,中国遼寧省の羊山・南八家地域
    より産出する獣脚類足跡化石より生態学的解析を行った.そして,両地域の足跡化石がそれぞれ独立した個体群
    であることを示した.


「古琵琶湖層群における古生態系の復元 ―環境変化に伴う個体の体重変化について―」   

    
    2009年度 卒業生 中村 健人
 
     古琵琶湖層群における生態系の主要構成種である長鼻類が,時代と共に小型化する傾向がある理由を考察
    するために,複数の異なる環境下の生態系を復元し,比較した.


「沖縄県伊平屋島の陸上生態系の変遷とその教材化」   

    
    2009年度 卒業生 室岡 睦美
 
     これまで研究対象とされてきた,動物種の生態系内への出入に関して把握できなかった開放系の地域とは
    異なり,閉鎖系である島の生態系に焦点を当て,過去の生態系を復元し,現生のものと比較することで
    生態系の変遷の原因を考察した.


論文作成中

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