■ツユクサ
 ■ツユクサ科


花(8月撮影)

●古来から日本人に親しまれてきた植物で、万葉集には「つきくさ(月草、鴨頭草)」の名で9首 にも詠まれています。ツユクサの花の汁で衣を青く染めても、水ですぐに色落ちすることから 恋心の移ろいやすさを表すものとして詠まれたほか、朝咲いて午後にはしぼむ花の短さが 恋心になぞらえて詠まれています。

「百(もも)に千(ち)に 人は言ふとも 月草の 移ろふ情 われ持ためやも」

「朝(あした)咲き 夕(ゆふへ)は消(け)ぬる 月草の 消ぬべき恋も 我れはするかも」

●ツユクサの青い花をよく見ると、中に黄色の花?があることがわかります。これは実は雄しべの一部なのです。雄しべは全部で6本あり、2本は長く普通の雄しべなのですが、残りの4本は短く、先端が目立った黄色をしています。


花(8月撮影)

黄色のうち奥にある3本はπ(パイ)形をしていますが、手前にある1本は人という字の形をとります。

●ツユクサでは青色の2枚の花びら(花弁)が目立つため、花弁は2枚だと思われがちですが、よく見ると雄しべの下に、もう1枚小さい白色の花弁があります。ツユクサは3枚花弁の植物なのです。

●花の下部は緑色の半円形をした鞘のような葉で挟まれています。これは苞(ほう)といって、その中に複数のつぼみを抱き保護しています。苞を取り除くと、これから咲く花のつぼみを1〜3個見ることができます。


(8月撮影)

●地図に示した場所の他にも、学内のあちらこちらで見られますが、樹木の下など時々日陰になる場所に多く見られます。

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