珪藻のミトコンドリア

  管状クリステをもつミトコンドリア

高校の教科書に出てくるミトコンドリアのクリステは板状です。実際,緑色植物や動物は板状クリステをもっています。しかし、珪藻のクリステは板状ではく管状です。管状クリステをもつミトコンドリアは黄色植物全般に見られる特徴です。

 

  形と配置

珪藻のミトコンドリアは,中心珪藻では丸や花瓶形のものが見られますが,羽状珪藻では糸状形のものやオタマジャクシ形のものも見受けられます。大きさや,形はある程度は変化するようで,大型の羽状珪藻を微分干渉顕微鏡で観察すると,糸状のミトコンドリアが動くのをリアルタイムで見られます。

 

ミトコンドリアは細胞の中心部(殻の近く)にも存在しますが,条線や縦溝の直下,また管状縦溝の内部にもしばしば見受けられます。このような配置は酸素の取り込みやエネルギーの供給と密接な関係があると思われます。


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