**PCを使った授業へのアンケート結果と分析**

〔アンケート結果〕(20名に実施)

1 PCを使った授業への参加度

 A(5名)  B(13名)  C(2名)

2 PCを使った授業の理解度(グラフの形の特徴やグラフを自分でかくことについて)

 A(6名)  B(12名)  C(2名)

3 PCを使って印象に残ったことや感想

・PCで放物線をかくのは初めてだったので最初は分からなかったけど,だんだんやっていって最後は自分が比例定数を入れてかいたりして楽しかった。

・PCは手でかくよりきれいに線が引けた。数を増やしたり減らしたり,いろんな事ができた。おもしろかった。

・とてもおもしろかった。また,機会があればやってみたい。

・PCを使ってとてもおもしろかった。今までに見たこともないような曲線のグラフとかを見て,最初はとまどったけど,グラフを作成していくうちに楽しくなってきた。できればまたやりたいと思う。

・PCを使ってグラフを見ると,どの値がどんなふうに変わってグラフがどう動くかがはやく分かった。グラフの動き方がよく分かった。

・グラフの変化のしかたがおもしろかった。

・y=x2, y=ax2 の式にいろいろ数を代入してグラフにあらわすことが,とてもおもしろかった。今度は2次関数だけではなく,いろいろな単元の学習をPCを使ってやってみたいと思う。空間図形のねじれの位置のことなどをPCを使ってよりリアルに再現したらおもしろいのではないかと思う。

・自分ではあまりきれいにかけない図形をPCでかけるのはよかった。

・グラフをかくのがおもしろかった。数学というよりは,美術みたいだった。

・グラフを読み取ることがおもしろかったです。PCでこんな事ができるんだと思いました。最初は,操作がよく分からなかったけど,慣れていくうちにできるようになりました。

・PCは楽しかった。PCを使って授業をすると楽しくできるからいいと思う。

・グラフをかいてやったのがとても印象に残った。数学ではじめてPCを使ったので,けっこう難しかった。でも,少しずつPCをやってると慣れてきて,分かりやすかったと思った。

・PCを使ってグラフがどのようにできるのか見れた。きれいにかけば,あんな風にかけるのかなぁと思った。

・操作方法をちゃんと聞いていなくてはできなかった。ソフトを使うのはちょっと大変だったけど,何とかできた。

・もっとPCを使って授業をしたかった。

・教室よりPCの方が分かりやすかった。

・PCは普段とは違う感じで楽しかったけど,私はどちらかというと普通の授業の方が分かりやすいかも。

・グラフに至るまで時間がかかってよく分からなかった。あまり得意じゃないので。コンピュータ教室での授業はわりと楽しかった。でも,教室の授業が一番だった。

・PCの使い方が分からなくてグラフをかけずにいると,やる気がなくなってついにPCで遊び始まってしまった。私的には普段の授業の方が集中してできるなぁと思った。でも,もし次回PCを使う授業がある時は,今回のような失敗を繰り返さないようにしたい。

〔アンケート結果の分析〕

1 「PCを使った授業への参加度」に対する分析

 2人の教員で指導にあたったので,つまずいている生徒への補助は,だいぶ行うことができたように思う。生徒は,操作方法をわりとすぐに覚えることができて,Grapesでグラフを調べたりかいたりすることは積極的に行っていた。

 しかし,初めてPCを操作して関数のグラフの学習をするということで,PCやソフトの使い方に慣れることが関門であったようである。また,その後のまとめ方が分からなくなっていたり,自分でグラフ用紙にグラフをかくときになるとやり方が分からずつまずいてしまったりしたことが,参加度をBと評価した理由なのだろうかと推測している。

 もっと詳しく聞いてみなければ分析にならないと反省をしているが,教材や展開の仕方をさらに工夫する必要があると考えている。

2 「PCを使った授業の理解度」に対する分析

 1・2年次の関数,グラフに対する理解度の高い生徒ほど,今回のPCを使った授業でも理解度が高い。

 今回の授業のまとめとしての確認テストの内容は,@2次関数のグラフの特徴についての穴埋め形式の問題と,A授業で学習したグラフ8個を自力でかくことであった。結果は,@は14名が全部正解,4名が一部正解,2名が未解答。Aは15名が全部かくことができて,5名が約半分かけている。しかし,対応表は全員つくることができていた。

 この確認テストの結果は,昨年度Grapesを使わずに2次関数のグラフの学習を行った生徒の理解到達度と比較すると,今年度の結果は極めて良好であるといえる。(ただし,比較は今年度の確認テスト問題と昨年度の主に定期考査問題で行っている。)

〔結論〕

 以上のことから,今回の一連の授業の結論として,次の3点を挙げることができる。

(1) Grapesを使って何回も自分でグラフをかいたり見たりすることで,2次関数のグラフの特徴を具体的にしっかりと理解することができたのではないか。

(2) グラフをかく学習では,Grapesで点を多数取って放物線ができていく様子を何回も確かめる体験をすることで,グラフをかく手順が理解しやすくなった。また,形もきれいな滑らかな曲線のイメージが印象に残り,自分でかくときにもかきやすくなったのではないか。

(3) 指導計画については,今後さらに工夫改善をしていきたいと思う。