穴ジャコ!?

03.04.29 (Tue)

 今日は江戸川河口に穴ジャコ調査に行くことになっていた.朝,6時45分に学校集合.7時出発という,かなりの早い時間に学校を出た.首都高・湾岸線「千鳥町」までの道のりは,今日は休日で混むことが予想されたが,すんなりいってかなり早めに目的地まで着いた.駅で電車組を待っている間,朝飯を食う.
 
 今日は大潮で満潮・干潮の差が大きいときであるので,絶好の穴ジャコ日和である…らしい.

 早速,道具を持ち干潟へ….

 今日持ってきた靴は,ビーチサンダル.長靴はなかったのでしかたなかった.しかし…
「干潟ではビーサンは足を取られて思うように動けない!!」
という弱点があることに気づいた.
ビーサンを脱ぎ捨て,裸足で歩き出す….こっちの方が数倍歩きやすい!!

しかし….
 足に痛みが走った….あまり気になるものではなかったのであるがしばらくして足の裏を見てみるとすっぱり切れて血が出ていた.

…やっちった.
 もう,しかたないので濡らさないよう注意を払いながら作業することに….

 干潟には,もう名人クラスのおじさんが来ていて取っていた.そのおじさんにレクチャーを受けた.

          『穴ジャコの取り方教室』

1.干潟の表面を削る.削ると穴ジャコの巣穴(直径2〜3pの穴)が現れる.
2.穴からは水が噴き出してそこに溜まってしまうので用水路を作り,水を流してやる.
3.穴に習字の毛筆用の筆を差し込み,3〜4回出し入れする.
4.柄の部分の2/3位を水面上に出してしばらく待つ.
5.中から穴ジャコが筆の毛を押し出して,筆が動く.
6.慎重に穴ジャコをだまし,入り口へ誘い出す.
7.両腕が見えてきたら一気にそれをつかみ,上へ引き上げる!
8.Get!

 早速,試してみる.すると…
 
 おじさんの言うとおり,筆が上に押されてきた!

 「きた〜〜〜!!」

 はさみを押さえ引き上げる!

 Get!

 それからは,足の痛みも忘れてじゃんじゃん取りまくった.みんな夢中になってやっていた.

夢中….  慎重に….

 結局…こうなった.

50匹近い量.
か:「…で,どうするんスか?これ….」
先:「だれか持って行って食べてみたいやついるか?」
全:「………     リリース….
先:「食ってみよう!」

 …ということで,食うことに….

 一匹ずつ洗い,汚れを落とす.

 …一方では大鍋・ガスコンロが用意された.

 鍋に水を張り塩を入れる.そこにジャコを入れる(生きてるのではねまくり…).そして,ついに

「塩ゆでの刑」

がはじまる.まるで石川五右衛門!?

 温度計を持ってきて温度を測りながら様子を見る.
20℃→元気に泳ぎ回る
30℃→だんだん活動が鈍る.
40℃→活動停止.かろうじて生きている!?
50℃→たぶん,死亡!?
60℃→色が付いてくる(赤く)
…………

ゆであがり!?

 とうとう沸騰して,いい感じに煮えてきた.湯気はまるでカニをゆでたときのようなにおい.
 ざるにあけて,皿に盛りつけた.
 …グロイ.
 あんまりおいしそうなものではないことは,もうすでに皆,わかっていた.
 頭をはずすときにみそ(黄色い)が出てくる….しっぽの殻をむくとまるでエビのようである.中に黄色い神経のようなものが通っているのでそれをはずし,食べてみる.
…微妙.経験として1個食べるだけでもう満足でした.みな同じ思いであったと思う.
 白井は,うまそうに3〜4匹食っていた.すごいな(・・;)

うまい??

 驚いたこと,穴ジャコと寿司ネタで出てくるようなシャコは,まったく違う生物であることがわかった.

  アナジャコ(節足動物門 軟甲綱 十脚目 アナジャコ科)

アナジャコは、泥質(砂泥質)の干潟・浅瀬に生息する大型のベントス(底生生物)で、Yの字型の巣穴を掘る。その穴は最大で3m以上の深さにもなろことがある。
水中の有機物を濾しとって食べる。

泥底にU字形の巣穴(生息孔)を掘る。巣穴の片方の入り口は大きく (直径 3〜14cm) 、他方は小さい(同 0.5〜3cm)。巣穴の断面は、かまぼこ型で底面は平坦で滑らか。その長さ(U字形の総延長)は体長6〜12cmの個体で、40〜80cmであり、餌を食べたり、産卵したりするのに快適なように、体が大きくなるほど巣穴も太く、長くなる。
 

シャコ(節足動物門 甲殻綱 シャコ科)

学名 Oratosquilla oratoria 英名 Japanese mantis shrimp

北海道から沖縄まで日本全土に広く分布し、沿岸の砂泥質海域に多い。有明海ではクルマエビやシバエビなどの刺網に雑魚(ぐざ、外道)としてかかって嫌われることも多い。エビ・カニ類と同じ甲殻類の仲間であるが、前脚(顎脚II)一対がカマキリのハサミのような形(捕脚と呼ばれる)をしているのが特徴。ちなみに英名はカマキリエビの意味。これで小魚やエビ、貝類等を瞬間的につかむ。

泥底にU字形の巣穴(生息孔)を掘る。巣穴の片方の入り口は大きく (直径 3〜14cm) 、他方は小さい(同 0.5〜3cm)。巣穴の断面は、かまぼこ型で底面は平坦で滑らか。その長さ(U字形の総延長)は体長6〜12cmの個体で、40〜80cmであり、餌を食べたり、産卵したりするのに快適なように、体が大きくなるほど巣穴も太く、長くなる。

寿命は3年〜3.5 年程度で、最大15cmに達する。すし種として有名であるが、塩ゆで、煮付にしてもおいしい。旬は夏。