■ギンヨウアカシア
 ■マメ科


花 (3月撮影)

●ミモザサラダをご存じですか?レタスなど緑の野菜の上に、茹でた黄身を細かく散りばめたサラダです。 西洋ではギンヨウアカシアを「ミモザ」と呼ぶ習慣があり、ミモザサラダはこれを連想させることから名付けられています。

ところが「ミモザ」とは本当はオジギソウ属の名前なのです。オジギソウの花の色は桃色で、黄色ではありません。

元来ギンヨウアカシアはオーストラリアの植物で19世紀後半に南欧に植えられるようになりました。オジギソウもギンヨウアカシアもポンポンのような形の花をしているため、間違えてミモザと呼ばれるようになってしまったのです。


花 (3月撮影)

●日本でよく言うところの「アカシア」はギンヨウアカシアではなく、「ニセアカシア」です。

ところが、ニセアカシアは「アカシア属」ではなく、「ハリエンジュ属」(Robinia)の植物です。アカシアの蜂蜜と呼ばれるものは、ほとんどがニセアカシアの花から取られています。

ややこしいことに、「ハリエンジュ」とも呼ばれるニセアカシアは、「エンジュ属」(Styphnolobium)の「エンジュ」と一見似ていて、両者はしばしば混同されるのです。そして、このエンジュまでがアカシアとして勘違いされているのです。

以上をまとめると: オジギソウ(○ミモザ属)― ギンヨウアカシア(×モザ属、○アカシア属)― ニセアカシア(×アカシア属、○ハリエンジュ属)― エンジュ(×アカシア属、×ハリエンジュ属、○エンジュ属)・・・勘違いの連鎖ですね。


(3月撮影)

●ギンヨウアカシアとフサアカシアは、どちらも南欧では「ミモザ」として春を彩ります。フランスにはミモザ祭りがありますし、イタリアでは3月8日をミモザの日としています。この日、男性はすべからく女性にミモザの花を贈るのです・・・そう、子どもからおとなまで、女性に感謝の意を込めて。ちなみに、国連はこの日を「国際女性デー」に制定しています。

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