学習性無力感




 心理学の用語で「学習性無力感」というものがある。

 いやな刺激(結果)を避けようといろいろなことをやってみても、避けることができず、「自分が何をしようとも状況は変わらない」ということを学習したために生じる無力感のことである。

 学習性無力感が生じると、次の3つの問題がでてくると言われる。

 (1)環境に対して自ら積極的に働きかけようとしなくなる

 (2)実際には成功できるようなことに対しても、自分の行動がうまくいくということを学習するのが難しくなる

 (3)情緒的に混乱する

 実験場面では、決して解くことのできないパズル課題などが繰り返し与えられるような方法で、学習性無力感はつくられる。そのような状況では、問題を積極的に解こうとしなくなる(1)、途中から解くことができるような課題が与えられても、解けない(2)、無力感やいらだちなどを感じる(3)、などのことが現れる。

 
 私は、政治や経済にはあまり詳しくないが、最近の総理大臣・内閣支持率の低さ、経済政策に対する期待などに対する一般的な意見を聞いていると、政治に対する学習性無力感が漂っているように思われる。「誰がやっても、何をやってもよくならない」と。

 そんな中で、先の参議院選挙の投票率が高くなったのは、明るい兆しである。


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