aboutモンゴルプロジェクトフェーズ2

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モンゴル国子どもの発達を支援する指導法改善プロジェクトモンゴル国子どもの発達を支援する指導法改善プロジェクトAction in MongoliaAction in MongoliaTraining in JapanTraining in JapanMongolia WatchingMongolia Watching

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about Mongolia Project

1. プロジェクトの概要

【背景】

 モンゴル国は1990年以降、民主主義社会を担う新しい人材の育成を目指している。これに伴い、従来採られてきた、暗記中心、知識注入型の指導法を見直し、子どもが豊かな発想力・思考力を持ち自ら課題を解決していけるように、2005年9月、「子どもの発達を支援する指導法」への転換を掲げた新教育スタンダードが制定された。

 しかしながら、新スタンダードの記述内容は学校教員にとって難解であり、また教員自身が従来の暗記中心の指導法に慣れているため、すぐに指導方法の変更に対応するのは困難という状況にあった。

 こうした状況を受けて実施されたのが、2006-2009年のフェーズ1プロジェクトである。プロジェクトでは、新指導法に則った「教員用指導書」を開発、モデル校9校で試行を行い、指導書の改善及びモデル校教員の指導法改善を実施した。さらに指導書作成の過程を記した「指導書作成マニュアル」、授業ならびに指導法を改善するツールとしての「授業モニタリングマニュアル」を開発した。

 これらの活動と並行して、モンゴルの初等・中等教育には様々な変化が起きている。一つには、修学期間が10年から12年に延長されたことである。これに伴い修学年齢も7歳から6歳に引き下げられた。教員の待遇も改善されている。教員の給与が増額になったことに加え、授業時間数に限らず構内での勤務時間に基づいて支払われるようになった。授業準備や生徒指導など、授業以外の活動にも教員が携わりやすくなったと言えよう。

 さらに、教員の評価方法も新スタンダードに則るという方針や、階層別現職教員研修の実施計画等が、教育文化科学大臣令、内閣決定等を通じて打ち出された。

 上記のことから、フェーズ1プロジェクトによる指導法改善への試みと、それを側面から支えた教育文化科学省〈以下、教育省〉の取り組みにより、指導法改善を制度化する環境は整いつつあると言える。

 本業務(フェーズ2)では、フェーズ1において意欲ある大学教員、モデル校関係者及び指導主事の努力によって成し遂げられた指導法研究・改善として、新指導法普及体制の強化を目指す。


【目的】

 本プロジェクトは、各市/県教育局が既存の現職教員研修等の枠組みを活用することにより、現職教員に対して新指導法を普及していく体制を強化することを目指す。目標と成果は以下のように纏められる。

  • 1. 上位目標:モデル県および他の県で新指導法が実施される。
  • 2. プロジェクト目標:各市/県教育局が既存の現職教員研修等の枠組みを活用することにより、現職教員に対して新指導法を普及していく体制を強化することを目指す。
  • 3. 成果1:新指導法普及の担い手となる各市/県教育局の指導主事、各市/県の学校管理職員〈校長および教頭〉および教員の代表者等の能力が強化される。
  • 4 .成果2:モンゴルの教育現場に即した「授業研究」モデルを構築し、新指導法を普及するためのツールとして活用される。
  • 5. 成果3:各県関係者の能力強化のための研修実施に先立ち、モデル市/県において研修を試行し、その結果を研修材料に反映させる。
  • 6. 成果4:研修ツールの教員養成校への紹介や、「授業研究」活動を制度化するための研究活動および政策提言などを通じて、新指導法の普及環境の改善を図る。

2. プロジェクト目的図

プロジェクト目的図

3. モンゴル側プロジェクト組織図

モンゴル側プロジェクト組織図

4. 日本側プロジェクト支援組織図

1.専門家の構成

 専門家は本学の国際戦略推進本部の中の「モンゴル国子どもの発達を支援する指導法改善プロジェクト実施部会」の委員である。

高畑 弘 算数・数学 担当 (情報科学分野 教授/実施部会長)
福地 昭輝 初等理科・総合 担当 (本学名誉教授 鶴川女子短期大学教授)
鎌田 正裕 理科 担当 (理科教育分野 教授)
松浦 執 IT・理科 担当 (理科教育分野 教授)

2.専門家を支援する体制

 算数・数学、理科、総合およびITに関連する講座・分野・教室に加えて、教育学関係の分野および教員養成カリキュラム開発センターが支援する。本学の附属学校および他の国公立市立学校においては、現場の授業の見学および指導についての協力を得ている。

3.コーエイ総合研究所より2名(プロジェクトメンバーとして共同で作業を進める)

4.事務組織

  本学国際課 学系支援課

5.東京学芸大学プロジェクト支援組織図

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6.モンゴル国内のプロジェクト実施システム図

● 指導法の開発を普及させるシステムを強化するための案
プロジェクトの目的:子ども中心の指導法を基礎的なレベルで普及させる構造、システムを作って、強化することである。

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7. モデル校のモンゴルにおける位置

 フェーズ1のモデル校は次の通りであった。

ウランバートル市  3校
セレンゲ県  3校
ドルノド県  3校

フェーズ2のモデル校は次の通りである。

ウランバートル市  3校(フェーズ1とは異なる学校)
ボルガン県  3校
ザブハン県  3校

これらの市や県の位置関係を下の図に示す。
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