折り紙で正多角形をつくる

正方形の平らな一枚の紙は魔法をもっているように色々なものに変身できる。鳥、魚、建物、様々な形に変わる・・・といっても限界がある。”丸い”ものを折るのは大変に難しい。具体的には球面や円盤のことである。そこで折り紙では、球面や円盤のかわりに正多面体や正多角形を使っていることが多い。良く知られているように正多面体には5種類あり、それぞれの面は正三角形、正方形、正五角形からできている。これらの多角形及びそれ以外の全ての正多角形は正方形の一枚の紙を折ることによって正確につくれるだろうか。このことは定規とコンパスによる作図問題と考えてよい。一般にnが素数ならば正n角形はn=2r+1(r=1、2、3、・・・)のとき作図できることが知られている。例えば3、5、17、257、65537のとき作図できる。nが素数でないときはnが2のk乗(k=0、1、2・・・)と上の素数からいくつか相異なる数を選んで掛けた形になっているとき、作図できる。例えば正60角形は30=2X2X35で作図可能である。逆にこれらのような形で書けないものはほぼ作図できないと思ってよい。さて、以下、nが3、5、6、8の正多角形の折り方の一例を挙げておく。本来折り紙では作品の美しさも追及するのだが、ここではそういう面を省き一枚の紙の上になるべく大きい正多角形をつくるようにした。これらの折り図が正多角形になることの初等的な証明をつけてほしい。また興味のある人は正17角形の折り方などに挑戦してみてはいかがだろうか。(注。著者はまだ試みていない。)

      「数学科教育実践講座」(株式会社ニチブン)に掲載