モンゴルプロジェクトフェーズ2/Action in Mongolia

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about Mongolia Project

モンゴル国子どもの発達を支援する指導法改善プロジェクト(フェーズ2)
モデル区/県に対する研修(2010年 11月)概要

 このプロジェクトの最終目的は、フェーズ1での成果(指導書)を全国の学校の教員たちに普及させるともに、指導法改善のための方法である「授業研究」を教員たちに修得させることである。
 その目的を達成するための目標は、3年間にわたって、モデル区/県を対象に、現場の教員だけでなく、管理職(校長、教頭)、教育行政職の方々を対象に研修(試行研修)を行い、その中で、非モデル県の教育関係者を対象とする研修で使用される「研修パッケージ」を作成することである。もちろん、この3年間の試行研修は、モデル区/県にとって、重要な研修であることは当然である。
 2010年11月にウランバートル市のソンギノハライン区、ボルガン県、ザブハン県の3つのモデル区/県で試行研修が行われた。この研修には、学芸大学の教員は参加していない。しかし、2010年10月に行った日本研修で研修を受けた人たちは、そこで中心的役割を果たしている。
 このプロジェクトの業務を担当するコーエイ総合研究所の石井徹弥、鈴木サヤカ両氏から送られてきた試行研修の報告から抜粋して、その状況を以下に示す。

1.ソンギノハイラハン区(ウランバートル市)

1) 日付:2010年11月1日~5日
2) 場所:イレードゥイ統合校第1高等学校・第2高等学校
3) トレーナー: 合計63名
4) 参加者: 合計79名
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5) 研修プログラム
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*1~4日目の最後の1時間は、所属先ごとに分かれて一日の学びを振り返ると共に、今後の計画について話し合う時間とした。

6) 準備状況について
・研修に先立ち、プロジェクト・チームが各モデル校を訪問し研修プログラム等について説明を行った。各学校では学校チームも既に結成されており意欲的ではあったが、管理職から教員への情報共有が十分行われているとは言えなかった。
・会場であるイレードゥイ統合校は、教室の準備、機材の手配などをきちんと行っており、大変協力的であった。

7)研修の所感
・ソンギノハイラハン区における研修は、ボルガン県、ザブハン県の研修に先立つ研修という位置づけから、両県でトレーナーを務める人全員に出席をお願いした。結果、ボルガン県、ザブハン県での研修は、ソンギノハイラハン区の研修の経験に基づくものとなった。


2.ボルガン県(ウランバートル市の北)

1) 日付:2010年11月12日~16日
2) 場所:ボルガン県第1学校
3) トレーナー: 合計18名
4) 参加者: 合計70名
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5) 研修プログラム
基本的にはソンギノハイラハン区で実施されたプログラムと同様であるが、若干の改善を行った(網かけ部分)
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*1~4日目の最後の1時間は、5日目に作成する計画につなげるものとする。「管理職用モジュール」担当のトレーナーが、ディスカッションの方法についてガイドラインを配布、参加者から議事録の提出を求める。ディスカッション中には、トレーナーが観察を行う。提出された議事録は、他のトレーナーにも共有する他、興味深い点についてまとめて、参加者に対しても共有。

6)準備
・ボルガン県教育局の継続的な働きかけにより、モデル校チームは指導法改善に対して深い理解を有していた。授業研究も自分たちで既に実施していた。
・ボルガン県第1学校の準備も大変、素晴らしいものであった。参加者は寮に宿泊していたが、各ソム校から食材を調達し、参加者の朝晩の食事を無料で提供するなど工夫もみられた。

7)研修の所感
・国勢調査やアメリカの教会組織による研修と時期が重なっていたが、特に混乱なく円滑に研修が実施された。
・参加者の高い意欲の基、研修を実施することができた。特に、教育局は他の区/県と比較して高い出席率であった(局長も5日間参加)。
・トレーナーもソンギノハイラハン区での経験を活かし、よい研修を実施していた。毎晩のトレーナー・ミーティングでも研修内容をより改善したい、ザブハン県の研修へきちんとした引き継ぎを行いたいという高い意欲が感じられた。


3.ザブハン県(ウアランバートル市の西800km)

1) 日付:2010年11月19日~23日
2) 場所:ザブハン県チャンドマン・エルデネ校
3) トレーナー: 合計23名
4) 参加者: 合計116名
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5) 研修プログラム
基本的にはボルガン県で実施されたプログラムと同様であるが、若干の改善を行った(網かけ部分)。
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*1~4日目の最後の1時間は、5日目に作成する計画につなげるものとする。「管理職用モジュール」担当のトレーナーが、ディスカッションの方法についてガイドラインを配布、参加者から議事録の提出を求める。ディスカッション中は、「管理職用モジュール」担当のトレーナーが指導。提出された議事録は、他のトレーナーにも共有する他、興味深い点についてまとめて、参加者に対しても共有。

6)準備
・国勢調査の時期と重なっていたため、事前に3回、日程変更があった。そのため、講師の選定および航空券の手配に困難が生じた。
・教育局はロジ面での手配に大変協力的であった。(空港送迎、宿泊先の手配等)
・会場校であるチャンドマン・エルデネ校は複数名で支援体制が整えられていた。

7)研修の所感
・ソンギノハイラハン区、ボルガン県の研修の経験に基づいた研修となった。一方、トレーナーの質の維持、トレーナー間の連携が課題として浮き彫りになった。
・教育局チームが一つのチームとして活動していくことができるかが今後の課題。
・モデル校チームは高い意欲を有しているが、普及を急ぎ過ぎる傾向がある。まずは定着を目指したい。


4.今後の活動

・12月10日頃、各教育局、モデル校から計画を受領。
・フォローアップについて検討する。(特に1~3月)
・12月14日にトレーナーを集めて下記の課題について話し合う会議を開催予定。